金なし、知識なし、経験なし、から始めるお店探し③ 金沢町家を探す旅
こんにちは、ばるじぇのの太い方です。
初めましての方、よろしければ、
自己紹介はこちらです。
シリーズ前編▼
シリーズ中編▼
さて、前回の記事では、最有力地だった千葉市の土地価格の高さに尻尾を巻いたところで終わりました。
時系列で改めてお伝えすると、
2021年3月 飲食店やります宣言
2021年7月 調理師学校受験
建築士さんに話を聞く
2021年8月 FPさんに話を聞く
2021年9月 千葉の不動産屋さん訪問
となります。
そして、今回は金沢での家探し。
まず金沢町家(古民家)をターゲットに
そもそも金沢市という選択は、ぼくが20年以上住んだ故郷であったことに起因します。
その中で、飲食店を経営するなら「金沢らしさ」を取り入れたいという想いがありました。
たった20年住んで感じる金沢らしさとは、
時間がゆっくり流れる(金沢時間)
旧を重んじ、新に焦がれる
味にうるさい
です。
金沢時間とは…
どういうことかというと、まず、時間が緩やかです。
「沖縄時間」ほどではないと思いますが、東京で暮らしていると、金沢(他の地方都市も同じかも)の緩やかさに気づきます。
エスカレーターは片側を空けて乗りませんし、語尾は伸ばして話します。待ち合わせにも遅れることもしばしば。
ということは、ひょっとすると、都会の居酒屋のようなお席90分制であったり、行列に並ぶお客さんに配慮したりしなきゃならない雰囲気は合わないのかも。
だとしたら、ゆっくり本でも読みながらコーヒーやワインを飲めるような空間で、自分の時間に没頭してもらえたら。と考えました。
旧を重んじ、新に焦がれる
金沢人の特徴としては、保守的で、伝統や地縁を重んじるともに、やや非社交的で排他的なところがあるように感じます。
その一方で、流行りや最先端のモノへの憧れが強く、自称北陸三県の長としての誇りや、外部からの視線も気にするような風潮があるように思います。
もちろん、一概には言えませんので、戯言として受け取っていただきたいですし、なんならぼくも、金沢人のど真ん中を走っています。
なので、お店という空間を創るのであれば、伝統を生かしながら、新しい風を吹かせてみるのもよいかと思ったのです。
そのひとつが「金沢町家」と呼ばれるもの。
ちなみに金沢町家とは、こんな建物を指します。
金沢人の琴線に触れる建物になるといいなと思いますし、金沢以外の方にも、金沢らしさを味わっていただきたいなと思います。
味にうるさい
これはもう、このまんまです。
金沢らしさ、とはズレるかもしれませんが。
都会みたいに、
「ちょっと小腹が空いたからファーストフードをば」
というのは少ないと思います。
基本は車社会なので、「今日はこれを食べに行こう」という目的を持って飲食店に行きます。フラッと「ここ入るか」があまりない。
つまり、「腹を満たす」より「心を満たす」のウェイトが大きい。まあ、ぼくのウェイトは「腹を満たす」なんですが。
今すぐは無理でも、10年、20年と経った時に、「ばるじぇの、進化したな」と思ってもらえる店を目指したいと思っています。
金沢町家の情報は少ない
さて、いざ町家を探そうと思っても、ふつうの住宅検索に比べると圧倒的に情報量は少なかったです。
町家の物件を検索するために登録したのは「金澤町家情報バンク」というサイトのみ。
ただ、物件情報を眺めるだけでは埒があかず、サイトの相談窓口に問い合わせをしました。
翌日、返答があり、
①各物件は物件を扱う不動産屋に問い合わせてほしい
②町家に関する補助金の情報提供や改修となった際の建築士の斡旋等については打ち合わせ可能
とのことでした。
どのみち足を運ばないと無理だと考え、20件くらいの物件情報から現地調査をしたい物件をピックアップ。
逆に情報が少ないことが幸いした気がします。
複数ピックアップしましたが、弾丸スケジュール故に内覧先は1件にまで絞りました。
候補は、お寺(だったところ)でした。
そもそも物件選びには、立地、広さ、物件用途、価格が論点となりますが、ぼくたちの住居兼店舗の要望を満たすのはここしかありませんでした。
しかし、消去法ではなく、魅力は充分。
よくよく見ていると、
ぼくの小学校の校区であること
観光地の東茶屋街からのアクセスが良いこと
広さが600平米もあること
お寺だったという希少性があること
兎にも角にも、言ってみねばということで、不動産屋さんと金澤町家情報バンクにアポイントを取り、2021年の11月に金沢へ。
お寺はすごかった(語彙力)
半日(実家で娘が昼寝する時間)で相談と内覧1件を済ませるスケジュール。
まずは相談です。
これまでの町家×レストランの事例を教えてもらったり、近くの町家レストランの外観を見ながら説明を受けたりしました。
ですが、これといって正直覚えていません。
その後のお寺訪問の記憶が強烈だったので…。
何か進捗があれば、再度相談するという形で終了。
さあ、お寺に訪問です。
お寺の全貌は撮れなかったのですが、
雰囲気はこんな感じです。
奥が本堂で、その奥に居住スペースがありました。
手前の正面はお地蔵さんが並んでいたスペースで、右側に切れている建物は讃美歌?を歌う集会所のような建物でした。
ずいぶん前よりお寺としては活動されていないようですが、所有者の方が綺麗にされており、中は古くも清潔さがありました。
驚いたのは図面では計り知れなかった、広さです。
(600平米はだいたいバスケットボールのコートの1.5倍らしいですが、そう聞くと狭くね?と感じます笑)
その昔は、住職さんとお弟子さんが何人も住まわれていたとのことなので、それはそうかもしれません。
広さだけではなく、天井の造りや、硝子戸の細かな細工、立派な中庭に植えられた木々、それを見下ろせる2階からの景色、護摩焚きで煤くれた壁など、どれも現代住宅では感じられない趣きがありました。
ひと通りお話と内覧を終えての、妻との帰り道。
お互いに「ここにしたいね」というストレートな枕詞から始まる会話の余韻は、今でもよく覚えています。
ローンの闘い(1回戦)が始まる
結論をお伝えしますと、
このお寺の物件は買えませんでした。
内覧の後日、設計士と打ち合わせでお見積を貰った際に、だいたい土地建物&改修費用で6,000万に。
ローンが通りませんでした。
前回のFPさんの打ち合わせで、千葉だったら5〜6,000万円はイケるとのことでしたが、金沢だと怪しいと言われていたことが正に起こってしまったわけです。
残念。
一目惚れした子が身分の違うご令嬢だった気分です。
(そんな経験ありませんが)
しかし、ここだ!という直感があっただけに、
本当に落ち込みました。
ローンについては、その後も散々たる結果でしたので、99%資金調達で奔走したのは妻ですが、その奮闘ぶりを次回はお伝えしようと思います。
本当に家を買えるのか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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