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誰がなんといおうと好き。
人にどう思われようと、流行りがどうだろうと、好きなものは持っていますか? レビューに頼らない、ブレない自分はありますか?
昔からスキマ的なものが好きで、またそんな自分が好きです(笑)。
数日前、以前好きだったUKロックバンドのアルバムを久しぶりに聴きました。
2枚目のアルバムと、5枚目のアルバムです。多感で多忙だった都会生活の中で、本当によく聴き、元気をもらえた思い出の楽曲たち。
これらを聴きながら、思い出したことがあります。
かつて発売されていたこのバンドのベスト盤に、僕の好きな2作から、楽曲がほぼエントリーされていたなかったことを。
そしてまた思い出した。5枚目のアルバムなどは当時購読していた音楽雑誌でメンバーが「最高傑作」と謳っていたのに、数年後のインタビューでは「気に入っていない」と語られていたんだよね。
まあ、別にそれはそれでいいんだけど。市場的にも、人気がない作品といわれていたけど、それはそれでいいのよ。
オレが好きならば―。
2枚目のアルバムは、まだ10代で成功したバンドが、目まぐるしいツアー生活の合間を縫って作った作品(だと聞いた覚えがある)。
「忙しさの合間」にある、どことなくダークで荒削りで混沌とした感じがするけれど、所々に物凄くピュアな感性が灯って成功の光と影を感じさせてくれます。
5枚目のアルバムは、頼りにしていたメンバーが一人抜け、スリーピースバンドとして再出発した彼らの再生の物語のようなもの。悲しさを振り払おうとしている、実験的な空元気さがいい。
・・・語り出したら止まらなくなるのでこの辺にしておきます。
自分の性質なのでしょう。このバンドに限らず、ほかの音楽でも脚光が当たらないスキマ的な作品が好きです。シリーズものの小説などもそう。
誰がなんといおうと好き。
そんなものを持っていますか?
レビューは便利です。先に使った人観た人聴いた人の体験がそこで語られているから、自分が行動を起こすための指針になります。比較ができます。
しかし、そればかりではつまんなくない?
何十枚、いや何百枚とCDを“ジャケ買い”して失敗してきました(苦笑)。でもその中からキラリと光るお宝を見つけたときの感覚…他の誰でもない、オレが選んだんだ! という感覚が心地いい。
そういう感性も大事にしていたい。ジャケットはダサいけど楽曲はイカしてる、みたいなものの方がまたいいんですよ。発掘感があって。その逆もありますけどね。
みんな違っているように見えてその実、多くの人が誰かの物語を追いかけたり、都合のいいエッセンスだけを模倣したりしようとします。
情報があふれ返っているからこそ、一定の傾向が見えることがあります。既視感というのですかね、「どっかで見たことあるな」というもの。
発言している本人は、気づいていないのかもしれないですけれど。
繰り返すけれど、選択肢が多いほど傾向に頼るのが人間だと思います。その方が余計なことを考えなくていいですからね。効率を求めるものならば、それもいい。
けれどレビューや傾向に依存しすぎていると、自分の芯だとか、思考能力だとか、アンテナだとかが減退してしまう気がするのです。知らず知らずのうちに。
スキマ的な「誰がなんといおうと好き」なものを、たまに振り返ってみるのも自分の立ち位置を考えるいいきっかけになると思いましたとさ。
ちなみに大好きだったUKのロックバンドは、Ash(アッシュ)という3人組です。
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