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魔法少女の存在が認知・周知された世界 #マギレコ

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2022年1月の記事一覧

幻想郷では常識に囚われてはいけないように、特殊部隊の兵士もまた常識に囚われてはいけない。彼らは困難かつ予想不可能な状況を、とっさの機転と柔軟な発想力により乗り越えるのである。
ゆえに一般的な兵士や軍人とはいささか異なる思考をしている。

作中に登場する架空の治安部隊〈保安隊〉および都市治安警察機構は、カラビニエリやジャンダルムリを基にした組織だが、創設時に魔法少女(#マギレコ)の存在を念頭に置いており、厚労省の児童相談所や警察の少年課/少年係のような性格も持つ組織である。

ここ十年で「魔法少女(#マギレコ)」という言葉の意味が変わった。
かつては取るに足らないフィクションの産物で、幼い少女の夢であり、オタクにとされるサブカルチャーを愛する多種多様な年齢及び職業を持つ人々のコンテンツだった。

社会において個人とは力を持たない。子供は特にそうだ、ゆえに保護されている。しかし魔法少女(#マギレコ)は違う。彼女らは最早無害な猫ではない。恐ろしい牙や爪を持つ虎、獅子と同じだ。力を持つが故に管理され、隔離される。
殺されないのは曲がりなりにもこの国が法治国家だからに過ぎない。

力を持つ者は常にその存在を恐れられる。それが人の命を容易に奪えるものならばなおさらだ。力を持つ者はその力が管理された安全なのもであり、そしてその力の有用性を証明し続けなければならない。
それが出来ない者に自由も、そして未来も無い。

魔法少女(#マギレコ)の就労が法的に認められているのはいろいろな理由付けがされているが、これは魔法少女の力を管理する上で警察などの公的機関で採用するにあたり、現行法では採用できないので「公共の福祉に資する場合」と言う条件付きで就職が認められるようになった。

児童福祉や子供の権利条約との兼ね合いなどから、警察や軍隊といったいわゆる「暴力装置」での魔法少女の採用はタブーとされていたが、公共の福祉に資すると言う目的から都市治安警察機構での実験的な採用が行われた。

魔法少女や〈魔女〉の存在が明らかになり、従来の警察や軍隊ではこうした問題に対処できないことが明らかになったので、治安維持並びに災害救助など以降の福祉に資する場合と言う条件付きで、警察権を持つ組織で魔法少女が採用されるようになった。これをきっかけに労働基準法が改正される。

アニメや漫画といったフィクションの中の存在でしかなかった、〈魔法少女〉は今や生きた社会問題となりつつある。
彼女たちの人としての権利、そしてその力をどのようにして管理していくか。
それらは深刻な問題となり1種の生きたタブーとなった。

魔法などと言う非現実的かつ本来フィクションの中の存在でしかなかった物を、大人達(官僚・政治家・現場の警察官や自衛官、科学者etc)は何とか現実的な視点から判断し問題を処理・対処しなければならなくなってしまった。

ゴジラも魔法少女も、実在するはずのないものと言う点では同じだ。私たちの住む世界にその構造が極めてよく似た世界で、もしそんなものの実在が確認された時、立ち向かう立場に居る人々は一体どう対応するのか?「シン・ゴジラ」や「海の底」は大変参考になるだろう。

魔法の力を操りいじることができるのは魔法少女だけなので、科学者たちは魔法を現象面で分析し、その応用を魔法少女とともに研究していくしかない。