見出し画像

必ずしも希望の夜明けにならないとしても「夜が明ける 西加奈子」

夜が明ける
西加奈子

読んでいる途中、人間の生物としての生々しさが文章からぞわぞわと伝わってくる。フィクションと忘れるほどの内容はだんだんと気持ち悪さを覚え、読み終わった後はアカデミー賞の洋画を観た喪失感を味わった。それはハッピーエンドで終わることのない終わりの見えない不幸と、不安を苦しみを一人で抱え続ける人間の強さと弱さが入り混じり、生への叫びが込められている作品だったからだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?