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愛が古いのよ

エモッセイを書こう!

と、前回言った直後に

さっそく逸れて

愚痴エッセイでございます。

あのね
気づいたの。

エモさって、昇華しやすいの。

ナマモノなんですね〜。

つまり
早く書かなかったから

私の中から鮮度抜群のエモさが抜けてしまった〜。

一方、

愚痴というのは
なかなか根強く残るもので。

こちらは乾物。
噛めば噛むほど、濃くなる。

というわけで
この夏の思い出を。

実家あるある(多分)案件です。



私には小学生低学年の息子が
二人いて

それはそれは
だいじに育ててしまっています。
(過保護ってやつです)

もともと、神経質な性格だから
特に
口に入れる物にはけっこう敏感。

えっと、
オーガニックとかではなく
《お腹壊す系》ね。

健康増進ではなく
今ある命を脅かす危険を
なるべくなるべく
遠ざけたい性分なんです。

だから
チョコレートも
カップラーメンも
全然気にせず食べさせてるけど

消費期限が一日でも過ぎたものとか
火が通ったかどうか曖昧なものとか
夏場の持ち帰り寿司とか
いつ開封したか分からないシャケ瓶とか
火を通せば大丈夫とか

そういうのが
かなーり、苦手。

古い食物は冷蔵庫に置きたくないから
生肉も生魚も買い置きがなくて
日々、コツコツ買い足し。
あるいは、冷凍庫がパンパン。

だって、だいじなんだもん、子ども。

で、実家に帰ったらですね。

まあ、これを読んでくれてる方は、
だいたい想像ついてると思いますが

食材が古いわけですよ。

平気で古いの。

いや、親、
お腹強いわ。


でね、
何がストレスかっていうと

いい子ちゃんで育ってきた私には
親の気分を害するようなことを
言えない呪いがかかっていてですね。

この場合だと

そんな古い物、
だいじな孫に食べさせないでよって

ズバッと言えばいいやん?
家族なんやし。

でも、言えない。

実家に帰ってきた娘と孫に
愛情たっぷりの手料理を食べさせようと
一生懸命、台所に立つ母親に

「その肉、消費期限おとといだけど」

とか、言えない。

なので
私がとった作戦は

①「お母さん作るの大変でしょ〜」
と言って外食や惣菜購入を促す。

②食べたふり/苦手なふり

大きくはこの二つ。


しかし、
①の
惣菜を買って帰る場合でも
冷蔵庫の3段目奥に眠ってる変な漬物とか出てくるし

息子が、「海苔が食べたい」と言い出し
まあ乾物なら…とあまり気にせず
食べさせてる途中で、

一応、と期限をチェックしたら
一年半切れの海苔だと判明したり。

安らぐはずの実家が
トラップ多すぎる。

いやね、食べても大丈夫なんだと思うの。

実際、
そういうものをいつも食べている我が親も
初めて食べた息子たちも
お腹壊してないし。

私の問題なのは(なのか?)
わかってるんだけど

いやな物は嫌!

だいじに育ててるんだよ〜おかーさーーん。

と夕陽に向かって叫びたい気持ちで
毎回の食事をなんとかこなす日々。

②はほんと失礼だし
最終手段にしたかったんだけど…

もうこれで行こうと心が決まったのは

消費期限が半月切れた明太子で
パスタを作ってくれたとき。


明太子ですよ、明太子。

ひろしとみさえも当たってましたよ。
(クレしんね)


でも私、
言えないからさ。

気づいたときには
盛り付け段階だったし。


パスタが二種類あったから、助かったよね。

もう一つは、新鮮なシソで作ったジェノベーゼだったから

私と息子らは

「辛いもの苦手で〜ごめんね!」

とか言って

危うい明太パスタを避け
ひたすらジェノべ。

息子は明太子、ちょう好きなのに。


そんなこんなで
食べたふり作戦で乗り切っていたけれど

最終日の夕飯

ばあばが作ってくれた、カレー。

買い出しから一緒に行って

野菜も肉もルウも
横に張り付いてちゃんと買ってるの見たから

よし大丈夫。

これで最後だ。
なんとか乗り切った…

カレー作りはばあばに任せて

私は子どもらのお世話などをし

帰省最後の晩餐。

ビール片手に長男の皿を見ると

あれ?

コーンが、
入ってる。

ばあばに聞くと、缶詰のコーンとのこと。

「子どもはコーンとか、好きやろーと思って」

そっか。缶詰か。
缶詰ならまあ、大丈夫でしょ。
なんたって数年持つ優秀な保存食だし。


でもね

母は手強かった。。。

洗い物をしながら
目に入ってきた
コーン缶の裏側…

消費期限が

サンネンマエ。

サン、ネン、マエ。

ただでさえ長い保存期間を
超えてさらに
サンネン??

酔いが回って
数字がうまく見えてないのかと思った。

一瞬で酔いが覚めたけど
何度見ても3年前だよ。

おいおいおい〜

息子たち
食べちゃったよ〜。

死んじゃわないかなあ(泣

その夜は
心配と、怒りと、なんとも言えない情けなさで
眠れませんでした。

でも、翌朝。

ストレス過多でぐったりする私の横で

ちょっとはじっとしなさい!
と尻叩きたくなるくらい
元気に飛び跳ねる息子二人を見て

なんだか
私が間違っているような気になったりもして。


人間って…、強いね。

でもね、お母さん。

99歳のばあちゃんに
その明太パスタやカレーは
致命傷やと思うから

ほんとやめといて。



はぁ
つっかれた。


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