見出し画像

『空飛ぶストレート』♯ショートショートnote杯

いつも不思議に思うのだけれど、見ず知らずの人に突然道を聞かれて、なんで他の人は

「2つ目の角を右に曲がって、信号機を左に曲がり、ラーメンを通り過ぎたら右に曲がって」

っていう風に道順を教えられるのだろうか。自分は道案内が苦手だ。だから、いつも

「方角的にあっちです」

と、一点を指差すので精一杯だ。

「Excuse me.Matsuyama castle?」

ある日、歩いていると話しかけられた。

「ゴー ストレート」

と言って、いつものように一点を指差すと、空気が揺れるのがわかった。近くに立て掛けてあったホウキがもぞもぞと動きだし、わたしの両太ももに挟まると、そのままわたしを乗せて城まで行ってしまった。

そのとき、自分が魔法使いであることに初めて気づいた。  だから、道順を教えるのが下手だったのだ。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。『ショートショートnote杯』に参加しています。スキ(ハートマーク)をクリックしてくださると、嬉しいです。

たくさんの記事の中からわたしの記事にご興味をもち、最後までお読みくださって、ありがとうございます。 いただいたサポートは、私が面白いと思ったことに使い、それを記事にしたいと思います。