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映画「mellow」@San Francisco Independent Film Festival レポート その2

上映当日

そしていよいよMellow上映当日の2月9日。あいにくなことに、この日だけ何故か強力な春風が吹き荒れていました。それが理由で電車が止まり、17人来るはずだった友達や知人が12人に。ベストな天候では無い中わざわざ来てくれた人達に感謝。

お昼頃に劇場に到着。ROXIEという看板に、テンションがあがります。

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劇場前の様子。

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チケットブース横にある、映画祭で上映される映画リストにMellowが。あーここで圭君の姿がはじめてアメリカの劇場スクリーンに映し出されて、彼の魅力がアメリカに知れ渡ってしまうのか。

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日本で手に入れていたチラシと共に。

どんな人たちがMellowを観に来るんだろう?ちゃんと席は埋まるのかな?入口でそわそわうろうろしてる間にもお客さんがどんどん入っていきます。Mellowを観にわざわざ来てくれたんだ…嬉しいな、どうもありがとう。
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上映前の様子

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チケットは、あらかじめオンラインで購入していたものをプリントアウトして持っていきました。座席指定はなし。お布施のつもりで二枚購入。劇場の中にはいると、古いながらも小ぎれいな雰囲気。100席にも満たない赤いソファシートが並んでいます。

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上映時間が近づくにつれて、続々と入ってくるお客さんたち。最後には、ほぼ満席となっていました。これが見れて、感無量 (涙) 公式様、全部埋まってるよ~~!!

観客層について。日本で観たときは、20代から40代くらいの女性が大多数を占めていましたが、Roxieでは子供連れのファミリーからご年配の方々まで幅広い年齢。男性は3割ほど。人種は主に白人とアジア人。日本人は私が連れてきた友人数名程度と、ロサンゼルスからわざわざサンフランシスコまで飛行機で来ていた圭君ファンの日本人女性が一人いらっしゃっただけでした。アメリカでの観客層の幅広さは、外国映画の上映ということでほとんど前情報の無い状態で集まった結果だと思われます。


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上映数分前。映画祭に出品された150本以上にも及ぶ映画全てに目を通し、mellowを選んだというアレハンドロ(Alejandro)さんがモデレーターとなり、映画についての簡単な説明をしていました。2年間日本に住んだことがあるという彼は、この映画を最初に観た際、ストーリの趣旨を理解するのに最初20分間かかったが、はまった後は大変面白く、ある意味破壊的なところもあって?お気に入りの映画になったと後で話してくれました。

Mellow、いよいよ上映開始。

上映は午後1時15分きっかりに、広告なしで開始。

そこには、お花に囲まれて輝くような微笑みをたたえた夏目さんが、スクリーンに鮮明に映し出されていました。東京で3度観ているので見慣れているはずなのですが、異国の地で観るとまた違った新鮮な感動がありました。ああ、夏目さんが海を渡ってやって来てくれた…そしてその弾けるようなチャーミングな笑顔がアメリカ人の瞳に映し出されている。ここから中の人、田中圭の俳優としての素晴らしさが、ゆっくりと欧米にも知れ渡っていくのかな…これからの彼の世界での活躍を思い、温かいじんわりとした感動を覚えました。

観客の反応についてですが、笑いの数の多さと笑い声の大きさ。これが日本とは一番異なっていました。

ネタバレしない範囲で説明をすると、先ず冒頭でカップルが深刻な話をしている場面からすでに笑いが。うまくいかなくなったカップルあるある話の流れだったので、アメリカでもありがちな話に受けていたのでしょう。その後も確かに面白いけど声にだしてまで笑う所?という場面で、日本では起こらなかったくすくす笑いが何度も起きていました。観に来てくれたアメリカ人の同僚Aさんによると、アメリカ人は映画鑑賞中のリアクションは自由に出しちゃうからね、それは普通よ。とのこと。日本は鑑賞マナーが厳しめなので、皆感情を出すのは抑え気味にしているんでしょう。なので日本では自由に気持ちを出して楽しめる「応援上映」なるものが別枠であるんだろうなと思います。

こんな感じでさあ皆でこの映画を楽しもう!という姿勢が最初から見て取れました。笑いの極めつけは青木夫婦と夏目さんのコミカルな場面。皆ずっと笑いっぱなし、手をたたいて爆笑の連続。ちゃんと面白い場面でアメリカ人にも面白さが伝わってるんだ!と感動しました。

実はこの場面、少し心配していました。この微妙なニュアンスで繰り広げられる三人の会話の面白さがちゃんとアメリカ人に伝わるのか。微妙な翻訳のずれで、場合によっては意味のわからないシーンになってしまうのではないか。それは杞憂だったようです。

物語が進行している中、スクリーンを楽しみつつ、観客の反応を肌で感じ取ろうとしていました。面白いシーンでは皆笑い、しんみりするシーンでは静まり返り、きちんとお客さんが話に入り込んでいる(Engageしている)雰囲気が伝わってきました。途中退席する人は誰もいなかったと思います。

最後、エンドロールが始まるとバタバタとお客さんたちが席を立ち始め、この長回しの夏目さんのシーンがとても良いのに…と少し残念に思ったことは記録しておきます。

翻訳について

英語字幕付きの上映でした。日本でハリウッド映画等を観る時には当たり前の字幕上映ですが、アメリカ人は慣れていない人も多く、人によっては疲れるので字幕付き映画自体を観たくないという人もいます。そんな中、とてもシンプルで的確な英語が使われていて、読むのが面倒、物語がわかりにくくて疲れるということは無かったと思います。笑いのシーンでも触れたとおり、全体を通してとても丁寧に意訳されていたので、Lost in translation (翻訳のずれで意図したことが伝わらない)的な個所はほとんどありませんでした。

一番感心したのは、夏目さんが以前花束を作った女子中学生のお客さんに「その子(花束を渡した相手)は受け取ってくれた?」と質問し、「はい、受け取ってくれました。」と返すくだり。この返事には主語が入っておらず、受け取ってくれた相手が男性か女性かは、わかりません。この場面では、花束を贈った相手の性別がわからないというのが重要なポイントなのですが、字幕では、SheやHeを使う代わりに「Yes, they received it.」といったようにTheyを使い、性別をぼやかしていました。あっぱれ!

日本文化の背景について

劇中に日本ならではの設定が何か所かあり、皆フォロー出来たのかが興味ありました。

・学校の学期システム。アメリカでは8~9月に新学期が始まり、5~6月あたりで修了なので、告白のタイミングの話は理解できるのか?

・女子校文化。アメリカには女子校や男子校がほとんど無いので女子校ならではの同性同士の親密さの感覚が通じるのか?

・お仏壇のシーン。アメリカには故人を奉る祭壇みたいなものは家の中に無いのでお仏壇が家にあるということは何を意味しているのかが分かるのか?

同僚Aさんは上記のことは理解するのに問題は無かったとのこと。ただ、アジア系アメリカ人の元同僚の女性Bさんは、お仏壇にある写真の人は故人か生きている人なのか、というところが少し混乱し、理解するのに時間がかかったようです。

映画の評価

個人的な見解では、大成功だったんじゃないかと思います。来てくれた友達は皆、とても素敵だった、思ったよりも良かった。と笑顔で伝えてくれました。「大変すばらしかった、わざわざ一時間運転して観に来た甲斐があった」「最初の20分くらいは、話の展開が読めずに???だったけどその後話が面白くなって、楽しめた」との声も。

また、同僚Aさんにケイタナカをどう思った?と聞いたところ「Oh, he was so cute! So handsome... and charming....!(とてもハンサムで可愛いわ。チャーミングよね)」と顔をとろけさせていました。演技も自然で上手だと。その反応を見てドヤ顔の私 (笑)

実は、自分の友達や知り合い以外のお客さんからもアンケート形式で感想を聞くことが出来ました。その内容と、mellowを選出したモデレーターのAlejandroさんから聞いた映画の評価については「その3」でレポートしようと思います。






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