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小説を書くマインド

芥川賞・直木賞が発表された。
直木賞受賞作家のお二人のコメントを聞いてちょっと感じ入ったことがあるので、今日はそのことを書き留めておこうと思う。

思うままに書くので、文章にまとまりがないけれど、お付き合いいただけると幸いです。



ニュースで見た限りのお二人のコメントは、それぞれ、『 作品から何かを感じてもらえたら 』『 この作品が(読んだ方の)少しでも支えになってくれたら 』というものだった。

「 そんな感じなんだな 」、と思った。
もちろん、「 そんな程度なのか 」と否定的にとらえたのではない。
「 ああ、賞を取るような方もそういう感じなんだな 」、と安堵とも言えるポジティブな印象で。

「 そんな感じ 」、というのは、『 この小説を通して、こういうことを訴えたいのだ 』という強烈な感情よりも、読み手に何かが届けばうれしい、というマイルドな気持ちのこと。
その作品に触れた読み手が、読み手なりの気持ちを抱いてくれたらそれでいい。そんな控え目とも言える心情に、何となく親近感を勝手に覚えた。

もちろん、たまたまこのお二人がこのようなコメントだっただけで、作品を通じて世間に訴えたいテーマがある、という作家さんも多くいらっしゃると思う。


小説を書く、ということについて、以前こんなぽんこつな文章を書いた。


要するに、読んでほしいから露呈する形で書くんじゃないか、という当たり前といえば当たり前のことだ。


今回の直木賞受賞作家さんのコメントで感じたことがある。

それは、お二人は純粋に『 小説を書くのが楽しい 』んじゃないかということだ。
文章は悩みつつ推敲を重ねられているだろうし、産みの苦しみのようなものはあったのかもしれないけれど、受賞作品となった小説を書き上げることは、純粋に楽しいものだった。
そして、産まれたもので誰かが何か感じてくれれば、というこの部分は、小説を書く主たる目的というよりは、もうちょっとライトな、付随的なものではないだろうか。

それが良かった、というか。
『 こういうテーマで、自分はこういう考えなんだ、だから共感してほしい、賛同してほしい 』という、読者の感想部分にまで作家の方の感情が激しく立ち入るような作品は、わたしは苦手な気がする。
……なんて言えるほど、本を読んでいないけど………。



作品のテーマ、とさらっと書いたけれど、わたしは少し前まで「 小説にテーマなんていらない」と考えていた。
というのは、人生における事象ストーリーにテーマなんてないと思うから。
あるとすれば、それは後付けにすぎない。『 このための生きてきた 』『 こうなるためにこんな経験をしてきた 』と、時が過ぎ去った時点で思い抱くことはあると思う。


でも、あらかじめテーマが定まった人生なんてないんじゃないだろうか。


小説・物語も、書き手の頭の中に生まれた何らかの事象ストーリー
それを文字で描きだしたにすぎない思っていたので、テーマなんて普通は特にない、という捉え方をしていた。

ところが、最近連載小説を書いている途中で、『 物語にはテーマがある 』というのを何かで読んだ(聞いた、のかもしれない)。

自分の書いている連載小説にテーマ?

……ないよ………。

あるとしたら、アラフォーとアラフィフの狭間にいるある女について起こった恋愛チックな出来事、としか言いようがない。
そして、それはテーマじゃなくて、どちらかといえば粗筋だろう。

しかし、創作大賞に出すなら、小説として、何かテーマを意識した方がいいのか………

と言うわけでテーマを設定しようと思ったら、
『 誰だって色々あるけど、いくつになっても心の底では幸せになりたいと思ってるんだよ、本当は 』というシンプルなことしか浮かばなかった。

ただ、そういうテーマなら、主人公の女が最後の方でしあわせだと感じるように書かないといけない。


そういう、一応ぼんやりとしたテーマを設定したことと、締め切りまでの時間が足りないこと、文字数が規定(恋愛小説部門の場合14万文字までだったような)を既にオーバーしていることから、本来の自分が書こうとしたストーリーとはちょっと異なる話を造って無理矢理終わらせた。

といっても、この小説はちゃんと育てて大切にしたいものなので、書かなかった本来の話の部分も最終話と繋がるように、最終話を作ってある。
もっと丁寧に書き直して、noteじゃないところで応募してみたいと思っている。



ちなみに、この文章 ↓

にも、小説なんてただ出来事を書き連ねたものにすぎないのでは?、という意味のことを書いた。

ただ、誰かが一人でも読んでくれるかもしれない以上は、読みやすさは心掛けないとまずいと思うようになった。

今回の創作大賞の応募に対してはもう手遅れではあったけど、文章・読みやすさのお手本にしようと、6月上旬頃に町田そのこさんの『 52ヘルツのクジラたち 』を購入した読んだ。
重たい内容にも関わらず、めちゃくちゃ読み進めやすかった。

けれど、その成果は自分の連載小説にはまったく反映されていない。

学んだことを生かしてゆっくりと文章を考える時間なんてないから、とにかく締め切りまでに応募してみるという自分の第一目標を貫くべく、勢いだけで書いた。
そもそも、文章について勉強不足だし。

自分の印象だけど、書き始めの頃の方が文字数も文章も比較的読みやすく(あくまで比較的!当社比!)、後半になるにつれ文字数も一回5000文字以上という、こういう場で宣伝もろくにせず読了に至るには厳しい話が増えてしまった。

それでも、ちゃんと読みやすさという視点で書くこと、書き直すことって大切なんだろうな、と、ろくにやってはいないものの書きながら思ってはいた。


と、だらだらと、小説に関することを思いつくまままにだら書きしました。


とりあえず今は、今日は今日とて、の信条で、だら書きでも文字を書き続けたい。
そしてきちんと色々と学んで作品といえるものも書きたい。

生きるうえで、何か書くことをやめることは決してないのだから。


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