人生初の下北沢は薄暗く肌寒い街だった。
自分が生きている理由を見失いながら、ただ流されるままだった1999年3月。
その夜4人は、俯いたまま挨拶も無く下北沢屋根裏のステージに立った。
ハイハットが鳴った。
その夜から20年を超えた2019年2月。
THE BACK HORNは3度目の武道館であの夜と同じ「冬のミルク」を歌った。
自分にとって生きていく支えとなったバンド。
彼らは今、バンド史上かつてない危機の中で音を止めている。
ファンにとっても、バンドにとって
瑠璃色のキャンバス(音楽文掲載1)
「闇夜をそっと照らし出す歌」
コロナ自粛で生まれた闇を、突然一条の光が照らしたのは2020年6月10日だった。
THE BACK HORNのファンクラブ「銀河遊牧民」会員宛に発売が告知され、一部解禁となった新曲「瑠璃色のキャンバス」。
TOUR延期、再延期、数々の夏のイベントの中止を受けて落胆した日々を送り、それぞれの日常を彷徨っていた銀河遊牧民たる我々の目の前に現れた希望のキャンバス。
少し時間を戻すと、THE BACK HORNの苦難は2020年初頭から、正確には