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教師シマリス

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学校の授業、教育系のアレコレ、楽しく学ぶ工夫、そんなことを書いた記事をまとめました。 現在アメリカの私立高校で歴史と科学などを教えていますが、それ以前は日米を含め6カ国で英語・コ…
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2021年6月の記事一覧

君が留学決める前に言っておきたい:関白宣言

君が留学 決める前に 言っておきたいことがある かなりきびしい話もするが シマリスの本音を聴いておけ 英語ばかりを 学んではいけない 英語だけ出来ても 何にもならない 読書の時間作れ 歴史・数学・美術史 どれも全部やれ 日本語でいいから 忘れてくれるな 国語の読解も出来ない生徒は 英語で読解、分析、論文、何にも出来ないってことを 発音よくても、教養不足で 落第ってこともあるから 英語以外も今のうちから 黙ってたくさん勉強してこい 今時の若い人、さだまさしさんの ”関白宣言”

先生が泣いた日:We're Not Good Enough

学生だった頃は先生が泣く姿を見たことは一度もなかった。 単にそんな機会がなかっただけなのかもしれないが、今、自分が高校教師をしていて思うのは、あの先生たちも職員室で、帰りの車中で、家で、生徒の見えないところで、泣いていたのだろう。 私が教師になろうと決めたのはいつだったのか思い出せないが、やる限りは一生懸命にやろうと決めた出来事はあった。こちらに書いている。 結婚してアメリカに戻って来て以来、私立高校で歴史と科学を主に教えているが、小さい学校なので教師各自が穿くワラジは何

成績は与えられるものではない:You Earned It!

毎年この時期になると生徒から、父兄から、怪しいメールが届く。 出していない宿題を今更提出し“出さなかった宿題がたくさんあるけど一生懸命努力したから”どうか学年末の成績を変えてくれ、というものだ。(*アメリカの私立高校で教師をしています) 我が校では年間の平均成績が75点以下は落第で、2教科以上落第すると留年になる。 なのでギリギリ足りない、もしくはだいぶ足りない、生徒が最後の1週間そこらでこれまで出していなかった10週間分の宿題を今から出すから加算しろ、とか受けなかった8週

イチゴとみかんの魔法

昨日から学年末試験が始まり、教師は来たい人は学校に来て教室で最後の1週間を過ごしていいですよ、と言われたので今日も行ってきました。生徒は全員オンラインですが我が校の教師・職員はほぼ100%がワクチン接種を先月までに終えたので、最後くらいは学校で、との計らいだと思います。(*アメリカの私立高校で教師をしています)。 毎年恒例の学年末のパーティーもあるのですが、今年は任意参加で校庭にテーブルをセッティングするということでした。いくらワクチン接種済みでも室内での会食はなるべく避け

留守番のトリとクマ

この歳になっても可愛い男の子からぬいぐるみを貰うことがあります。 まぁ、可愛い男の子は9年生やら10年生やらの生徒なんですがね。(*アメリカの私立高校で歴史を教えています) パンデミック前、まだ学校が対面授業だったときに男の子が2人で私の教室にプレゼントを抱えてやってきました。 メキシコから可愛くてカラフルな手作りのぬいぐるみを持ってきたアンヘロ。 イタリアからグラディエイターのコスプレをしたクマを持ってきたジャンカルロ。 10年生だった彼らはお互いをけん制しつつ、俺のぬい

Empathy:留学生の気持ちを教師に体験してもらう

10年前我が校の教師研修で、英語がまだ初級レベルの生徒に授業中どのような配慮をしたらいいのか、を同僚教師たちと話し合ったことがある(*アメリカの私立高校で歴史を教えています)。 それまで我が校には留学生が5-6人しかおらず、至れり尽くせりで学習サポートしてきたが、その数が一気に40人ほどにまで増え、どの教師もあわあわしていたからだ。 どんな子供でも私たち教師にとっては大切な生徒であり、一人一人がそれぞれの成功を掴めるように授業の内容や形態、使う資料や講義の方法などもフレキシ

”正しい英語”は誰の英語か

12年生の英文学の先生と話をする機会があった(*アメリカの私立高校で教師をしています)。留学生の2−3人が文学の授業をパス出来ないかもしれない、という内容で、その会話の中で聞き捨てならないことを言われた。 彼らは正しい英語を喋れないからな〜 もう何年も、何年も、我が校の職員や教師に言い続けているけれど、彼らは一向に考えを改めてくれない。 正しい英語、というものはない。発音でも文法でも、英語には色々と種類があり、これだけが正当で正解、というものはない。 シンガポールもイン

モヤっとするのは記事の方じゃん

久しぶりに何の役にも立たない記事を最後まで読んでしまった。ツイッターのトレンドで目にしたので読んでみたのだが、何ともモヤモヤする記事だったので、このモヤモヤをこの記事の中で処理したい。 記事は『生贄探し 暴走する脳』についてだが、著者の中野さん本人が書いたものではないと思う、というかそうであってはいけないほどのモヤモヤであった。私は『生贄探し 暴走する脳』を読んでいないので、その内容についてはコメント出来ないが、中野さんのプロフィールを拝見すると理系の才女であられるのは一目