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ダイエットは食事制限8割の意味とは:整腸剤のスゴイ9つの効果(5)

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本日のダイエット記事は必要だと思う情報を集めてみたらなんと6000字弱になりました。記事を分けると構成が乱れるのでそのまま掲載します。
目次をつけていますので、興味があるところからご覧ください。

<本文>
私が専門とする市販薬は病気や怪我を治療するのでなく、症状の緩和や予防を通して病院受診の判断とともに「明日を健康に、快適に過ごす」薬です。

ところが整腸剤カテゴリーに入って以降、薬の解説は現在のところたった2回。そのほとんどが「朝日を浴びろ」だの「ストレス解消法」だの、どちらかといえばライフハック寄りの解説が続いています。

しかし不眠も精神不安も、美肌でさえ整腸剤の効能に関係がある以上、解説しないわけにはいきません。

そして今日はまさかの「ダイエット」です。

整腸剤はダイエットに効果があるのか、それを解説します。


人はなぜ太るのか

人はなぜ太るのか。それは消費カロリーを摂取カロリーが上回るからである。

消費カロリーとは走る、泳ぐなど身体を動かすときに消費するエネルギーだけでなく呼吸や体温維持など生きるために身体の各組織が消費するエネルギーです。

他方で摂取カロリーとはタンパク質、炭水化物、脂肪など主に三大栄養素を摂取することで得られるエネルギーです。この摂取カロリーが消費カロリーを超えるとその分は脂肪として蓄えられます。

一日に必要なカロリー(kcal)として厚労省や日本医師会はその目安となる数値を発表しています。

・男性18歳から64歳は2600カロリー前後
・女性18歳から64歳は2000カロリー前後

この数値は基礎代謝基準値に該当年齢の平均体重と、座り仕事中心の活動レベルの基準値をかけた計算式によって求められた、大まかな目安となるものです。

営業や出張など移動や動きが多い人のカロリーは男性は3000前後、女性は2300前後になります。

ちなみにご飯100gは156kcal、150gは234kcal、クリームパンは292kcalなど食品のほとんどはカロリー表示がされており、メニューにしてもケチャップをかけた一般的なオムライスは700kcalなど検索すれば出てきます。

お酒はなぜ太るのか

お酒が好きでお腹の出ている中年男性を「ビール腹」と揶揄することがありますが、実はビールを飲んだだけでお腹はあそこまで膨れません。ビール350mlで147kcal、糖質10.5gです。ビールを飲むと太るのではなく、

ビールのおつまみ、特にから揚げなどの揚げ物や味の濃いものがカロリーオーバーの主な原因です

お酒を飲むと太る原因について調べました。

・肝臓でアルコールを分解するときに「中性脂肪」の合成を促す酵素が作られることで中性脂肪が合成されやすくなる
・アルコールを分解するときのエネルギーとして糖質を使うので血糖値が下がりお腹が空く
・アルコールの利尿作用により体内の塩分が低下することで味の濃いものを欲する
・アルコールが脳内に入ると脳内物質ドーパミンを分泌させ気分を高揚、食欲を増大させる作用がある、など

お酒を飲むのは夕方以降です。朝昼と食べて摂取カロリーはあとどれだけ残っているでしょうか。お酒を飲むと体内ではいろいろな変化が起こります。その一つが、

ドーパミンによる気分の高揚、食欲増大です

お酒は酔います。酔えば気分が高揚して楽しくなる一方で、我慢や節制というダイエットに必要な「自制心」が失われます。

通常はこうした行き過ぎた感情を「セロトニン」が調整しますが、セロトニンはアルコールが入ると分泌が低下します。
ビールを飲むだけなら確かにカロリーも糖質も高くはないので太る原因にはなりません。

しかし、その考えこそが太る原因です

問題なのはビールやアルコールが体内に入った後の身体の反応であり、それがカロリーオーバーの原因になります。

お酒は適量に止めれば問題ない、などと耳にしますが本当にそうでしょうか。お酒について大事なことを忘れています。

アルコールは年齢制限があり、依存性があります

最初は会社の付き合いだけで済んでいたのがストレスなどの外部要因でお酒を飲むようになり、週に一回が二日に一回になり、毎日になる。毎日になると今度は本数が増える。本数が増えると今度は度数の高いアルコールを飲むようになるなど歯止めがかからなくなる、これが依存性です。

ダイエットをしたいなら太る原因になるものとはなるべく距離を置きましょう。

何を食べるとやせるのか

食べたらやせるものはありませんが低カロリーでお腹が膨れるものがあります。

サラダに含まれる野菜、食物繊維です

「ベジファースト」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。なぜ野菜を最初に食べるのか、それには理由があります。

1.食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにします
ご飯やパンなど炭水化物に含まれる「糖質」は食後に血糖値を上昇させます。

血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖、ブドウ糖とは分解された糖質です。この糖質より先に食物繊維を食べることで胃の中で糖質の消化が遅れて食後の血糖値の上昇が緩やかになります。

2.食物繊維はインスリンの分泌を抑制します
糖質を食べて血糖値が上昇すると膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されて、インスリンはブドウ糖を取り込み細胞のエネルギー源になります。余ったブドウ糖は中性脂肪に合成されて貯蔵されます。

つまり血糖値が上昇するとインスリンは分泌されますが、緩やかな上昇であればインスリンの分泌は少なくなります。インスリンの分泌が少なくなれば取り込まれるブドウ糖も少なくなり、中性脂肪も少なくなります。

3.食物繊維は食べる量を減らし、食べ過ぎを防ぐ
食物繊維は水を吸収すると膨らむ性質があり、また小腸に吸収されず大腸まで届くので腹持ちが良く食物繊維を先に食べることで少ない量で満腹感を得られます。

これだけ見ても食物繊維がダイエットにどれだけ優れた成分かわかりますが、これだけではありません。食物繊維にしかできない優れた利点があります。

食物繊維は腸に届くと善玉菌のエサになり「短鎖脂肪酸」が産生される

この短鎖脂肪酸が今日の記事のメインテーマです。

何を食べると太るのか

やせたい、身体を絞りたい、ダイエットしたいと思うなら昨日までの食生活を見直す必要があります。

平均的な1日の必要カロリーは男性は2600kcal、女性は2000kcalです。この平均カロリーを超えた食生活を続ければ余ったエネルギーは中性脂肪に変わり内臓脂肪、皮下脂肪に蓄えられます。ではこのエネルギーとは何なのか。

糖質と脂質です

糖質とはご飯やパンなどの炭水化物から食物繊維を除いたもので、簡単にいえば砂糖などの「甘いもの」です。

糖質のほとんどは身体や脳を動かすエネルギーですが、脂質はエネルギーの他にも細胞膜やホルモンなどの材料として使われます。この糖質や脂質を消費カロリー以上に摂取するから脂肪として蓄えられるのです。

だからやせるためには糖質や脂質を減らして摂取カロリーを減らすか、運動などをして消費カロリーを増やすか、この2通りしかありません。では具体的に何を食べると太るのか。

朝昼夕の3食以外に間食する「お菓子」「スイーツ」「清涼飲料」など、いわゆる甘いものです。

具体的な高カロリーの栄養成分を調べてみました。

・ポテトチップス
カロリー449kcal、炭水化物43.1g、脂質28.9g
・コーラ500mg(ファンタも同程度)
カロリー225kcal、炭水化物56.5g
・みたらし団子2本
カロリー316kcal、炭水化物72.32g
・あん団子2本
カロリー322kcal、炭水化物72.8g
・ショートケーキ
カロリー343kcal、炭水化物47g、脂質14g

コーラはよく角砂糖16個、ステッィクシュガー19本と例えられますが、コーラに限らず多くの清涼飲料は「角砂糖10個以上」で、味のついた砂糖水といってもいいくらいです。

これらを学生の運動部が飲み食いするならエネルギー代謝が激しいので消費できますが、身体を動かさない中高年が同じことをすればエネルギーは大幅に余り脂肪として蓄えられてしまいます。

ダイエットをして目標体重まで落とすにはいくつかの壁がありますが第一の壁は、

お菓子やジュース、スイーツの間食をしないこと

ダイエットは長期戦であり、続けることが重要です。続けるためには「無理をしないこと」。一つひとつ、ダイエットの壁を乗り越えて目標体重を目指しましょう。

睡眠はダイエットにも効果あり

ダイエットの第一の壁「間食をしない」を乗り越えたらいよいよ炭水化物本体にアタックします。

ご飯の大盛りを普通盛りに抑えましょう

外で食べると「ご飯大盛り無料」の誘惑にのりがちですが、ダイエットするならご飯の量は減らさなければなりません。

ご飯一杯を150gと換算するとカロリー234kcal、糖質53.4g。これが大盛り200gとなると312kcal、糖質71.2gです。

糖質の一日あたりの摂取基準量は男性330g、女性270gです。

これを超えたら脂肪になるのでこれ以下に抑えなければいけません。普通盛りと大盛りの糖質の差は20gと少ないと思うかもしれませんが、これが3食となると60gの糖質減で決して少なくありません。

そしてもう一つ、炭水化物アタックがあります。

夜8時までに夕食を済ませる、ご飯(白米)の量を少なくする

美肌の解説時に「睡眠の重要性」を解説しましたが、ダイエットにおいても睡眠は効果があります。

人は眠ると最初の3時間で「成長ホルモン」が分泌されます。
成長ホルモンは肌の新陳代謝や紫外線など外部ダメージを回復させる作用がありますがこれ以外にも、

成長ホルモンは脂肪燃焼を促進します

この成長ホルモンを適切に分泌させるには「睡眠の質」が重要であり、睡眠の質は規則正しい生活リズムがもたらします。

規則正しい生活とは毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝ることです。「今日は早く寝よう」と思ったところで眠くなければ部屋を暗くしても眠れません。だから毎日同じ時間に眠くなるように規則正しい生活をする必要があります。

規則正しい生活には寝る時間だけでなく、夕食を終わらせる時間も含みます。夜8時と設定したのは消化には約3時間かかるといわれているためです。

胃の中に食べ物が消化されないまま残っていると脳が休むことができず睡眠が浅くなります。睡眠が浅いと適切な成長ホルモンが分泌されません。

夕食のご飯の量を少なくするのは糖質制限以外に、胃での消化を早めるためです。

糖質は身体を動かすエネルギー源です。夕食後はリラックスして寝るだけなので多くのエネルギーはいりません。だから朝昼は糖質を維持しても夕食は可能なかぎり減らす必要があります。「気持ち少なめ」から夕食のご飯(白米)を徐々に減らしていきましょう。

有酸素運動と筋トレはどちらがやせるのか

1.有酸素運動
有酸素運動とはウオーキングやジョギングなど酸素を使って身体のエネルギーを消費する、筋肉への負荷が軽い運動です。

「有酸素運動はやせる」といわれるのは最初に体内の糖質がエネルギー源として消費されるためです。

有酸素運動は20分以上の継続的な運動で脂肪が燃焼されるといわれていますが、20分後から脂肪燃焼効果が高まるというだけで5分でも10分でも脂肪は燃焼します。

普段に運動していない人がいきなり20分の運動は少々きついです。きついものは続きません。最初は5分でも10分でもかまわないので、できる範囲で続けていきましょう。

2.筋トレ
筋トレは酸素を使わず筋肉に蓄積された糖質をエネルギー源として筋肉を大きく増やす負荷の高い運動です。

筋肉が増えると代謝が上がるので消費カロリーが増えて脂肪が付きにくくなりますが、身体全体がやせるというより筋トレした部分が「締まって見える」効果があります。

ただし筋トレは筋肉に負荷をかけるため「乳酸」という疲労物質が生成されて長時間続けることができません。筋トレして腕がプルプル、足がプルプルするのは蓄積された乳酸が原因です。

しかも慣れないうちは翌日以降に「筋肉痛」といって筋肉の炎症を起こします。筋肉痛に湿布が効くのは炎症を引き起こすプロスタグランジンを抑制する作用があるためです。

有酸素運動と筋トレはどちらがやせるか。

有酸素運動は身体全体を、筋トレは筋トレした部分を主に引き締めるのでダイエットにはどちらも有効です。

有酸素運動はウオーキングやジョギングなど種類は多くありませんが、筋トレは「お腹」「お尻」「太もも」など鍛える部分ごとに種類が豊富なので毎日鏡を見るのが楽しみになります。

理想は朝に有酸素運動を、夜に筋トレをすると脂肪燃焼が高まるといわれていますが最初は短い時間、少ない回数でかまわないのでいろいろ試して続けられるものをみつけましょう。

整腸剤はダイエットに効果があるのか

整腸剤のダイエット効果はあるといえばあるしないといえばない、それは見方によって変わります。

整腸剤は「脂肪がつきにくい体質」を作るので、それをどうとらえるかです

1.短鎖脂肪酸(酢酸)
短鎖脂肪酸は腸内の善玉菌と食物繊維によって産生される「代謝物」です。整腸剤は善玉菌を増やし、食物繊維は善玉菌を育てます。

短鎖脂肪酸の酢酸は腸管から吸収され血流にのって全身に運ばれると、内臓脂肪や皮下脂肪にある「脂肪細胞」はこの酢酸を感知することが最近の研究でわかりました。

脂肪細胞が酢酸を感知すると血流にある脂肪の取り込みを止め脂肪の蓄積を抑制します。

2.短鎖脂肪酸(酪酸)
短鎖脂肪酸の酪酸も血流にのって全身に運ばれると、酪酸は交感神経が感知して心拍数や体温上昇など「基礎代謝」に作用して消費カロリーを増やします。

このように整腸剤と食物繊維を摂取することで「脂肪蓄積の抑制」と「基礎代謝の上昇」と2つの作用が働くことがわかりましたが、問題は短鎖脂肪酸が産生される環境、腸内環境にあります

最後はやっぱり腸内環境

肥満の人は短鎖脂肪酸が少ないとの報告があるのでダイエットに短鎖脂肪酸は有効です。問題は短鎖脂肪酸が産生される環境、腸内環境にあります。

・規則正しい生活
・十分な睡眠時間
・糖質や脂質を摂り過ぎないバランスの良い食生活
・有酸素運動や筋トレなどの適度な運動

これらはダイエットに欠かせない習慣ですが、同時に腸内環境が整う、短鎖脂肪酸を産生する環境づくりにもなります。

ダイエットは続けることが重要です。いきなり詰め込んで無理するよりも、まずはダイエットの障害となる最初の壁を乗り越えることを目指しましょう。

大変なのは最初の壁だけで、それを乗り越えれば壁はどんどん低くなり乗り越えやすくなっていきます。

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