アプリのユーザー行動は「複数サイクル」が主流となった
Reproでマーケティングコンサルタントをしている嶋と申します。
今回はアプリマーケティングの最新トレンドと、それを反映した行動理解の方法をご紹介します。
先日、Xで投稿したこちらを詳細に解説していきます。
アプリの多機能化が止まらない
ここ数年のアプリ機能のトレンドはこのような感じです。
2017~:OMO(Online Merges with Offline)機能の進化
2018~:モバイル決済とデジタルウォレットの普及
2020~:スーパーアプリの台頭
2022~: スマートホーム連携の普及
2017年に「OMO」という概念が提唱されて以降、店舗を持つサービスのアプリで急速に多機能化が進みました。
店舗の会員証アプリにEC機能が付いたり、初代ZOZO SUITとかもこの辺りでしたね。
また、2018年にPaypayが登場して以降「モバイル決済」の機能を搭載した複数のアプリが誕生しました。
当時のPaypayが実施した100億円あげちゃうキャンペーンは記憶にある方も多いのではないでしょうか。
直近のトレンドは「スーパーアプリ化」
2024年に入ってから複数の大規模サービスが、これまでは別々に存在していたアプリを統合して「スーパーアプリ化」を推進しています。
企業によって事情は異なりますが、直近スーパーアプリ化が進んでいる背景は下記のような部分だと考えています。
各企業でデジタルマーケティングに取り組む姿勢が変わり、体制の整備が進んでいる
上記に伴い、黎明期に乱立したアプリの継続要否の検討・効率化が図られている
よって、今後もアプリは更に、更に多機能化していきます。
「単一サイクル」から「複数サイクル」の時代へ
多機能化の流れはアプリマーケティングにも影響を及ぼします。特に影響の大きな部分が、ユーザー行動の把握が難しくなることです。
従来のアプリ内行動は「単一サイクル」としてシンプルに定義できるアプリが多く存在しました。
「単一サイクル」では流れに沿って機能が利用されるため、単純に機能利用率を追うだけでもなんとなくユーザー行動の理解を深めることができました。
一方、近年のアプリ内行動は「複数サイクル」となり、どういった使い方をされているのかしっかりと定義しなくては、ユーザー行動の理解を深めることはできません。
「複数サイクル」では機能利用率ひとつ取っても、サイクルによって異なる使い方をされている場合があるため、抽象度の高いデータとなってしまいます。
「複数サイクル」の現状を正しく理解する方法
「複数サイクル」の現状を正しく理解する方法としておすすめなのが、「状態遷移図(ステートマシン・モデル)」です。
これはEvernoteの創業者であるPhil Libin氏が提唱しているもので、「ユーザーが留まる円」と「遷移」のユーザー数を週単位、月単位でモニタリングすることで、サービスの利用状況を鮮明に可視化できます。
上記のような潜在 - 顕在の定義は「複数サイクル」を定義する際に、行動イベントベースで定義します。
また、数値のほかに各パス間での施策も可視化しやすくなるので、施策管理にもおすすめです。
このように「複数サイクル」と「サイクルが切り変わる際の条件(行動イベント)」を定義したうえで、「ステートマシン・モデル」による整理を行うことで正しく現状が理解できます。
今回は潜在 - 顕在でサイクルが変わる例を挙げましたが、機能を統合したスーパーアプリでは「この機能は使うが、この機能は全く使わない」というユーザー行動が顕著に表れる可能性があります。その場合、定義すべきサイクルは更に増えていきます。
最後に
アプリの多機能化の流れはしばらくは続いていくと思っています。
また、アプリというチャネルの重要性も同様に増してきています。
先日のコマースサミット内の発表で、アパレルECサービスの売り上げのうち、アプリ経由売上が50%以上になったそうです。
アプリマーケティングに携わるポジションの方はより活躍の機会が増える一方、ユーザー行動などは把握しにくくなってきています。
今回ご紹介した方法が少しでも役に立ちますと幸いです。
今後もデジタルマーケティングに関するコンテンツを発信していく予定です!
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