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推しの誕生日にオリジナルグッズを作った話 #6

こんにちは。しかぬまです。先月8月19日(通称: 俳句の日)は私が応援しているゲーム配信系YouTuberコンチの誕生日でした。コンチは実年齢は非公開ですが、22歳新卒社会人の設定で毎年誕生日を迎える面白い男です。

今回のnoteでは推しの誕生日プレゼントについての想いや準備について話していこうと思います。下のポストは完成した作品です。



コンセプト決め(やはりこれが一番大事)

コンチの誕生日企画のコンセプトは"ギフトボックス" "実際に自分が身につけたいと思うもの。そしてオフラインでもコンチのことをたくさん宣伝する"という内容にしました。推しの誕生日ではファンアートや推しケーキなどたくさんの素敵な作品と愛が溢れます。その中で自分のオリジナリティが表現できるものはなにかと考えました。そこで毎月コンチグッズを発表している私としては、それをラッピングしてギフトボックスにするのが誕生日らしくて良いのではないかと。さらに「ギフトボックスを作りました」という事実だけではなく、これらのアイテムを身につけて楽しくなる、誰かに見せたくなる、そしてそれがコンチの宣伝に繋がるものであれば最高ではないかと感じました。

今回のコンセプトは個人的にはかなり気に入っています。過去記事でも話したことがありますが、私は商品のビハインドストーリーにとても関心を抱いており、それを知り作り手の想いに触れることが大好きです。私が今回掲げたコンセプトもみなさんの心に響いていればと思っております。

キーホルダー

レザーグッズ

コンチギフトボックスではアイテムを2種類用意しました。そのうちの1つ目がレザーキーホルダーです。

こちらのデザインは昨年末に作成していましたが、実際どんなプロダクトにデザインを落としこもうかと考えていました。様々な推しグッズやファッションアイテムを調べてみると、キーホルダーはやはり汎用性が高いアイテムとして人気のようでした。ちなみにこの頃からグッズを作るならグッズのためのグッズではなく、自分が使いたいと心から思うアイテムを作りたいと決めていました。

私が手に取りたいと思うものは、見た目のデザイン性が優れているもので、素材が良く、作り手の想いが感じられるものです。どんなに好きでも他の人に見せるのが恥ずかしいデザインであったり、見た目は良くてもなんのために作られたのかよく分からないものはあまり惹かれません。外側と内側のどちらの要素もとても重要です。このような想いを抱きながらキーホルダーの素材を探していると、やはり革が一番適しているかなと。レザーグッズであれば長く愛用できるだけでなく、エイジングも楽しめる。しかも素材がしっかりしているため外出用に身につけてもチープ感が出にくいです。

では実際オリジナルのレザーキーホルダー作成を展開している業者さんを探し始めましたがこれが結構大変。オーダーメイド、しかも1個単位での注文が可能な業者さんはなかなか少ないです。これはレザーキーホルダーに限らず他のアイテムでもそうです。いくつかの業者さんにメールを送り、とある業者さんと取引を開始したのが1月上旬頃。

こちらがキーホルダーのデザインです。KONCHIWAはコンチの配信でのあいさつである"コンチワ"。そして下にはコンチのリスナーであるコンリス🦊🐿️のモチーフ。夜9時に配信を開始するためその宣伝文(しかし現在は9時半開始という…)。個人的にはスポーティな現代感がありながらも、グリーンでシックにまとまっており気に入っています。こちらのデザインを業者さんに送ったところ、業者さんの扱っているレザー商品の規格にあうように丸型4cmの案を提案していただいたり、その小さなレザー内に細かい箔押しをデザインが潰れないように、とても気を使いながら作業を進めていただきイメージ通りの満足な出来上がりです。

メタルチャーム

レザーグッズは出来上がりましたが、さらに高級感やファッション性を高めるためにはなにかアクセントが必要だなと感じました。アクセサリーだとブランド名をメタルチャームに刻印しているものが多いので、それを参考にオリジナルメタルチャームを作成しました。

私はアクセサリーはゴールド系が好きなので、真鍮加工業者を調べました。調べてみるとレザーグッズに比べると、1個からでも真鍮でのオリジナルパーツを展開している業者さんは多い印象です。この件についてもいくつかの業者さんにメールを送り、それからご相談をさせていただきました。今回依頼させていただいたパーツ業者さんとはメールだけでなく、zoomミーティングも行い、厚さや仕上がりなどを共有していきました。

ミーティング中に一番印象に残ったのがレーザー刻印を提案していただいたことです。今回のメタルチャームでは表面にKONCHI. 裏面にアイマスクの刻印を施していますが、当初は金型刻印を覚悟していました。金型刻印は型を作成するためかなり高額になります。しかし私が個人制作の1個のみオーダーと問い合わせメールで事前に知っていたため、レーザー刻印を提案されました。レーザー刻印は金型代が発生しないため、その分金銭的な負担が減ります(仕上がりは金型の方が美しいですし、大量生産の場合は金型刻印の方がトータルで安く済むと思います)。このような個人の状況に合わせて提案を変える提案力を自分も身につけなければと感じました。

メタルチャームの仕上がりはピカピカに磨いていただき、サイドの切り口も切りっぱなしではなく美しいカーブ状にしてもらいました。そして丸カンの位置やパーツ屋さんで購入したナスカンの種類にもこだわりを。できる限り窮屈感や無駄な要素を省き洗練された印象を目指しました。それが下の図になります。伝わると幸いです。

レザーグッズとメタルチャームを合わせてレザーキーホルダーにしたときは、こんなに美しいものを自分で作ったんだと本当に感動しました。嬉しすぎて翌日スタバで推し活っぽい写真を一枚記念に撮ってきました。

キーホルダー表
キーホルダー裏

七宝焼ブローチ

コンチギフトボックスの2種類目は七宝焼ブローチです。こちらのデザインもレザーグッズのデザインと合わせて昨年末に作成していました。このシンプルで品があるデザインが個人的に一番気に入っていたため、絶対このデザインで何か作りたいと決めていました。

缶バッジのグッズをよく見かけますが、バッジをファッション性のあるものにしたらと考えていたところ、ブローチはどうかと思いつきました。シャネルやロエベなど、ブローチは今やファッションアイテムとして人気の商品ですよね。

七宝焼ブローチのデザイン

七宝焼とは

七宝焼の発祥は古代エジプトにルーツを持つほど、歴史がある伝統工芸品。日本では愛知県あま市七宝町が有名のようです。七宝焼が盛んなことでこの地名がついたほどです。そして七宝焼とはガラス質の釉薬を高温で焼いた焼き物。自然由来のガラス染料のため、その独特な色合いがとても魅力的です。とても深い色味ですが透明感もあり、宝石のような美しさです。ぜひ七宝焼のアクセサリーや作品の画像を見ていただきたいです。私はその美しさに夢中になってしまいました。

今回のオリジナル七宝焼ブローチは赤・青・ピンクは本七宝ですが、白色は化学染料の合成七宝で制作しました。本七宝焼はとても価値ある工芸品なのですが、自然由来の釉薬のため色の選択肢が限られています。その点、合成七宝はPANTONEの2161色もの色の表現が可能。また七宝焼は800℃の高温で焼き上げるため、製作中にヒビが入りやすくその扱いが難しいと言われています。合成七宝は本七宝に比べて安定した完成率となります。ただ本七宝も合成七宝も高温で焼いているため、ヒビなく無事に仕上がった作品は経年劣化に強いという長所があります。

こちらの七宝焼は当初は白色のみ1月に業者さんに依頼しましたが、様々な七宝焼アクセサリーを見ていたところ、自分でも画像のように本七宝でオシャレなアイテムを作りたいと思い、赤・青・ピンクを追加でお願いしました。

七宝焼ブローチコーディネート

4色の七宝焼ブローチが出来上がりましたが、完成して終わりじゃないのが私の強みだと思います。そのアイテムをどう使うか提案して、イメージを膨らませてもらうこと、ワクワクしてもらうこと、そしてその先のどんな自分になりたいかを描いてもらうこと、ここまでが一連の流れだと思います。なので今回の様々なコーディネート集ポストはもちろん、今までのコンチオリジナルグッズのポストは、毎回テーマを設定してインテリアと絡めたりと生活の一部に溶け込ませています。

一緒に身につけているアクセサリーは、全てオリジナル七宝焼ブローチと相性が良いものを私が選んで新たに購入したものです。新しく揃えたものですがほとんどが1900年代のヴィンテージアクセサリーで、とても味わいがあるものばかり。ちなみに1枚目のゴッホのキャンバスバッグの丸いピンは美濃焼き、2枚目の黒猫のブローチは七宝焼です(こちらの2品はヴィンテージではなく現在作成.販売されているものです)。ヴィンテージや工芸品メインのアクセサリーで、現代ではあまり見かけないような小洒落感があります。ちなみに1枚目右下のハートのTシャツも私のオリジナルデザイン作品です。このような過去作品も別のポストに活かすことができ、とても嬉しいです。

数あるコーディネートの中で、私は1枚目のツイード生地帽子のコンチx3の組み合わせがお気に入りです。キャンディのような可愛いポップさが好きになりました。またアートが好きなこともあって、ゴッホの『星月夜』のような芸術作品とも相性が良い作品ができたことも、自分で自分を褒めたいポイントです。

ラッピング

これらのキーホルダーやブローチをギフトラッピングに想いを込めて詰めました。

ボックス

開封の瞬間はとてもワクワクします。ギフトボックスを推しの誕生日に選んだのも、このような高揚感を伝えたいという理由も大きく関係しています。ラッピング方法もどのようにしようか悩みました。最初はKONCHIのロゴ付き台紙にアクセサリーを付けようかなど。しかし高級感を出すためには、ジュエリーボックスのような黒地だよなと。あの黒生地の名前が浮かばず、結局は黒色のフェルトで下地を作りましたが良い雰囲気を作れたと思います。

そしてギフトボックスはコンチカラーのオレンジに。一度ボックスや花束のアイテム類の配置確認をしたところ右下のスペースに寂しさを感じ、急きょバースデーカードを作成しました。このように写真撮影のための配置は基本1回で上手くは行きません。上の写真のような完成に持っていくまで、2.3回ほど確認作業からのアイテム追加を行なっています。

私は過去に何度かインテリアのポストをしていますが、花束もインテリアとして飾っています。やはり空間の中にお花と絵があると、雰囲気が段違いに豊かになります。美しい空間にいると精神的に心が落ち着き、インテリアの効果を感じる今日この頃。こちらはファンアートとシノワズリインテリアコーディネートの記事です。ご参考になれば嬉しいです。

花束

バースデーカードがワインレッドのため、対角線の花束もレッド系だと空間が上手くまとまるかなと思い、アーティフィシャルフラワー専門店(造花)でフラワーアレンジメントをしてきました。白と赤メインに、ピンクが入っています。狙ったわけではないのですがいちごのケーキ🎂のようでとても可愛く、そしてお誕生日にふさわしい花束となりました。アーティフィシャルフラワーのため、これからもずっとこの美しい花束を見れると思うととても心が元気になります。

ちなみに今回使用したガラスベースは母から借りたもので、もう50年のヴィンテージものになります。母がまだ若かった頃の商品のため、決して高価なものではないと思いますが、年代をともに味と深みを感じる素敵な花瓶です。

毎回写真撮影をして思うことですが、撮影は相当な体力のいる作業です。自然光や電球の当たり具合、モノの配置、ちょっとした角度など気にしてしまう性格のため、撮影のたびに時間がかかってしまいます。もちろん日差しの向きや光量は時間の経過に伴い変化していくため、時間切れとなってしまうことも多々あります。満足のいく1枚が撮れるまで、写真撮影だけで2.3日要してしまうことも。そう考えるとフォトグラファーとはすごく技術のいる仕事だなと感じます。もちろん仕事なので時間は限られており、その限られた時間の中で最高の一瞬を切り取ること、本当に尊敬します。

オリジナルグッズを作成するにあたり、個人制作のため苦労する場合もありますが、業者さんなどたくさんの人と関わり、私のイメージ実現のために提案や実際の制作にも細心の注意を注いでいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。また同じアイテムを作る機会があれば、再度お願いした業者さんばかりです。


今回のコンチギフトボックスはこれらのオリジナルアイテムを身に付けて、オフラインでもコンチの宣伝をするということがコンセプトの1つです。私も何度かコンチグッズと何度か外出していますが、やはり美しいもの、想いがこもっているものが周りにあると気持ちが上がります。私が1月から一貫きた、生活の一部としてのアイテム作りは間違っていなかったと感じます。この想いがみなさんにも届き、なにか良い影響に繋がれば幸いです。

久しぶりのnoteであり、かつ推しの誕生日で色々内容を詰め込んで書いてしまったため、つたない文章で読みにくい部分があったかと思います。それでも最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。心より感謝しています。最後に七宝焼ブローチを作成して思ったことを言葉にして締めたいと思います。

七宝焼ブローチ、今回は本七宝と合成七宝の2種類で作りましたが、正直色むらが無く均一的な美しさは合成七宝の方が勝っています。しかし本七宝の自然染料の独特さ、くすみ、透明感、ちょっとしたムラはやっぱり魅力的で、欠点や不完全さがあるからそれが他者との差別化になり、自分を際立たせる強みとなる。 ”imperfection makes perfection”という言葉を思い出しました。

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