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なぜか大切だと思うことほど、日常の中で話すことができない私たち


先日、こんなイベントを開催しました。


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今日の記事はこのイベントを通じて感じたことをお伝えします。


◆    ◆    ◆


このイベントは、公務員を対象に、自己申告についてみんなでお話ししましょう、と呼びかけたものです。

急遽、翌日が衆議院議員選挙の投開票日となった影響で参加者が集まるのか不安でしたが、それでも20名ほどの皆さんにオンラインでお集まりいただきました。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

《自己申告とは》
自己申告は、今後どんな仕事をしたいのかを組織(人事)に伝える行為。中長期的な視点で伝えることもありますが、地方公務員の皆さんは「希望する異動先」を伝える機会だと捉えている人が多いかもしれません。
将来の希望だけではなく、どんなことが得意なのか、どんなスキルや資格を持っているのかを伝えることもあります。


自己申告について私の考えはこちらの記事でお伝えしています。

この記事でも書いた自己申告のポイントは、以下のとおり。

(1)キャリアデザインの機会として活用する。
(2)自分と仕事を知ったうえで、やりたい仕事を伝える。
(3)大切なのは経験を将来の自分がどう意味付けできるか。
(4)計画どおりには進まない。偶然を味方につける在り方を。
※転載するためコンパクトにまとめ直しました。


とはいえ、今回のイベントの目的は、これらのポイントを参加者に知っていただくことではありません。

これらのポイントを知っていただくより、少し手前。

自己申告なんて何を書いても意味ないよ、どうせ希望なんてかなわないし

こう考えている人が

自己申告だし自分のキャリアのことを考えるのもアリかな

こんなふうに考えるようになるといいな、と思って企画しました。だから、4つのポイントのうちの「(1)キャリアデザインの機会として活用する。」の一歩手前くらいかもしれません。


そのために、意識したのは3つ。

(1)自己申告に対する想いを他者に語る
(2)自己申告とキャリアの関係を知る(一般論)
(3)自己申告と自分のキャリアを結びつける

そのために、公務員キャリアコンサルタント2人(そのうち一人は私でしたが)による対談で、自己申告の意味や当事者としての経験談をお伝えした後に、参加者同士でたっぷりと自己申告とキャリアに関するテーマで語り合っていただきました。


オンラインでのイベントでしたので、参加者同士の対話はブレイクアウトルームで。全体の進行を務めていたため、私は皆さんのお話を直接お聴きしたわけではないのですが、後ほど感想などをお聴きしたところでは、こういうことを語り合う機会そのものに価値があると感じていただけたようでした。

こういうことを語り合う機会というのは、自己申告やそこから広がったキャリア全般の話について語り合う機会

この手の話って、皆さんの職場では話す機会はありますか?

私は、市役所に勤めて17年目ですが、どこの部署でもこういうことを語り合う機会はありませんでした。話したとしても「自己申告、書いた?」「一応書いたよ、どうせ希望はかなわないだろうけど」くらいのもので、その意味を語り合うといった深さのものではありません。

もしかしたら、似たような状況の職場が多いのかもしれません。


事情は職場によって(またはそこの人たちの個性によって)様々でしょうが、例えば、異動したいとかしたくないといった「異動希望」はデリケートな話題なので、本音で話すと、互いの関係性によっては気まずさを感じることも。熱っぽく「キャリア」なんて言葉を使うのを冷ややかに見るような、白けた雰囲気の職場もあると思います。


そんな日常から離れて、今回のイベントの場では、参加者一人ひとりが自己申告やキャリアについて日頃抱えている想いを互いに伝え合い、互いの言葉を聴き合えたから、「有意義だった」「楽しかった」「話したりなかった」といった感想につながったのでしょう。


主催者は、私と同じ公務員キャリアコンサルタントの仲間による有志のチームでしたが、私たちから「自己申告書には、こんなふうに書くといいですよ」という「助言」は一切しませんでした

今回は、そういう場にはしないと決めていたから。


それでも、いや、そうだったから、参加者同士で対話を重ねて、3ラウンドの対話、そしてそのあとのリフレクションまで終わったときには、参加者の顔つきがイベント開始直後から大きく変化していたように感じました。

笑顔が見られたのも大きかったですが、充実感を感じるとともにどこかスッキリしたような表情に見えたんですよね。

感想をお聴きしなくても、今回のイベントをやってよかったなと思いました。



なぜか大切だと思うことほど、日常の中で話すことができない私たち。

だからこそ、イベントという非日常の場として、大切なことを語り合い聴き合う場が求められるのかもしれません

私が、キャリアコンサルタントとして個別のご相談をお聴きするのもそうですし、ワークショップデザイナーとしてそのようなことを語れる場をつくることもそう。

これからも、そういった場をつくっていきます。



今回一緒に準備し、運営してくれた公務員キャリアコンサルタントの仲間には、本当に感謝しています。ありがとうございました。



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