あれ?ファッション変えた?
歴史学部の同僚、まだ30代前半の男性教師のゼインさん。クリスマス前は、言っちゃ悪いけど、本当に ふつうーーーーーー な格好で学校に来ていた。チノパンに水色のワイシャツにベスト、とか黒いフリースにグレーのスラックス、とか。(*アメリカ東海岸で教師をしています)
うちの学校はゆるいドレスコードがあり、男性教師は襟のついたシャツ(ワイシャツでもポロシャツでも)とジーンズ以外の長ズボン(半ズボンはダメ)つま先の出ない靴(ビーサンとかはダメ)と決まっている。彼は9月に入ったばかりの新しい先生で、多分周りを見ながらワードローブをそろえたのだろう、31、2にしてはえらいおっさんくさいチョイスのファッションだった。
ただ彼自体が特に特徴も無く、本当に ふつーーーーーー の白人男性なので、別に白いシャツにグレーのパンツでも違和感はない。
なのに正月が明けてこの3日間、ボタンを2個ほど外したペイズリーや花柄のシャツを着て、スリムなストライプのパンツやワインカラーのコーデュロイのパンツを履いている。ちょっと胸毛がちらっと覗き、細いゴールドのチェーンも見える。なんとバッグも新調したようで、コーチの黒いラップトップバッグになっていた。ちなみにクリスマス前は使い古した青いリュックだった。
今日、たまたま同じ教室で時間があったので聞いてみた。
”ゼイン先生、ファッション変わったね、カッコいいよ!前と全然違うけどどうしたの?”
そんな不躾な私の質問に彼は破顔して
”わかります!??? 僕休み中にビートルズの Get Backを見たんです!その中の彼らのファッションがカッコよくて、自分もこんな風にカッコよくなりたい、って思って新しい服をたくさん買ったんです!”
まさかそんな理由だとは思ってもみなかったのでびっくりした。せいぜいガールフレンドやお母さんに”もっと個性的な格好をしろ”と言われたのかと思ってた。
彼は私がファッションに気づいたのが嬉しかったらしくこう続けた。
”誰も何にも言ってくれないからひょっとしてみんな変な格好、って思ってるのかと思って・・・”
大きなペイズリー柄の緑のシャツに黄土色のような金茶のようなパンツ、そしてちょっとヒールのある茶色のブーツを履いていた。ブーツはスクエアトゥだった。
まあ、変っちゃ変だけど、と心の中で笑いながらも、このまま突っ走ってこのファッションがゼイン先生のトレードマークになって欲しいなと思っていた。実際カッコいいしユニークなのでもう誰からも ふつーーーーー とは思われないだろう。
ニコニコとビートルズについて語る彼を見ながら、多分4月には髪が伸びていてメガネも丸くなって赤いベルベットのジャケットとか着て、イギリス近代化の授業をしているのだろうな、とワクワクしている。
自分の好きなアーチストを真似るファッション・・・・私もやってみたいけど、多分ピカピカとレースとふりふりのスーツの肩から羽が生えてたら←もちろん高見沢さんw みんな授業に集中できんやろうなぁーー
シマフィー
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