見出し画像

短歌五首④4/25

唇の薄皮をむくように本当は思いやりたい君とわたしに
(唇の皮を剥くほど神経質に、君にも私にも優しくありたい。今はどうにもできていないような気がする。必要な神経質さというものもあるのではないか。)

会いたさも募れば遠いインドに行きたいわたしを見限らないで
(会いたい気持ちが募りに募ると、むしろ私は遠くへ行きたくなる。あなたのいない国、街へ。インドはどうだろう。)

葉桜のまばゆさに一億回「君がここにいたら」って呟く
(木々の下はとめどなく美しい緑。君とこの景色を見られたらなんて、何回呟いたかはわからない。)

追いすぎて逃げてるように見えるよ、とその横顔そっと口ずさむ
(以前誰かに言われた。今自己に問いかける。)

わたしにとってわたしはいつも横顔で知らん顔いちご飴食う
(色んなことを問いかけても、私は私に関心がなさそうだ。いや、それは何かの裏返しで、今いちご飴を食べている私を確かに認識しているではないか。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?