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入れ歯か、インプラントか迷ったら…【②インプラントのデメリットー歯科医師100人に聞いた】

 「インプラント・バブル」と呼ばれていた2012~2014年、日本歯科新聞社が読者モニターの歯科医師100人を対象に「インプラントのメリット・デメリット」のアンケートを行いました。今回は、そのうち、デメリットの内容をご紹介します。
 デメリットについては、かなり特殊な事例も含まれており、必ずしも多くの方に当てはまるとは限らないことにご留意ください。



デメリット① 費用負担が大きい


イラスト:関口紀子

●コストがかかりすぎる。患者さんにとっても(治療費、メインテナンスにかかる費用)、歯科医師にとっても(手術器具などの初期投資、在庫、低い利益率)

●腫瘍や事故だけでなく、う蝕、歯周病などによる欠損症例でも、一般の開業医で保険診療できるようになればよいのだが、「庶民にとって高嶺の花」のまま長期間が過ぎてしまった

●近年、CTをはじめ「インプラントに必要な器材」が多数登場したが、いずれも高価という共通点がある。そのため、器材の購入費をペイするために、適応外か適応ギリギリの症例にまで手を出さざるを得なくなり、リスクとともに、歯科医師側の心理的ストレスが高くなっている

●インプラントの隣接歯が何らかの影響で抜歯となったときに保険請求が難しいことが問題

●現時点では、他院で埋入したインプラントの不具合への対応に、保険が利かないことが多過ぎる


デメリット② 生体の侵襲が大きい


●隣の歯を削る必要がないとはいえ、骨を削る必要がある

●下顎にインプラントを埋入した場合、下歯槽管を圧迫して開口障害を起こすことがある。術直後は問題がなくても、数年で骨が吸収し、同様の問題が起きることがあるが、年数がたつと因果関係がわかりにくい


デメリット③ 違和感や痛みが生じる

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