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世界は見えない関係でできている。
“地球はそれ自体が、複雑な自己調整機能を持った1つの生き物。この星とこの星に住むあらゆる生命は、相互作用し合って生きている”
1960年代に唱えられた『ガイア仮説』という学説です。
これを知ったとき、「なんと地球はロマンチックなことか!」と、中学生だった僕は衝撃を受けたことを記憶しています。(漫画で見知った程度なので解釈が間違っていたらごめんなさい)
僕もあなたもこの地球も、知らず知らずのうちに関係し合っているということだから。
記憶がおぼろげだけれど、かの有名な『宇宙船地球号操縦マニュアル』という本にも、
“誰かの行いや仕事、作り出す価値が、遠く離れた知らない誰かに作用している”
というような意味の考え方があったと思います。今では当たり前に使われるようになった「シナジー」という言葉の走りですね。
やはりこのシナジーという現象を知った20代前半の僕は、「生命とはなんとロマンチックなことか!」と目を輝かせたことを記憶しています。
そういえば、某缶コーヒーのCMで、『世界は誰かの仕事でできている』というものもありました。
極端な話、住む星がなくなったり暮らしている環境が損なわれると困るから、「みんな思いやりを持って生きようぜ!」という意志が、人類にはインプットされているのだと思います。
考えてみてください。
僕やあなたがほんの少し思いやりのあることをすれば、知らない誰かに伝わっているということです。なんともロマンチックですよね(笑)。
ただ逆にいえば…個の行いにはすべからく責任が伴います。
思いやりのないことをすれば、直接的にも間接的にも誰かの行動や感情を損なっている。
損なう作用は、歴史上長い目で見たらどれも淘汰されていますよね。『ガイア仮説』によれば、自己調整機能があるわけなので。
俗にいうしっぺ返しというものに近いのかもしれません。
情報網の発達により、見えないものが見えるようになりました。地球の裏側で誰かが発したことが、一瞬で世界中に伝わるような。
見えない関係が存在するのは素晴らしいことです。けれど良くも悪くも、それを発信する意味・作用というものが当たり前になり過ぎているのも確か。
薬にも毒にもなる。
加速度的に発展したコミュニケーションの本質について、改めてよく考えたいものです。人間が地球から「もうお前ら邪魔」と思われないように。
世界は見えない関係でできています。
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