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上の質が落ちると下の質も落ちる。残念な連鎖を断ち切るには?

日本のビジネスパーソンが劣化してるというのは周知の事実のようになってるが、これ、かなり根が深い気がする。
というのはビジネス社会や組織というのは、なんだかんだ言いながら徒弟制度のようなところもあり、『上』にロールモデルが居ないと劣化の連鎖に歯止めがかからなくなるからだ。

社会人で経験する最初の会社や職場がその後の仕事人生を決めてしまうというのは良く言われる話だ。最初の会社や職場によって「仕事や社会とはこういうもの!」という刷り込みが与えられてしまい、仕事についてのスタンスや行動規範も短期に醸成されてしまうからだ。
ということは『ダメ上司ばかりの下ではダメ部下が量産される』という悲劇的な負の連鎖が生まれる。ブラック企業ではブラック社員や無気力社員が醸成される…そんなことが多発してくる。

もう一つは若手のロールモデルになる優秀な中堅層が居たとしても、その人たちが大量に新卒採用するような大企業ではなくてスタートアップの経営者やマネージャーだったりするというのも、若手育成上はちょっとマイナスだろう。
新卒でスタートアップに入社する人はさほど多くない。これだけイノベーションブーム、起業ブームに沸いていても未だに新卒採用はオールドエコノミー(?)型の大企業の天下だ。

大企業は確かに新人研修体制は充実しているだろう。しかし彼らの上司になる若手ミドルはまさに「大企業人」だ。かつて優秀だった人は沢山いるだとうが、ニッポン大企業に染まって翼をもがれ、ムラ社会に適応した調整型の人が溢れている。その環境に多くの新卒が吸い込まれていってしまっているという恐怖。

この日本社会の負の連鎖を断ち切るには、やっぱり社会構造を変えるしかないと思う。どう変えるか?
ヒントは今進展している副業許容制度にある気がしている。
その発展形として……新卒から一社に就職して身も心もささげるやり方から、「複数事業団体・企業への同時帰属」へシフトさせるしかないのではないか?

例えば大企業とスタートアップ企業への二社同時所属&ワークシェアリングが制度的に一般化すれば、
大企業でビジネスマナーや規範を身に着けつつ、スタートアップで自分のロールモデルとなるアグレッシブなマネージャーや優秀な起業家と接することができる。
これは企業側にも実はかなりのメリットをもたらす気がする。
●スタートアップはベーシックな研修とかに期間もお金もかけられない。また何もできない新卒に高額の給与は払えない。
●反対に大企業は前述した通り、アグレッシブでビジネスハッキング型の人材が居ない。

これらを相互補完することができるからだ。

日本のビジネス社会を活性化するために
今すぐ検討すべきテーマだと思う。