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『往復書簡』(仮)40復信

Sさんへ

こんにちは。
僕は雨の日が好きです。いろんなことを遮断してくれる気がする。なんでこんなことをいきなり書いているかというと、今、雨が降っていて、なんとなく思いついたからです。深い意味はありません。
Sさんは落ち着きを取り戻したみたいですね。よかった。
僕は見る罪と見せる罪について考えています。直接危害を加えるのではなくても、人を傷つけることは思っているよりもよくあることだし、それを意識的にすることも可能だということも。 理解できないのは、何が目的なのか全くわからないことをしてみせる人間がいるということ。別にわかりたいとも思わないけれど。僕は見て見ぬ振りをする。それも向こうはわかっている。
人間というものが自分が思っていたよりもずっと不可解で、空恐ろしいものだと感じるようになりました。
段々、受験の雰囲気が漂うようになってきたけどSさんの学校でもそうですか? 
僕も夏の講習を模擬試験を受けることにしました。
出家は遂に道を遠ざけるかもしれないという疑問が起こって、とりあえず大学に進学することに決めました。Sさんはどうですか?
僕は家を出るために関西圏の国立を受けるつもりでいます。それについては家族も賛成してくれているので。どういう理由にせよ。反対されると面倒だしね。
ではまた。


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