白が一番好きな理由

好きな色は何ですか?

こう聞かれたとき、皆さんは何て答えますか?

僕はね、いつもこう答えるんです、、、、、、白です。

なんでそんなにためるんだい?そう思った方もいるかもしれません。僕は白に、貴乃花が、息子の花田優一に対して思う気持ちくらい複雑な感情を抱いているんです。

色の中でも白が一番好きな理由、山ほどあります。

まず「白」という字に1本線を足すと「自分」の「自」になるんです。真っ白なキャンパスに線を描くことが自分を表現するってことなんですよ。

それに、白って想像の余地が残ってますよね。ここに何が描かれるんだろう、どんな彩りが加えられるんだろうと考えさせてくれる、視聴者参加型の色なんですよね。

あと、当たり前ですけど本って文字以外の場所が白いじゃないですか。その余白は想像力を掻き立てる白なんですよ。白は妄想の白、妄想といえば白パンツ。白パンツはみんな好きですからね。そりゃ白も好きになりますよ。

もっと言えば、本のページって最初は白いですけど、年数が経つに連れて黄ばんできますよね。古本を見たときに、こいつにも若かった時代があるのかと思わせてくれる、時の流れを感じさせてくれる色、それが白なんです。

白って汚れやすい色ですよね。純粋な人間ほど汚れやすく、一度汚れがつくと、目立ちやすい。白ってなにかとかわいそう。そこに同情してしまう自分がいます。

あと、僕って喧嘩っぱやいんですけど、殴ると血が出ますよね。その血が一番美しく見えるのって白の上なんですよね。

でも殴ってばかりじゃ社会じゃ生きていけませんよ。そんな時に出会ったのが白い食材、えのき。えのきってたくさん群れていて社会の中で生きるための協調性みたいなものを暗に教えてくれる存在なんですよ、少なくとも自分の間では。そんなえのきの色、白は僕にとって特別な色なんです。

あと、白と言えばカルピス。初めて自分で味の濃さを調節した飲み物なんじゃないかな。色んなことを吸収する幼少期にカスタマイズすることの楽しさを教えてくれた、味を支配している感覚を芽生えさせてくれた色、それが白なんです。

白と言えば骨。もし骨が無かったらみんなアメーバとかはぐれメタルみたいに這いつくばって生きていかなきゃならなかったんじゃないかな。そしたら偵察しにきた宇宙人に舐められる。だから白は人間の威厳を保つための色なんです。

あと、白が好きな理由、おじいちゃんの名前が『四郎』だったんですよ。小さい頃から『しろ』という響きに馴染みがあったんですよね。

それに赤身よりも白身の臭みの方が好きなんですよね。あまり違いわからない方が多いと思いますけど。

あと、白目があってこその眼球ですからね。黒だけじゃ人間の目は、目ではなかった。そう思うと白に感謝です。

感謝と言えば、白に伝えたいことがありました。文字を乗せてくれていつもありがとう。それだけです。それだけのことがなんで今まで言えなかったんでしょう。

赤飯も、白飯あっての、赤飯ですからね。白がなかったら赤飯は全然めでたくなかったと思います。対比が重要なんですよ。

白と言えば、足袋も白いですよね。足袋って爪先の部分が1ヶ所しか割れてないんですよ。つまるところ、足袋は第2のお尻なんですよ。なんだかかわいらしいじゃないですか。そのかわいらしさを担保しているのが白色だったりするんです。

鼻水が白い時ってありますよね。それはバイ菌の死骸が含まれているからなんですよ。体内の抗体との戦いに負けていったものたち、その屍を踏み越えて僕たちは今日も生きているんです。白は犠牲の色でもあるんです。

上履きも白いですよね。白は、学校生活でいつも足元を保護してくれた、青年期を支えてくれた色です。

もやしも白いです。貧困の味方。白とは本当のお金の色なのかもしれません。

譜面に色は付かない。白いですよね。白い紙の上に黒い音符が並ぶシンプルな作り、ですが、奏でる音は入り乱れながらもうまく調和している。白は単純さと複雑を兼ね備えた矛盾の色、中二病臭くて、そういう青いところも好きな理由です。白なのに青い、なんだかおかしいですね。

ガーゼも白いですよ。傷口をバイ菌から守ってくれる、布ジャンヌダルクです。白は聖なる存在を示す色なんです。

近寄りがたい存在である一方、白は親しみやすさもあります。豆大福は白の中に黒豆を内包しています。異物を許容するその寛大な心意気を白という色から感じられるんです。

白と言えば、ウェディングドレス。必ず引きずられるものですよね、まるで過去の黒歴史のように。そんな弱みを見せてくれるところが、白に好感が持てる理由の1つです。

あと、白と言えば、シーツ。修学旅行に行く度にシーツをきれいに畳まされますよね。あれでうまく畳めなくて手こずっていたとき、友達が手伝ってくれました。白は友情を深める色なんです。

また、パラボラアンテナも白いですよね。あの形状がどんな電波も受け入れてくれる気がして安心するんです。クラスに取り残された電波とかも受け入れてくれそう。白って包容力がある色なんです。

守ってくれる色なんですよ。包み込みというか、、ゆで卵…。

でも白が苦労して今の地位を獲得したことを僕は知っています。白蛇って神聖なものじゃないですか。あんなに細長いのに神聖なものとして扱われているってことは並々ならぬ努力をしたんだと思うんです。白のそういうところを見習っていきたいですね。

あと、Googleのホームページって白いじゃん。ただそれだけです。僕の口から言わなくてもきっと皆さんには伝わるでしょう。

白って本当に重要な色なんですよ。餅が白くなかったときのことを想像してみてください。膨らむものに色がついてたら風船と区別つかなくなってしまいます。

濃いとんこつスープって白いですよね。食べたときのことを思い出すだけで舌の上に味がする。白は思い出の色でもあるんです。

白ってボーダーの常連ですよね。必ずと言っていいほど、ボーダーに白は含まれる。ファッション業界に信頼されてる証拠です。

それでいて、白ってまだ成長途中なんですよ。はんぺんほどオールラウンダーな食べ物はないじゃないですか。焼いたり、おでんにしたり。だから白って何にでもなれる無限の可能性を持っているんです。

エアコンなどを見てこう感じるんですけど、時に、白は無機質なイメージを与えることがありますよね。温度調節の役割を担うものに血の通ってる暖かいイメージがあったらそれはそれで気持ち悪かったり、ムカついたりもしてしまうと思うんです。だから白は、こちらが無駄な感情を呼び起こさないための配慮の色なんです。白ってああ見えて気を遣えるんです。

急にベタな話になりますけど、消しゴムって過去の過ちをなかったことにしてくれるから何度も間違いを繰り返す人類にとって、とても大切なものだと思うんです。その消しゴムの色である白ってやっぱり人間にとって必要不可欠な色なんでしょうね。

あと、南極の氷って白いじゃないですか。あれって中に空気を含んでいるから白いんですよ。人間も同じで体内に酸素を入れるという部分で若干南極の氷と似ていると思うんですよ。こんなところでも白と人間って繋がってるんですよね。

よく言われるのが白は無ということ。まず白があって、その上に何かが足されていく。白はなんでも受け入れる。やっぱり白って包容力があるんでしょうね。

ただ、背脂なんかも白いじゃないですか。一部のラーメン屋は重宝していますけど意外と好き嫌いの別れるものなんですよ。白は一見、どんなものでも受け入れるように見えますけど、実際は背脂のように逆に近寄りがたいイメージがあります。でもその二面性にひかれてしまうところもあるんですよね。

天使ってたいてい羽の生えた子供が白い服を着てるじゃないですか。だから白い服って幼いイメージがあるんですよ。その未成熟な感じが危ういというか犯罪の匂いを醸し出しているんです。こっちが勝手に連想しているだけなんですけど。その危険なゾーンって感じがゾクゾクするんですよね。そういう意味でも白って神聖な色なんですよ。

それに、白には「まだ幼い銀」ってイメージがありますよね。幼い色なんてかわいらしいじゃないですか。別に、幼い色なら好きになってもかまわないですよね。

白い花と言えばユリですが、花言葉は「純粋」。子供の頃、誰もが純粋だった時があったと思うんです。懐かしいですよね。純粋という言葉に懐かしさを感じます。白って本当に純な色ですよね。

あと、白って一番清潔感のある色なんで、そういうのを見ると汚してしまいたくなるんですよね。それは純で幼い色だからっていうこともあると思うんですけど。

ただ、僕の中では汚れてしまっているというか白って一番黒い色なんですよ。白は光を一番反射する色なんです。それってつまり、光を嫌っているということなんです。僕も暗いところが好きだから、その感じ、とてもわかるんです。

知っているでしょうか。白旗は降参を意味するんです。だから白っていつも負けてばかりの自分の人生によく似た色なんです。

歯も白いですよね。いつ見ても敷き詰められていて窮屈そうですよね。白い歯を見ていると、小さい頃、叱られて押し入れに閉じ込められた時のことを思い出します。でもあの経験って決して無駄じゃないんだよなあ。

白と言えば、やっぱり雪。雪に触れると一瞬で溶けてなくなります。蒸発した母親のことを思い出します。あの時、手を掴もうとして掴めなかった母親のことを。

そういえば、白はむかし通っていた宗教団体の施設の服の色でした。僕が人生で初めて白を意識したのはあの時かもしれません。

 

もう一度聞きます。

皆さんの好きな色はなんですか?

小さい頃からお金をもらうことが好きでした