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【落とし穴】価値とは誰が決めるものなのか?

今日も誰より価値ある1日を。

こんにちは、大鹿です。
noteを開いてくださって感謝です。

今回の記事では、本noteのテーマである「価値」をさらに別の角度からご理解できると思います。

前回の記事では「そもそも『価値』というコトバを言語化できますか?」という質問を投げかけました。

(前回の記事のサマリー)

  • 価値とは(私の定義では)「他人に提供できる成功の度合い」のこと

  • “期待以上の差分”がより大きな成功、より大きな価値

  • 他人が決めるものではなく私たち自身が発見するもの

ちょっと矛盾したことに思えるかもしれませんが、価値=成功の度合いを測るのはあなたではなく他人です。

「他人が決めるものではなく」と書いてあるのに「価値を測るのは他人」。何を言っているんだ…?

分かりにくかったですね(苦笑)。ここら辺、はっきりさせておきます。言葉の定義がキモです。

一番理解しやすい関係性でお伝えすると、ビジネスというテーマにおいて

価値とは「お客様」が決めるもの

ということです。

最大の落とし穴

これは決して自分と関わる自社やその周辺ではない、という意味合いです。私が前回の記事でチラッと「あなたの価値を見つけます」みたいなことを言うコンサルタントは信用できない、と書いたのは同じ文脈です。

↑ホントこれ、騙されやすいから気を付けて。正しくは「見つけるお手伝い」です。

前回も例で出しましたが、「海外観光客をコロナ前の水準に戻したい」という顧客要望があったとします。

1年を“普通の成功”とすると、3年は時間がかかりすぎて失敗。一方、6ヵ月だと想定の倍のスピードなので「価値が高い」成果です。

整体師さんが高齢のお客様から腰の痛みについて相談され、それをキレイさっぱり取り去ったら普通の成功。さらにその裏にある、「孫を元気よく抱きかかえたい」という願いを実現できれば「価値が高い」成果です。

100円ショップの便利グッズを手にして価値を感じるのは、店員さんではなく私たち自身ですよね。「うわ、これ、かゆいところに手が届く~!」って。

どこでも傘を引っかけられる携帯フックなど、雨の日に使うと感動ものでしたよ。

でもですね。

普段いろんな場所でモノを買って価値を感じているはずのに、いざ自分がモノ・サービス・体験を提供するビジネスサイドに回ったら、

「これは価値ある商品です!」

と、自分視点で力説するようになってしまう。これが価値にまつわる落とし穴です。

決めるのではなく理解する

「これ、〇〇製菓の新商品なのですが…値段の割によくできていて美味しいんですよ」

「…あんまりやな」

私は以前、菓子商社で営業をしていました。上の会話は商品の採用を決めるバイヤーとの典型的なやり取りです。

美味しいという「価値」を体感してもらおうとして見事に失敗(汗)。このやり取り、たぶん食品商社マンあるあるだと思います。

美味しいかどうかはあくまでもバイヤーが決めること。もっと言うと、バイヤーが店先に並べる消費者が決めることでもあります。

そもそも私たち、「値段の割に」なんて言っちゃってるんですね←これマジ。自分で自分の商品の価値を下げてしまう。自信がなくては売れない。

しかし、こうすればどうか。

「バイヤーのお口にはちょっと甘すぎるように感じられたかもしれません。しかしながらこの商品は子ども向けの駄菓子でして、分かりやすくクセのある味を表現しています。これが子どものお小遣いで買える2個100円のお値段で売られていたら、たとえば子ども連れのお母さんの集客につながると思いませんか?」

まァ、毎度うまくはいきませんが上記のように切り返します。

この教訓で何が言いたいのかというと、繰り返しお伝えしている

価値は他人(ビジネスでは多くの場合、お客様)が決めるもの

ということに加え、

売り手が自分本位で価値を「決める」のではなく「理解する」ことが大切、ということです。

もし「子ども連れのお母さんの集客につながる」と提案してそれでも響かなかったら、理解が足りない。もしくは理解するポイントが違う。

バイヤーから「そうは言うてもこれ、美味しくないやろ」と言われたら、残念ながら“価値がない”ということになります。悲しいけれど、これが現実。

視点の行き来

繰り返しますが、価値を取り巻く視点は本当に落とし穴だらけです。

仮説を立てて(自分視点)、お客様にモニタリングして(他者視点)、価値を理解する(視点の融合)。そして伝える(価値の伝達)。

それでもまだ、価値を受け取ってもらえるか分からない。

川下にいる他者が、「成功の度合い」を伸ばせる相手なのかどうかは受け取ってもらって初めて分かるから。

実にムズカシイのです。価値を創造するということは。

私は営業だけでなく、ものづくりもたくさん行ってきました。しかし失敗ばかりです。

良いほうに捉えると、失敗を重ねたからこそ仮説の精度は高くなったと思います。それが職業的に蓄積されるノウハウ、ということなのでしょうね。

さて、今回は「価値」という言葉に少しでもしっくりきたでしょうか?

まだ「う~ん、、」ですよね(苦笑)。

そんないっぺんに理解できると、私も思っていません。

誰かに諭されるのではなく、自分で腹落ちして使いこなさなければ意味がない。まずは「分かる」ところから。

それだけでも見える景色が変わると思います。

今日はこの辺で筆を止めておきます。


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