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2005年COCKROACHとの別れ

世界観をもったバンドが好きです。

とか他人に言うようになったのは間違いなくこの音に出会ってから。

COCKROACH。

茨城県水戸市で産まれた化け物バンド。

1999年に上京するまで、自分の中のNO.1はB'zと黒夢そしてエアロスミスだった。

稲葉さんとスティーブンは神様だったし清春さんは目標だった。

紆余曲折を経て東京に辿り着いた自分は、そこで出会ったTHE BACK HORNに夢中になり、THE BACK HORNを追いかける中で出会ったバンドたちに夢中になる。

その中でも飛び抜けた存在がCOCKROACHだった。

1999年~2005年までの間、途中1年間の活動休止もあったけどできる限りLIVEに足を運んだ。

当時やはりTHE BACK HORNとの対バンも多かったがその演奏力、表現力はCOCKROACHが圧倒していた。

もうひとつREDЯUMもそうだ。

SEからその場の空気を一変させる力があった。

COCKROACHは様々な顔を見せるバンド。

例えば新宿LOFTで観た時はまるで密教のよう。

郡山では気さくなバンド。

MCではジョークも出るし、終演後は撮影やサインにも快く応じてくれる。

しかし、水戸でのCOCKROACHはやばい。

そこには「王の帰還」ともいえる雰囲気がある。

LIGHTHOUSEが文字通り揺れる、揺れる、揺れる。

壊れるんじゃないのかくらい揺れる。

一度、確か活動再開後の柏だったと思うがとても印象に残っている出来事がある。

対バン相手は地元のバンドとWRECKingCReW。

その2バンドの演奏中、ステージ横から鋭い視線で観ていたメンバーたち。

睨むという表現がぴったりな目つき。

当時はもうライブハウスでのバチバチな対バンという雰囲気はあまり無かった。

自分がまだバンドしていた1990年代初頭は楽屋での喧嘩とか打ち上げでの喧嘩とか普通だったし、リハで対バン相手の曲を演奏するとか日常茶飯事だった。(お前らの曲なんて簡単にコピーできんだよ的なw)

でも、上京して観たイベントはみんな和気藹藹(V系シーンはまた別)としてたし、先輩バンドとの対バンは「すごいなぁ」みたいな。

でも、あの真剣なメンバーの眼差しは本当に熱かった。(というか怖かった)

活動再開にTHE BACK HORNを選び新宿LOFTでの2マンを成功させたあの夜から、COCKROACHの新たな旅ではなく新たな闘いは始まっていた。


傑作「イキルサイノウ」から「ヘッドフォンチルドレン」に至る過程にいたTHE BACK HORN。

本来なら盟友の再開を祝う楽しい夜のはずが真正面からのぶつかり合い。

ステージでの音の喧嘩。

その夜のCOCKROACHはひたすらに闇と熱の塊だった。

名作傑作「青く丸い星に生まれて」ツアーのファイナルは吉祥寺。

終盤、メンバーや関係者と観ていた栄純さんが感極まって最後尾から一気にフロアに飛び込んできてファンと一緒になってもみくちゃになって楽しんだんだけど元の場所に戻った瞬間その場のみんなから笑いながら怒られてたのが今も記憶に焼き付いてる。

そして、2005年。

解散の発表。

2日間に渡って水戸LIGHTHOUSEで行われる公演のチケットを求めて発売日前夜は水戸LIGHTHOUSE前で一夜を明かした。


初日。

所縁のあるバンドたちが次々と。

REDЯUMもそしてもちろんTHE BACK HORNも。

REDЯUMがカバーした「顔」とTHE BACK HORNがカバーした「白と黒」は絶品だった。

そして最終日。

最前列でその時を待った。

「食人欲求者の謝肉祭」から「コネチカール」まで泣き通しだった。


ひとつ、奇跡が起きる。

「華」で客席に手を伸ばした仁平さんと指が絡み・・・。


※DVDでその奇跡が確認できる。


かなり時間が経ってから機会がありこの話を仁平さんに伝えたら「あれ?え?女の子が手を離してくれない!!とか思っ・・・」と言われたので改めていつか謝りたい。

そして、手元に残されたパス。
亡き友人からその場で頂いたもの。

持っててほしいと言われて17年。
今も大切にそばにある。

増子さん。
一緒に水戸にも行こうね

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