FBIのロゴは書体“Arial”
ビジネスに使えるデザインの話
ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています。
FBI(連邦捜査局)
映画などではよく見る、聞く「FBI」。いったいどんな組織なのか、FBIとは何の略なのか。
FBIは、Federal Bureau of Investigationの頭文字。連邦捜査局という意味です。アメリカ合衆国は州の独立性が高く、州をまたいだ捜査はこの連邦捜査局が担当します。本部はワシントンD.C.ペンシルベニア通り935番北西にあります。
余談ですが頭文字を使った言葉を「頭字語(とうじご)」と言います。頭字語には2種類あり、FBIのようにアルファベットをそのまま読むもの、単語のようにして読むものがあります。
アルファベットをそのまま読む頭字語を「イニシャリズム(Initialism)」と言います。AIDS(エイズ)とかOPEC(オペック)のように単語のように読むものは「アクロニム(Acronym)」と言います。
FBIの歴史
イギリスによるアメリカ大陸の植民地化の過程で、多くの制度がイギリス本国から持ち込まれており、警察制度もそのひとつでした。イギリスでは、地域の秩序・平和を維持する責任は、地域住民各々が負うべきであるという自治の意識が強く、家族や地域住民による隣保制(りんぽせい:治安維持等のため近隣の一定数の家々に隣組を作らせ,連帯責任を負わせる制度)の時代が長くありました。この理念を導入したアメリカ合衆国においても、地域住民による隣保制や、その延長線上としての自治体警察が主となり、連邦政府の法執行機関は、ごく限られた特殊な領域を所掌するものに限られていました。
その後、アメリカ合衆国の発展に伴い、連邦政府の法執行機関が求められるようになっていきます。建国当初から令状の執行や法廷管理・警備など連邦司法制度の保護を任務とする連邦保安官がありました。
徐々に連邦保安官による一般警察活動が求められるようになるも中央集権的な連邦警察を嫌う議会によって却下され、苦肉の策として、財務省シークレットサービスの捜査官の派遣を受けて捜査活動を行うようになりました。しかしセオドア・ルーズベルト大統領の政権下で、西部国有地不正売却事件(Oregon land fraud scandal)のようにシークレットサービスの捜査官を広範に活用したことが議会で問題となり、1908年、シークレットサービス捜査官の活動を財務省の管轄内に制限する決議がなされてしまいます。
この情勢を受けて、司法省直轄の捜査機関の創設が決定され、まず1908年7月26日、シークレットサービスの現役捜査官9名・元捜査官14名の移籍を受けて、スタンレイ・フィンチ(Stanley Finch)の指揮下に捜査局(Bureau of Investigation; BOI)が設置されました。
その後、第一次世界大戦を経て、順次に権限が拡張され、実績が挙がった一方、捜査官の質が不揃いであり、劣悪な捜査官による弊害も顕在化しました。このことから、1924年に29歳の若さで捜査局長に就任したジョン・エドガー・フーヴァー(J. Edgar Hoover)により組織が改革されていきまいsた。
レオナルド・ディカプリオがフーヴァーを演じた、クリント・イーストウッド監督の映画『J. Edgar』(2011)
FBIのウェブサイト
FBIのロゴとエンブレム
エンブレムの中の書体は、Tex Gyre Bonum (Bold)。「FBI」はArial(エイリアル)のBlackです(BoldもBlackも文字の太さの種類)。
書体、Arialについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
まとめ
FBIは場面場面で使う書体が異なっているようで、書体を使ったブランディングへの意識はあまり高くないようです。
ところでFBIはYoutubeのチャンネルを持っています。2023年6月現在で踏力者数は22.7万人。ウェブサイトと同様に指名手配についての情報などを開示しています。
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参照
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