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自分の手でキャリアをデザインするための自己申告の4つのポイント


毎年、どうしようかなと悩みます。


自己申告というのは、組織によって呼び方や方法は様々ですが、簡単に言えば自分が来期にどんな部署でどんな仕事をしたいのかを、組織に対して意思表示する機会

私の勤め先では「自己申告書」という書類を書いて人事に提出しますが、組織によっては上司との面談で伝えたり、書類と面談と両方がある場合もあるようです。

そして、任意の組織もあれば、必須の組織もあるようですが、秋から冬にかけて書類の提出期限や面談の時期が設定されています。


とある勉強会にお呼びいただいて、この自己申告に備えて『自分のキャリアをコトバにする』というテーマで講座を実施させていただいたことがあります。

自己申告書に書くにしても、面談で上司に伝えるにしても、自分のことを知り、それを材料にして希望する部署や仕事を考えられるのが望ましい姿です。「私が得意なことは?」「私がやりがいを感じるのは?」「私はどんな《北極星》を目指しているのか?」、自分自身に問いかけても、その答えをうまく言葉で表現できないことが多い気がします。

でも、それらの材料をうまく言葉にできなければ、考えることも伝えることもできません

そんな問題意識から実施することになった講座でした。


その講座でもお伝えしたのですが「自己申告において大切な4つのポイント」というものがあります。
この記事ではその4つのポイントについて解説します。

自己申告の4つのポイント
(1)希望の部署に異動することを目的にするよりも、キャリアデザインの機会として活用する。
(2)希望の部署・仕事は自分を知り、仕事を知ったうえで伝える。
(3)大切なのは希望の部署に異動できたかどうかではなく、今後の経験を将来の自分がどう意味付けできるか
(4)計画どおりには進まないから、偶然を味方につける。そのために好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心が大切。



(1)希望の部署に異動することを目的にするよりも、キャリアデザインの機会として活用する

やりたい仕事を伝える際には、同時に、その仕事を希望する根拠や必然性、妥当性を伝えようとするのではないでしょうか。例えば、自分が得意な仕事やスキル、やりがいを感じることと、そのやりたい仕事とのつながりなど。

伝えようとするこれらの要素を言葉にするためには、自分のキャリアを振り返り、今後向かう方向をある程度定めることが有効です。

そのため自己申告は、自分のキャリアデザインとセットで考えるのに、ちょうどいいタイミングなのです。

希望の部署への異動がかなうことも大切ですが、実際に希望が叶うことは多くありません。それよりも毎年1回、この自己申告の時期は自分のキャリアについて考える時期と位置づけて、結果的に希望がかなえばラッキーくらいに思っておくといいのではないでしょうか。


(2)希望の部署・仕事は自分を知り、仕事を知ったうえで伝える

自己申告で異動の希望を伝えて、希望がかなったときに後から「思っていたのと違う」と悩むことがあります。

そういったショックな事態を避けるためには、上述したように自分のことを知る(自己理解)のに加え、仕事についても理解する(職業理解)ことが大切です。

仕事の内容に加え、職場の人間関係や文化、雰囲気であったり、社内/庁内でやり取りのある関係者、外部の人との関わりなども知ることができるといいですね。

さらに重要なのが、そこで自分が何を得ることができそうか、という点。

税の知識が得られるとか、民間の人の仕事の感覚に触れられるとか、社内/庁内の人脈が広がるとか。異動前に知る方法は限られますが、現職や経験者に知り合いがいれば、ぜひ確認しておくのをおススメします。


(3)大切なのは希望の部署に異動できたかどうかではなく、今後の経験を将来の自分がどう意味付けできるか

これは大切なことですが、そのために今すぐできることがあるわけではないので、難しいところです。

いずれにしても、将来の自分がどう意味付けできるかが重要なのであって、「今の自分がどこでどう働くのがいいのかという《正解探し》」にハマってはいけません。

異動できなかったからダメなのでも、異動できたからイイのでもありません。

結果的に異動できてもできなくても、目の前の仕事に一所懸命に取り組み、また時期が来たときに、そこまでの自分の働き方などを振り返って、異動できた/できなかったことが自分にとってどんな意味があるのかを考えればいいのです。


(4)計画どおりには進まないから、偶然を味方につける。そのために好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心が大切

将来的にこんなふうになりたいな。そう思って、希望を伝え、希望がかなっても、そのままずっと計画どおりにキャリアを形づくっていけるわけではありません

多くの場合、途中で計画から外れ、計画自体を見直さなければならない時期が来ます。だからって計画なんてつくらなくていい、とまでは言いませんが、「人のキャリアの8割は偶然の結果によってつくられている」(計画的偶発性)とも言われます。

カッチリと計画を立てるより、自分がたどり着きたい《北極星》を頼りに「だいたいあっちの方」という方向性だけ見定めるくらいでいいと思います。

あとは偶然を味方につける姿勢を知って、実践すること。計画的偶発性理論の5つの要素について、ここでは詳述しませんが、知りたい方はこちらの海老原さんの著書が大変参考になるので読んでみてください。



さて、自己申告について大切なこととして、勉強会でもお伝えした4点を解説しました。


ここでは自己申告を書類を提出したり面談で伝えることを前提で書かせていただきましたが、自己申告を出さないという選択肢もあります

この選択肢をどう考えたらいいのでしょうか。


人事当局が考える「あなたに携わってほしい仕事」を受け入れるという考え方もあります。つまりは自己申告の意思表明をせずに、置かれた場所で咲こうという考え方。

私も、若い時に一度提出したことがあるだけで、基本的に上記のような考え方で全く意思表示をせずにいました

でも、自分がキャリアコンサルタントになったことと無関係ではありませんが、今はしっかり意思表示することにしています。異動の直後だったりすると、意思表示をしても異動の確率は低いはずですが、それでも私がどんな業務に関心があるのか、キャリアについてどのように考えているのかを人事当局に知っておいてもらうのは意味がある気がします。

それに、この記事でも書いたようにキャリアデザインの機会としても活用したいと思っています。



皆さんの職場の自己申告は、どのような制度でしょうか?

皆さんはそれをどのように活用しているでしょうか?


よかったら皆さんが考える自己申告のアレコレについて、教えてください。



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