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私がはじめて係長になった日~新任係長の皆さんに伝えたい3つのこと~


「健康科学研究センター保健科学課の総務企画係長!?」

2021年3月下旬の人事異動の内示。係長級昇任試験に合格して主査になって3年目だったので、そろそろ係長になる頃だろうという覚悟はありましたが、内示された異動先が何を所管する部署なのかさっぱり分からず不安だったのをよく憶えています。

(このとき深く考えませんでしたが、私はその春から【初めての係長】×【初めての分野】という二重の “初めて” に大苦戦することになります)


この記事をお読みの皆さんの中にも、この春にはじめて係長になったり、マネジメントをする立場になった方がいらっしゃることと思います。

この記事は、そんな皆さんにお届けします。

私が初めて係長になった2021年に、失敗を重ねながら「どうやって係長になっていったか」。その過程が、初心者係長の皆さんにとって何かしらのヒントになれば幸いです。




1.難しいのがあたり前

4月にはじめて係長になった皆さん、係長のお仕事、できていますか?

「バッチリできています」というひとがいたら、私はすごく尊敬します。でも、そんなひとは珍しいのではないでしょうか。

私は、まったくうまくできませんでした。

特にまいったのが、先輩かつ専門職の係員とうまくコミュニケーションがとれなかったこと。

保健衛生分野のことをまったく知らない私が係長に着任することは、係員にとっては非常に不安だったろうと思います。「使えない係長が来た、私たちの負担が大きくなる!」そんな感覚だったのかもしれません。

感染症法に基づく感染症発生動向調査の週報のチェックを求められても、書いてあることが正しいか否かなんてまったく分かりません。そこで私が感染症法について時間を割いてガリ勉する選択肢もありましたが、部全体の管理(施設修繕や予算、組織、人事等)もある中で、私はあくまでマネジメント中心の働き方を選びます

さらには、引継ぎに従って「部長の秘書官」としての業務を最優先にしてしまい、結果的に係員の方ではなく部長の方を見て仕事をすることになりました。

「新任の係長は、自分たちが専門職として誇りをもって取り組んでいる感染症の仕事を理解してくれない」「自分たちの方ではなく部長の方ばかり見て仕事をしている」

その結果、1年目は係員の皆さんとの距離を詰めることができず、私は私で手探りで業務に取り組み不安な気持ちを抱えていたので、かなり殺伐とした空気が漂っていた気がします。新型コロナウイルス感染症が流行していた頃だったので、感染症の検査機関でもあった職場は、全体的に誰もが心の余裕がなかったことも症状を深刻なものとしました。


というように(どういうように!?)、私ははじめて係長になったとき、「係長」という業務をまったくうまくやれませんでした


普通の係員だった頃には、自分の仕事を一所懸命片付けていれば組織からの期待に応えていることになりますが、係長になると「係」というチームとして成果を出すことを求められます。

どんなに係員として優秀だったとしても、そのまますんなりと係長としても優秀だなんてことは極めて稀。そもそも種目が変わっているんです。

だから、着任してすぐに完璧に務められたら奇跡です。


はじめて係長になったら、まずその業務は難しくてあたり前うまくできなくてあたり前だということを憶えておいてください。



2.ひとのマネジメントがポイント

係長という職位には、なまじ「長」なんてついているので、「ちゃんとできるのが当たり前」というプレッシャーを感じます。ですが、実際には未経験の分野への人事異動よりも、係員から係長への昇任の方が変化は大きいと思います。

だからこそ、上述のようにうまくいかなくて当たり前なわけで。

マネジメントの観点を中心にこちらの記事でご紹介していますが、やはり係長と係員の最大の違いは「ひとのマネジメント」に取り組むことです。

ひとのマネジメントとは、係員の業務分担や係員の心身の健康管理、モチベーションの維持向上、人材育成などです。

これは通常であれば係員時代に担うことがない仕事です。はじめて係長になった際には、特に気にしたいポイントになります。

特に係員のモチベーションの維持向上については、こちらの海老原嗣生さんの本は大変参考になります。

また、私の場合、ひとのマネジメントの一環として、係員の皆さんと「1 on 1ミーティング」に取り組んでいます。人間関係が難しい職場ではありましたが、1 on 1ミーティングははじめて係長になった保健衛生分野の職場での関係構築に役立っていた気がします。

1 on 1ミーティングは、係長の方に傾聴などの一定のスキルが求められますが、おススメです。

いずれにしても、係長と係員を比べて最も大きな仕事の変化は「ひとのマネジメント」だということを、まずは知っておいてください。そのうえで上述でご紹介した書籍などを参考に、どこから「ひとのマネジメント」に取り組めるか探してみてください。



3.技術だから学べば身につく

はじめての保健衛生分野、先輩かつ専門職の係員とのコミュニケーションの難しさ、検査機関という組織の特殊性。しかも、部の筆頭課筆頭係という取りまとめの責任者。

はじめて係長になった2021年、うまくできなかった言い訳はいくらでも挙げられます。

確かに1年目はうまくいかなくて落ち込みがちでしたが、保健衛生分野で2年目、3年目、そして今年の春からは環境分野の部署で係長を務めていて、年々係長としての仕事の仕方が身についている感覚があります。

マネジメントは技術なので、学べばできるようになります。

このことはぜひ知っておいてください。マネジメントはセンスではなくて、ちゃんとした技術なんです。だから、今はマネジメントが苦手でも、いつまでもできないままではありません。私も仕事の任せ方やモチベーションの維持向上につながるような声かけなど、できることを一つひとつ増やしながら取り組んでいます。

その結果、最近は係長の仕事が楽しくなってきました

この記事は、この春にはじめて係長になったり、はじめてマネジメントをする立場になったひとに向けて書かせていただきました。この2か月間、悪戦苦闘しながら、「はじめてのマネジメント」という困難に立ち向かっている皆さんも、学べばできるようになりますし、できるようになれば楽しくなってくるかも!?



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