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邦楽を洋楽にしてみた!The ALFEEを英語で歌う”Joker ー眠らない街ー”

ツイッターで歌詞を英訳したら外国の人もわかるからいいかも、と言われてじゃあやってみようかな、と思ったのですが、どうせやるなら本当に歌ってもらいたい英訳をしたいので初めての挑戦をしてみました。

*今回はかなり読者幅を狭めてます、すみません。

日本語の歌を英語に訳す時にはふた通りやり方があると思われます。
一つは大体の意味、もしくは歌詞そのままの直訳で読む人があぁ、この歌はこんな内容なんだな、とわかる訳。
もう一つはメロディに乗せて英語で歌うことを前提に作り込む訳。

どちらもそれぞれ難しいポイントがあるかと思いますが、今日は後者の方にチャレンジしてみました。なかなか楽しかったので英語を練習している皆さんにもオススメです。

今回のようにメロディに乗せて英訳する時には考慮しなくてはいけないポイントが5つあります。

1. 英語と日本語の音節の違い
2. 歌詞の背後にある何かを読み取って言葉を足したり引いたりすること
3. 歌に乗せた時に早口になったり押し込め感がないこと
4. 歌詞本来の美しさや意図を残すこと
5. 文語的ではない自然な英語であること

2から5は以下の英訳を見ていただくとして、1をちょっとだけ説明します。
音節(syllable)は一つの音の区切り、と思ってください。日本語ですと大体が一文字で表させます。例えば、りんごは3、シマリスは4つの音節からできています。
英語はそうとも限りませんので、長い綴りでも1音節であったり、短くても2音節あることもあります。例えば Through は1音節、sleeplessは2音節、aloneも2音節です。
英語の訳詞をそのままメロディに乗せて歌ってもらうためには日本語の歌詞と英語の訳詞の音節を大体揃える必要があります。
直訳が同じ長さになるといいのですが、残念ながらそうもいきませんので、言葉の前後を変えたり、元々にはない言葉を足したりして帳尻を合わせます。

メロディの長さなどもありますので、きっちり音節を揃える必要はないのですが、たとえば今回訳した曲のサビの部分の“切り札”という4音の言葉は英語に変えるとtrump と1音になってしまいますので、どこかで帳尻を合わせて組み立てていかないと歌えません。

やってみるとパズルのような、数独のような、テトリスのような、面白いゲームのようで楽しめました。英語を勉強中の方、オススメです!そして訳したあとは歌ってみると達成感ですがすがしい気分になれます。

今回訳したのはThe ALFEEの最新シングル “Joker -眠らない街”です。これは検索すると英語の機械訳が出てくるので、参考までにそれも載せておきます。

今回は実際にリードボーカルの桜井さんに歌ってもらうのを前提に(笑)メロディにぴったり合うように訳してあります。

1段目は機械翻訳で出てくる“直訳”的な歌詞 (比べるとわかりますが音節数が元の歌詞よりもずっと少ないです)
2段目は高見沢さんが書いた日本語の歌詞 (/で切ってある部分は私の訳詞の/ に対応しています)
3段目は私の“訳詞”です(カッコ内はその和訳です、ややこし)

*12/28ー訳詞を2ヶ所書き換えました(太字にしています)。それに伴う解説も最後に追加しました。

In the city where I forgot to sleep/ Neon sea A flock of swimmers
眠りを/忘れた都会で /ネオンの海/ 泳ぐ人の群れ
Look at all these /people in this sleepless city/ swimming through the sea/ of blinding neon lights (見てごらん、眠らない街の中、眩しすぎるネオンの海をおよく人たちを)

Alone while being confused by the crowd/ I've lived with my breath
雑踏に/紛れながら独り /息を潜めて/生きてきた
Here alone/ hiding in the crowds, holding your breath/ till now you’ve been living/ not saying much (人ごみに隠れて、息を殺して、君は今まで何も言わず一人で生きてきた)

If you hide your true intention with a smile /A world that connects only on the upper side
本音を/笑顔で隠せば /上辺だけでも/繋がる世界で
All the smiles /to hide all the truths and that’s how/ we pretend to relate/ in this shallow world(笑顔はずべての本当を隠して、こんな浅い世界で繋がるふりをしてきた)

The clown who sought / Tangled bonds can never be tied
倖せ/求めた 道化者 /縺れた/絆は二度と結べない
You the jester /who kept longing for the happiness/ Can’t find the ties /they are all lost in the tangle(君はずっと幸せを待ち焦がれた道化だ、繋がりは見つけられない、縺れの中で無くしたから)

Resist your own way of life /Stop time to make up for today
抗えよ/自分の生き方を /今日を償うために/時間よ止まれ
Take a breath to save /your faith and live the life you dreamed/ the clock is stopped/ now redo what you have done wrong(君の信念と夢に描いた人生を生きるために抗え、時計が止まっている今、間違いをやり直せ)

Open the door of loneliness /Embrace a free night
孤独の扉/こじ開けて /自由な夜を抱きしめよう
Leave the lonely place/ use all you got in you/ don’t let go, hold tight, freedom is in your arms(持ってる全てを使って孤独という場所を出よう、しっかり掴んで腕の中の自由を離さないで)

Crush your shell /Let's illuminate the darkness of the heart with light
自分の殻を/打ち砕き/心の闇を光で照らそう
Break free from the shell that/ kept you all alone/ shine the light on the dark place in your heart(君を一人で閉じ込めていたその殻を壊そう、心の中の暗闇に光を照らして)

Trump card! / Believe in your dreams and accomplish them! / Bet everything
切り札/ 翳せ! /夢を信じて/ 成し遂げろ! /すべてを賭けて
Trust your dreams/ they’re your trumps/ you hold all the cards /Bet all you have got to win true self (夢を信じて、それが君の切り札だ、カードは揃っている、本当の自分を勝ち取るために持ってる全てを賭けろ)

You hold all the cardsは“カードは揃っている”と同時に“強く有利な立場にある”、という意味もあります。

**12/28に最初のAメロの”brightest neon lights"を”blinding neon lights"に変えました。目が見えなくなる(blind) ほど眩しい光と表現することによってただ流されて生きている人々が目標や夢を見失っている様子を強調しています。

そしてBメロアタマの”抗えよ”の部分をもとは”flight against"としていたのですが"take a breath"に変えました。泳ぐ人の波に隠れて息もできないほど苦しかったyouに”息をつげ”とすることで”生き返ろ”というメッセージを強調した形です。Take a breath は一旦やめて休め、という意味もありますので、忙しく自分を見失う人生だった自分をやめて振り返る、という二重の意味も含ませてあります。

英語の練習をしている方、日本語を読みながらその長さで訳詞を声に出して読んでみてください。英語を自然な流れで話す練習にもなります。

シマフィー

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