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コンセプトをめぐる思考の旅。

「1つひとつコンセプトを考えてつくっているから」。

お仕事をさせていただいているものづくりの会社さんの、代表がなにげなく発したひと言。

なにげなく、さも自然に言えるということはそれだけ自信があるということだし、“考えに考え抜いた”ということだと思います。

事実、ホームページを見せればコンセプトが「ひと言でズバッと言えるくらい」明確にまとまっています。商品を手に取っても、しっかりとコンセプトが伝わってくる。

僕も元は同じ方面の出身で、ものづくりはいくつもしてきました。売れたものもあるし、まったく売れなかったものも…あります(苦笑)。

特に、かつての僕が決定的にできなかったのは、長く必要とされる商品をつくることです。(というか、在籍していた会社自体にそんなものがほとんどなかったのです。チロルチョコやベビースターラーメンのようなものが!)

はて、コンセプトとはなんだろう?

冒頭の言葉を聞いて、改めて考えることになりました。

コンセプトについては正解不正解はなく、いろんな解釈があると思います。まず僕が最初にコンセプトというものについて理解した公式は、

“誰に・どんな未来を届けるのか?を言語化すること”

たとえば、以前、僕が手がけていた「フリーズドライ苺のチョコがけ」は

“週末のご褒美を求める女性に・甘酸っぱくてリッチな体験を”

的な感じです。今なら短くまとめられるけれど、当時はそこまで考えていませんでした(苦笑)。

これはまァまァ売れました。自慢じゃありませんが、さる全国のコンビニに並びました。でも、1年、2年と長く愛されるものにはならなかった。模倣品もいっぱい出た。

では何が足りなかったのか?

そこでコンセプトについての、僕の最新の解釈を発表します。コンセプトとは、

“人がなぜそれを必要とするのか? を言語化すること”

「売る」ためのコンセプトではなく、「買ってもらう」ためのコンセプト。「これじゃなきゃいけない!」と強烈に感じてもらうためのコンセプト。

暮らしのこういうシーンで必要。気が付かなかったけど、あればあったで欠かせない。これがない生活はもう考えられない。なかった未来が考えられないほどの劇的なゲームチェンジ。

たいそうなことを言うと、スマートフォンと同じものを目指さなければいけない。

そんな簡単に生み出すことができれば苦労はないんですけどね。

しっかり説明しなければ分からないものと、サラッと・なにげなくでも伝わるくらい、直感的に「なくてはならない」と思えるものとでは天と地ほどの差があります。

コンセプトって、そんな軽々しく発せられるもんじゃない。商品からあふれ出るくらいのものじゃなければ。

最後にもう一度、僕なりの解釈を。コンセプトとは、

“人がなぜそれを必要とするのか? を言語化すること”

なにかヒントになればうれしいです。


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