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非定型うつと他のうつの違いの話―非定型うつを新型うつとかプチうつとか言うな―

QEEG検査でハッキリと非定型うつと診断を受けたので、非定型うつについて調べようと関連書籍を探すことにした。

が、びっくりするほど少ない。

「非定型うつ」で検索かけてるのに発達障害とか新型うつとかプチうつとか出てきてしまって、いやいや私はもっと専門的な本が欲しいのだが?と探した結果辿り着いたのが2012年発行の『「非定型うつ病」ってどんな病気?』(貝谷久宣監修)だった。

届いて驚いた。薄い。

しかし内容はとてもわかりやすく簡潔にまとめられていて、2012年とデータが古くまだNaSSA系の薬が開発されておらず載っていないなどあったが非定型うつを知るには十分だった。(ちなみにAmazon楽天Yahooショッピングetc様々なサイトを除いたが在庫切れメーカー問い合わせで諦めて中古で購入した)

まず私は勘違いをしていたことを知った。

うつは”非定型うつ”と”大うつ病”に分けられて、大うつ病に双極性が含まれていると持っていたのだが実際は違った。

・メランコリー型うつ病→大うつ病・双極性障害(躁うつ病)
・非定型うつ病

と、非定型でないものはメランコリー型というらしい。へぇー。
メランコリー型と非定型との大きな違いは気分反応性症状があるかないか。この気分反応性症状というやつがよく言われる「仕事はできないけど自分の好きなことはできる」というやつだ。新型だとか若い人がなるとか言われるもの。これがあるのが非定型。

さらに非定型の特徴は2つ。
いくつかの症状はメランコリー型と被っているが、大きく異なるのは「過眠・過食」と「鉛様麻痺」。まず過眠や過食はメランコリー型とは逆の症状だ。メランコリー型だと不眠や食欲減退することが多い。そして鉛様麻痺。初めて私の体の症状をちゃんと示す言葉を知った。まさにという感じである。これはとにかく体が重たく動けなくなるというもの。普通の人でも疲れれば体は重くなるが、それの比ではない(私比べ)。疲労時の体の重さは重いと感じつつも起き上がってトイレ行ったりご飯食べたり風呂に入ったりはできなくはない。しかし、鉛様麻痺の場合はそれすら困難である。寝返りすら打てない。指先一本動かせない。世界の重力設定がいきなり10倍に設定されたかのようである。押し潰されるFFのグラビデかけられたらこんな感じだと思う。そりゃ割合ダメージで三割持っていかれるわ。起き上がったら起き上がったでとんでもなくしんどくて、這いつくばってトイレへ行くか壁伝いに寄りかかりながらでないと移動が困難。トイレを出たところで力尽きてそのまま床にしばらく寝転がって体力を回復させないとベッドに戻れないなどかなり酷い。断じて誇張じゃないよ。

この非定型うつだが、意外と自分がこれです!と名乗っている人は少ない。というか私以外お目にかかったことがない。
単純に「うつ」或いは「双極性」という方はよく目にするのだが何故だろうか。

答えは単純で「診断が難しい」から。

非定型うつはメランコリー型うつや不安障害と併発しやすきため見落とされがち。且つ、非定型うつという病気自体あるとわかったのが最近で医師の間で浸透していない。2012年のデータなので現在はもう少し広まっていて欲しいところだが……どうだろうなぁ……

単に非定型うつというものが広まっていないだけでなく、上記のようにメランコリー型や不安障害との併発によりそちらの陰に隠れてしまっている、精神的な症状が控えめな場合は内科を受診しがちで不定愁訴や慢性疲労症候群と診断されてしまうなど、とにかく見つけにくい。

”うつは脳の病気”と言われるように、メランコリー型は神経伝達物質であるセロトニンの働きが正常な人より低下しているため起こる。しかし、非定型うつの場合は逆で、セロトニンの働きは低下せずむしろ高まっている場合もあるらしい。また、パニック発作を伴わない非定型うつではアセチルコリンやドーパミン、ノルアドレナリンなども関与しているのではと言われているが、はっきりとしたことはまだ解明されていない。

現在ではNaSSA系の薬が開発され、セロトニンとノルアドレナリンに影響を与えることによって非定型うつの改善が見られることから徐々に非定型うつというものが広まってきてはいるのだろう。

だがしかし。

気分反応性症状という嫌なことはできなくて好きなことはできるという症状がただの甘えとみなされたり、体が重くて動けないが動いた方がいいと言われたり(動ける程度なら動いた方が良いのは本当)、若い人に多いとかっていう理由から新型うつとかプチうつとか呼ぶのは勘弁して欲しい。全然プチじゃねーしおめーグラビデかけんぞコラ。
これは私の想像なので事実かどうかは不明だが高齢の方々は若い人達を甘えてる呼ばわりする分我慢しているのではないか。あるいは慢性疲労症候群とか不定愁訴とか加齢のせいだとして非定型うつなのに非定型うつという診断が下されていないだけではないか。

根性論で治るならこっちだって高い診療代と薬代払わずに済むんだし気合で治すっちゅーねん。でも治らねーから苦しんでるんだっつーの。それを甘えとか新型で若い人がなるんでしょwとかプチうつ!とか軽く扱うな。しんどいんじゃこっちは。身体症状にモロに出るから薬飲まねーと動けない上にメランコリー型より治りにくいとか絶望だぞ。

別にメランコリー型の方が楽とかそういう話ではなく。非定型は非定型で苦しいので新型とかプチとか軽く扱わないでいただきたい。あともっと非定型の情報広まって。情報が少なすぎるから。

追記:非定型うつは恋愛ドクターストップ

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傷つきやすい非定型うつ患者は恋愛を避けるようにと記載があった。つまり周りから「好きな人ができれば良くなるよ!」なーんて言われても「いや非定型うつは恋愛ドクターストップかかってるから!」と避わせるではないかイヤッフー。

まあ私は降谷零と結婚してるから関係ないがな!

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