他人のために本を読む。
自分のために本を読むのと、他人のために本を読むのはまったく違うことですね。
自分のために本を読むときは、「買ったからにはもれなく頭に入れよう」というバイアスが働くものです。結局、本当に記憶に残るのは一部であるにもかかわらず(汗)。
一方で、誰かに要約・感想を読み聞かせるときは、明確に「誰に・何を・どう伝えようか?」という線引きをキチッとする。「誰に」が明確であればあるほど。
昨日はオンライン読書会というものをさせていただきました。
「仕事に役立つ意見交換の場」がテーマのコミュニティなのですが、そのなかのお一方が本を読むのが苦手ということだったので、何を選ぶか迷いました。
面白い切り口の本であることは前提として、読書が苦手な人にオススメの本か。要約をするわけだからそこまで考えなくてもいい気がしましたが…せっかく聞いてもらうなら、いつかどこかでまた接点があれば、手に取ってもらえるような本がいい。
そこで、小説形式で書かれたビジネス書をチョイス。企業論について書かれているものなのですが、参加者6人中3人が中小企業診断士というレアなコミュニティなので、題材としてもぴったりかな、と。
OK。「誰に・何を」はクリア。
話す時間も限られていることですし、ここまでくれば「どう伝えるか?」も自ずと決まってきます。要点だけ、中小企業診断士という職業の方々が話題にしたくなるような箇所を3つ抜き出してお話しました。
読んで(=インプット)、話す(=アウトプット)わけですが、その実、自分のためにインプットしたものを他人のために“インプットし直す”と表現した方がいい気がしてきました。
以前はブログで書評を書いていたりもしたのですが、まだまだ自分バイアスが大きかったように思います。
YouTubeなどで書評を3〜5分の短時間でコンパクトにまとめ、かつ分かりやすく提供してくれる話者さんは、“インプットし直す”能力に優れているのでしょう。
内容そのもの以上に「誰に・何を・どう伝えるか?」という視点で“インプットし直す”と、自分にとっても記憶に定着するきっかけにもなりますね(これは実感)。
「誰・何・どう」で読んだ本の要点をまとめておくのもいいかもしれない。そんなことを考えました。
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