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雨音しじま
2022年11月5日 21:43
いつもは静かな市役所。プルルルルという音やカタカタというタイピング音。作業音と少しの話声、市民の姿は平日というのもあってまばらだった。 突然のことだった。「市長を呼んでくれんか」サングラスにスーツ、袖からはチラッと墨が見えている。後ろには肩幅の広い大男2人が立っている。迫力は十分すぎた。「上の者に繋ぐので少々お待ち下さい…」窓口対応の職員は震える手で内線を繋ごうとした。「ああ、そっか