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勉強はなぜ必要なの?:大人になった私の答え

*2021年の4月に書いた記事ですが、今日(2022年12月)のラジオ”ロックばん”で高見沢さんが現代の若者が”タイパ”(タイムパフォーマンス)を重視している、というトレンドに対して年長者・大人としての真摯な意見を真剣に話されていたのを聞き、この記事を編集しました。
”学生時代の勉強”にフォーカスして書いた記事ですが、中心にあるのは何事にも意味と意義があり無駄な学びはない、という信念です。
人間は幾つになっても学びをおろそかにしてはいけない、何事からも学びは可能、という自分へのリマインダーも兼ねています。

中学までは割と得意だったのに高校に入ると急に数学が嫌いになった。
学校が面白くなかった、先生が嫌いだった、そんな理由もあったと思うが一番大きいのは自分が数学という知識を必要としていない・する機会はない、と決めていたからだと思う。私は“文系”に進んだので数学は不要、と自分で決めた。

大学に入るまでは興味のない・不得意な科目も勉強してテストに合格せねばならず、小さい子から高校生まで “どうして勉強しないといけないの” と疑問を口にするくらいだから、多分私たちは勉強をする理由を明確に外から(環境や社会)示してもらえなかったのだろう。
目的や理由がはっきりすればやる気も起こるし不得意な分野も工夫して好きになる努力もする。

私にとって数学という理由と目的がはっきりしない科目は別に出来なくても・わからなくても、とにかく合格点に達すればいいだけのものだったので努力をする意味がなかった。どうしても理解しよう・自分のものにしたいという強い欲求がないので、テキトーにやっていた。

古典、漢文、道徳、美術、政経、現代文、英語、化学、世界史、体育・・・どの科目もやらなければいけないけれど、何のためにやるのかわからないと辛い。
中高生だけに限らず興味のないもの・上手く出来ないものは人間誰しもやりたくないのだから。

大人になってやっとわかるのはそのどれもが必要だった、ということ。
こんなん知らんでも生きていけるわ!という知識さえ、直接使わずとも人生に必要だった。
どれもが自分の教養になり、自己の文化を作り、個性を育み、大人になってから読む本や旅行先、友人との会話や仕事先での接待、ご近所づきあいに結婚相手選び、そんな日常での判断や想像、視点や分析、理解や応用のための一部に生まれ変わっている。学校はその下準備をしてくれるところだ。

なぜ源氏物語を読まねばならないのか、なぜ楽譜を追ってリコーダーを吹く練習をするのか、二重跳びと逆上がりを何度もやるのか、自国語ではない言語の単語や数式を覚えるのか。

答えは簡単だった。

そんな色々な経験、知識(断片でも)と教養があった方が周りにある小さな喜び・幸せに繋がりやすい。後々に楽しく思えることも増える。
それは学校の外の世界に散らばるあらゆる点と自分の中に存在する無数の点を結びやすいから。


15歳の生徒は必ず私に聞く(*アメリカの高校で世界史を教えています)
なぜ中世のヨーロッパ史を勉強するの?私は歴史家にはならないし、ヨーロッパにも住まないし、大体1000年も前の話なんて現代の生活には何の関係もない。
こんなこと知ってるからってミリオネアにはなれないし、医者になりたい自分には関係ない。
私もそう思っていた。だって“いつか将来役に立つから”と言われると職業と繋ぐ線しか見えなかったから。


本当に勉強する理由とはTOEFLで満点とる、いい大学に入る、有名企業で働く、たくさんお金を稼げる、そういうゴールに辿り着くためのものではない。

自分が社会と、他者と、世界と、そして自分自身と繋がり、理解を深めて、ありとあらゆることを楽しみ、幸せになり、それを分け合い、また幸せになる、そういうゴールもエンドもないものだ。

新聞や小説を読んで、大河ドラマを見て、美術館や博物館を訪れて、アジアに旅行に出て、お隣にドイツ人が越してきて、山に登って海に潜って、美味しいビールやコーヒーを飲んで、タコスや参鶏湯やそうめんを食べて、映画を見て音楽を聴いて、誰かの話を聞いて、同情して、アドバイスをあげて、誰かに慰められて、愛されて、夢を見る。

そんな一つ一つに自分が学んだことの全ては繋がっている。そしてあれやこれやが網のように結ばれていて、網は大きくなる一方だ。

だから学ぶというのはいくつからでも始められるし、いつまでも終わりはない。


幸せになり、幸せを続けるために私たちは学び、それが楽しくなってくるのが大人になるということだ。

シマフィー

私が遥か昔にアルフィーさんに出会ったのも最近30年ぶりに出戻ったのも、どれも必然で、あらゆる自分に繋がっていて、幸せを続けるためだったんですね(納得)。

さて数学を切り捨てた私の運命はいかに↓


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