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『往復書簡』(仮)07往信

Tさんへ

お返事がすぐに来たので、少しおどろいています。
心配させてしまったみたいで、ごめんなさい。私はとっても、元気です。

すすめてもらったHさんの文庫本、古本屋さんで見つけたので買ってみました。まだ、ひとつしか読めていませんが、面白いです。本でも面白いものがあるんだと認識をあらためました。

ただ、読んでいると、どこを読んでいるのかわからなくなってしまったり、すぐにねむくなったりします。私には向いていないのかもしれません。

部長さんは熱心な人なんですね。すごいなぁと思います。安全についてそんな風に考えたこともなかったので、そういう話をしてくれるセンパイがいて、Sさんは恵まれていますね。

私はこういうのもなんなのですが、女性が苦手な気がします。母親ともあまり仲良くありません。そうかといって、男の人で話をするのはTさんと弟くらいで、父親のことは大嫌いです。もしかすると、人間があんまり好きではないのかもしれないです。

確かに、親に養われているけれど、それって当然のことだと思います。ニュースとか見ていると、信じられないです。

なんだか今日の手紙、出していいのかなって迷うけれど、出すことにします。
つまらなくてごめんなさい。 返事は欲しいけれど、無理はしないでください。

では、また。

Sより


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