見出し画像

【人事評価制度のススメ②】システム会社がよく聞かれること#6



『人事評価制度をつくりたい』
というご相談が非常に多い!


と前回の記事で書きました。


多くの経営者が切望する
人事評価制度をつくる上で、


絶対にやってはいけないこと



があります。


(思い返せばこのシリーズ、
このパターン多いですが(笑))

人事評価制度をつくりたいのなら、







いきなり人事評価制度を
つくってはいけません!!







これが鉄則です。

社内デジタル化をしたいときに、
『いきなりシステムを導入しては
いけません!』と書きましたが、
これと同じです(笑)


人事評価制度の評価シートや
運用規程など、制度そのものは、
すぐにでも良いものはつくれます。


しかし、どんなに素晴らしい
人事評価制度が事前に用意できた
としても、絶対に上手くいきません。


ではどうすればいいのか?


成功するポイントは、
現場の方が、いかに納得感を持って
その人事評価制度を運用できるか
です。


人事評価制度の内容そのものよりも、
納得感がポイントなのです。


こんなふうに思っていませんか?


人事評価制度をつくれば、社長が頭の中で考え、やってきたことが
文書化、視覚化できるので、社員に見せることができる。


『ここにこう書いてあるからあなたの評価はA評価です。
だから給料はいくらです』


パズルのように給料がはじき出され、
『なるほど、ここに確かに書いてありますね。だから私の評価ってこうなんですね。納得しました』

と社員からも言ってもらえる…



…とは、残念ながらなりません(笑)


なぜなら、すごく当たり前ですが
人間は感情を持った生き物なので、
ロジカルに当てはめて正当化して
示したところで、納得できないものは
納得できない
のです。

お恥ずかしいですが、それを立証する
私の失敗談を例に出します。


ある会社から依頼を受けて、
人事評価制度をつくりました。
つくったのはその会社の社長と人事部長、
そして私の3人でした。

週に2、3日の頻度で打ち合わせをし、
社長の想いや評価したいことを聞き、
ひたすら整理をしてかなり細かい
評価基準が出来上がりました。


運用に関するルールや規定も細かく定め、
一次評価者、二次評価者は誰なのか、
昇進や昇格に係る点数、その際の昇給は
いくらで…等々。

時間も相当にかけたので、正直に書くと
かなり自信がありました。


その会社は社員数で50名ほどの会社で、
全員が一堂に会する場で、
満を持してお披露目となりました。

社長挨拶のあと私にバトンタッチ。
『コンサルタントの𠮷貝です。
皆さんの人事評価制度をつくりました!』
とプレゼンをはじめました。


万事順調で、自信満々のまま、
プレゼンは終了。




しかしここで、事件は起こりました。




会場の後ろのほうで、
手を挙げた方がいました。
20~30代くらいの女性の方でした。


このような場で質問を受けたことが
当時ほとんどなかったので、
珍しいなと思いました。
何を聞かれても答えられる自信は
ありましたし、『どうぞ』と言葉を
促しました。

すると…

『プレゼンありがとうございました。すごくわかりやすかったです。評価シート、ルール、いろいろとわかりました。

でも私、その制度、嫌です。

先ほどのお話で、私の評価者は〇〇部長ということになると思いますが、〇〇部長は、ほとんど会社にいません。だから、私がどれだけ一生懸命仕事をしていても、全く仕事を見ていません。

なぜそんな人に評価されないといけないんですか?

私は絶対に嫌です。納得できません。
以上です。』



それだけ言って、その方は席に座りました。

会場を想像してみてください。


空気は凍りつきシーンとしてしまって、
社長や人事部長、いろいろな方からの
痛い視線が飛んできました…(苦笑)


しかしそこで私が感じたことは、
『みんな、「そうだよね」と同意している
ということでした。


内容は完璧だったと思います。
その女性が言ってくれたように、
わかりやすい内容だったとも思います。


しかし、勇気を出して手を挙げて、
『そんな人事評価制度は絶対に嫌だ』と
発言された瞬間、『私がつくったものは
価値のないものだったんだ』
と気づかされたのです。


この例だけではありません。
人事評価制度が上手くいかない会社の
ほとんどは、この例と同じように
人の問題にぶち当たります。


『正直、あの上司より私のほうが
仕事ができるのに、どうして私が
あの人に評価されなきゃいけないの?』


『隣の部署の上司はすごく優しくて
面倒見がよくて、すごく真っ当な評価を
してくれるのに、どうして私の部署は
めちゃくちゃ厳しい上司に評価されて、
周りより低い評価をされなきゃいけないの?』


このように思ったことがある人は
いると思います。


どこの会社でも同じようなことが起こるのです。


人事評価制度をつくりたい会社が
まずやらなければいけないことは、
人事評価制度そのものをつくることでは
ありません。




上司である評価者が、
部下からきちんと
信頼される
上司になること。




これが先です。


どんなに良い人事評価制度を
つくっても、『あの人にだけは
絶対に評価されたくない』
と思われたら終わり
です。
納得感がゼロなんですね。


なので、評価者である社長自身、
あるいは管理職、リーダーが、
部下からきちんと信頼される
上司になること。


これをまず最初に意識して
取り組んでいかなければ、いくら
素晴らしい人事評価制度があっても、
全く無意味なものになってしまいます。


では具体的にどのような取り組みが
あるのでしょうか?


続きは次回へ!!


■一緒に S.A.M.S. を創りませんか?
中小ベンチャー企業の社長を元気にする!
仲間を募集しています!


■Twitter


■HP





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?