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経皮毒って聞いたことある?身体に悪いの?【読書記録*羊水からシャンプーの匂いがした】

かなり、斬新なタイトルで、読んでみたくなってしまった。

※本書はKindle出版

3項目要約

  • 経皮毒とは、皮膚を通して身体に入る毒のことを言うが、学術用語ではない【経皮毒のおかしい主張がある】

  • シャンプー、おむつ(ナプキン)を例に挙げ、経皮毒との関係性を科学的に伝えている【物質の特性を踏まえて実験実証】

  • 情報を鵜呑みにしない、情報に惑わされない、正しい情報を得ていくこと【個人の情報リテラシーを高めること】


読書感想

【ビフォー】経皮毒はなんとなく聞いたことはあり、洋服や化粧品などでもよく無添加などが謳われることが増えた。今回は「羊水からシャンプーの匂いがした」というタイトル名から、「飲み込んだわけでもない、あるはずない」とは思いつつ、でもどういうことなんだろうと気になった。

【知識と気づき】

シャンプーは皮膚から吸収される?

  • 経費吸収薬(皮膚を通りやすい物質)の特性として、①分子量が小さい、②適度な脂溶性をもつ、③融点が低い、の3つが挙げられる。

  • シャンプーに含まれるラウレル硫酸ナトリウムはほとんど皮膚を通らない。さらにシャンプーは洗い流すものであり、体内に入りうる毒は無毒性量、すなわち人体絵の影響はほぼない。また、体内に入ったとしても48時間以内に尿として排出される。

  • すなわち、シャンプーのラウレル硫酸ナトリウムは、身体に有害であることはほぼない。

おむつのポリマーが皮膚に付着していることで体内に浸透する?

  • 分子量の観点で通過しない。

  • おむつのポリマー自体が表面材と吸水紙に隔てられているため、皮膚に接していない。

  • PL法(製造物に欠陥があり、個人の生命等に損害が生じた場合、製造業者に賠償責任を負わせる法律)の観点から、もしおむつの経皮毒があるとすれば、すでに大問題。

  • すなわち、おむつやナプキンは危険なものではない。布ナプキンのほうが良い!とする意見に対しては、長時間つけっぱなしにするからかぶれているだけでポリマーが悪いとは言えない。

羊水からシャンプーの匂いがする?

  • シャンプーそのものが残っているのではなく、香料によるものだと考えられる。しかし、香料は全身の血液によって希釈されるはず。さらに解毒や代謝が行われているため、子宮や胎盤に到達する可能性が低い。

  • 胎盤は赤ちゃんを守るために有害物質の移動を選択・制限する働きがあるため、香料のみ胎盤を素通りして羊水へ…は考えられない。

  • すなわち、デマである。行き過ぎた自然派の企業などが、自社の製品は安全だと囲い込みたいだけなのかもしれない。

気づき

私は一時期、とても自然派寄りの考えをしていて、添加物や化学物質に敏感になっていたときもあった。しかし、それも科学的にみれば、人体に影響するほどのものでもなかったり、むしろ必要なものだったりすることもある。
自分で考えもせず、SNSの情報を見て、自然=身体に良いと決めつけるのもよろしくないと思った。

私は、なるべく自然に、必要ない添加物は摂らないようにしていきたい考えである。食べ物であれば、オーガニックのほうが美味しいから買うし、シャンプーも香料たっぷりのものよりも、なるべく香料のないもののほうが使用感が好きだから使う。
このように、自分の好きなものを選んでいくことが良いと考える。

あれは化学的なモノが入ってる!と必要以上に避けてしまっている自然派の方に向けて、そんなに怖がらなくていいよって言いたい本だと感じた。


【TODO】

  1. 情報の真偽は自分で確かめる


まとめ

経皮毒という情報を鵜呑みにせず、自分はどうするか、を考えていくことが重要。

本書は、自然派を否定する立場から書かれている。しかし、科学的には人体に影響はないとされても、人によってはそのほんの少しの化学物質でアレルギー反応が出るかもしれない。また、少しでも化学的なものを減らしたいという思いから、使用したときに不快に思う人もいるかもしれない。
そのため、実際の使う人にとっては良し悪しはあり、両方のメリットデメリット、自分の気持ちを踏まえて、どんなモノを使用するか選択していくことは重要である。


書籍情報

はろ, 羊水からシャンプーの匂いがした, 出版社なし, 2023

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