![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/72539305/rectangle_large_type_2_9aaf281b6eaa5ee982dff99b1b5ad0be.jpeg?width=800)
なんだかんだ人はベタなものが好き。
企画などをしていると「もうひとひねり欲しい」と言われることがよくあります。
言われてみて納得できることもあれば、「それ本当に必要か?」と思うこともある。作り手のエゴで装飾が継ぎはぎされ、伝わるはずのことも伝わらないから。
かつてクリエイティブ関係の仕事をしていたときは、企画を突っ返されるたび「それ本当に必要か? 正しいか?」と、疑問に感じる日々の連続でした。
「誰よりも面白い企画を出さなきゃならんのだ」という、“作り手の中”だけにある正解。いま振り返ってみても、納得できないことの方が多いかもしれません。
奇をてらうくらいなら、ベタでいい。なんだかんだ人はベタなものが好きなんです。
10年ほど前、アメリカのサンフランシスコに1週間ほど滞在したことがあります。
深夜のチャイナタウン、ヒッピー文化の聖地・ヘイト&アシュベリー、50年代のビート作家たちがたむろした街並み、当時は日本上陸前だったブルーボトルコーヒー。
摩天楼には白く霧がかかる。陰謀でも渦巻いているのだろうか?
子どもの頃から憧れだった多様なアメリカの文化が、万華鏡のように目の前に現れては、感動した記憶があります。
なかでも「これぞ、ベタなアメリカ」を体感したのは、確か日本へ戻る最後の日の朝。ユースホステルの隣にあったダイナーで味わった雰囲気でした。(ダイナー=アメリカの定食屋さんみたいなところ)
タイル貼りの壁、窓際にはボックス席、カウンターには赤い革張りのスツール。だったと思う。ジョージ・ルーカスの『アメリカン・グラフィティ』のセットのなかに迷い込んだのかと。
朝食セットにブリトーを頼み、出てくる間コーヒーを飲みながら旅行の思い出を振り返っていたら、衝撃的にとんでもない量の“それ”が目の前に出てきました。
「アメリカ人は毎朝こんなの食ってるんかい」などと喘ぎながら、異文化で食事を残すことにも気が引けた僕は、なんとか食べ進める。
そんなときです。これまたベタベタな展開なのだけれど、アメリカの青春映画のセットのごときダイナーに、ラジオからボブ・ディランの『ライク・ア・ローリングストーン』が流れてきて。
周りで誰かが『How does it feel?』などと悦に浸りながら口ずさんでいるわけです。
うわー、ベッタベタなアメリカ! アメリカ人はやっぱりボブ・ディランが好きなのね。
記憶は風化していきますが、衝撃的なブリトーと『ライク・ア・ローリングストーン』は一生忘れないと思う(笑)。
こんな雰囲気を味わったあとでは、いかにアメリカの映画が自国のライフスタイルを“ベタに”映し出しているのかを肌身に感じました。でも…それでいい。
奇などてらわず、ベタに・ストレートに・着飾らず、ものの魅力を表現する。純粋に。
ふと、今朝コーヒーを飲んでいたらあのダイナーを思い出しました。
ひねりにひねった曲芸はできる人にお任せして、僕はベタな王道を追い求めていきたいと思います。
関連ブログ『挫折経験も失敗も苦労も、ぜんぶ情報発信の武器に変えられる!』
裏技なし、王道でサポートします! 無料の販促コンサルティング【毎月3名様】
「苦手だった情報発信もポイントが分かり、少しずつ取り組めるようになった」とご感想いただいています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?