再放送 ひとりそたぶ264 美術(2回目)
一夜の幻影
漫才/灰色の壁の上 書きなぐった気持ちはそれぞれの在り方の 空しさに震えてるんだ
向井:俺の絵が美術展に入賞したから是非とも見に来てくれ。
真中:それはおめでたいですね。行きますとも。何処で見れるんですか?
向井:聞いて驚くな。横浜美術館
真中:おーっ、超有名な所じゃないですか!そんな所で君の絵が見れるとは。
向井:……の丁度向かいにあるショッピングセンターの市民美術展覧会だ。
真中:かと思ったら規模が一気にしぼんだ!まあそれでも充分凄いと思いますけど。
向井:そこの小中学生の部で見事佳作に選ばれたんだ。
真中:良い大人なのに小中学生の部て!しかも佳作って事は何人かに負けてるじゃないですか!
向井:一般の部では予選落ちが続いたから、今年は別の所から攻めてみたんだ。
真中:もっと他に色々と方法があったでしょうに!良くバレなかったモンですね!
向井:寸評も「小中学生とは思えぬ才能とセンス。今後が楽しみ」って書いてあった。
真中:そりゃ良い大人だもの!!良い大人が小中学生レベルだったら嫌ですよ!
向井:でも「ただ背伸びし過ぎて子供らしさが無かった気がする」とも書かれてあった。
真中:背伸びも何も等身大の大人だもの!子供らしさなんか無いですよ!
向井:次回美術展に投稿する際には留意しとかないとな。目指せ小中学生の部最優秀賞!
真中:まだ出すつもりですか!?経歴を偽って!
向井:馬鹿言え。投稿する際にはちゃんと正しく26歳って書いたぞ。
真中:嘘ついてなかったの!?じゃあ何で小中学生の部で通ったんですか!?
向井:そりゃあ美術展の連中も沢山応募してくるんだから一々年齢なんか確認しないだろ。ルールの盲点を突いたのさ。
真中:運営側のうっかりが過ぎる!!一番大事な所でしょうに!
向井:てなワケでこないだ授賞式に出席したんだ。賞金とトロフィー貰えた。
真中:良く受賞取り消しにならなかったですね!
向井:大丈夫だったぞ。
授賞式行ったら小中学生の部、優秀賞・最優秀賞・市長特別賞受賞者、全員俺より年上だったな。
真中:受賞者全員プライドのない連中ばっかりかい!!もう結構!!
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