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第7講 論説で意識すること①~キーワード~


キーワードはどこだ?


どうも皆さん。
田中(国語の先生)です。
本日は「論説で意識すること①~キーワード~」ということで、キーワードについてお話していきたいと思います。
そもそもキーワードって何でしょう?
キーワードとは読んで字のごとく、
「キー(鍵)」+「ワード(言葉)」ですね。
つまり、「文章を読み解く上で鍵となる(重要な)言葉」です。
キーワードは筆者が自身の主張を伝える時などに用いる言葉であるため、キーワードを見つけられると主張を見つけやすくなります。
主張が見つけやすいということは、本文の内容が理解しやすくなるということでもあるので、見つけ方をしっかりと覚えておきましょう。
キーワードの見つけ方で覚えておいてほしいのは大きく分けると2つです。
それが、
A:覚えるべきキーワード
B:文章中で見つけるキーワード

の二つになります。

それぞれ詳しく見ていきましょう


A:覚えるべきキーワード


「えっ!?キーワードって覚えなきゃダメなんですか?」という声が聞こえてきそうですが、一部のキーワードは後日お話しするテーマと合わせて覚えておかなければなりません。
なぜ、覚える必要があるかというと、ある程度パターン化しているため、知っていると非常に文章が読みやすくなります。
一例をあげると以下のようになります。


覚えるべきキーワード一例

あくまで上記したものは一例ですので本当はもっと多くあります。
それぞれのテーマに対応したキーワードはテーマのパターンをお話ししているときに改めてお伝えできればと考えています。
なぜ、上記のような分類がされているのかはまた後日。

B-①文章中で見つける<定義>


よく、塾の授業などで「キーワードは繰り返し出てくる言葉です。」なんて指導されている方がいらっしゃいます。
それは間違えではないのですが、それ以外の文章中での探し方を伝えていない場合がほとんどです。
本人は伝えているつもりなのかもしれませんが、生徒に正しく伝わっているのかは疑問が残るところです。
話を戻しまして、文章中での見つけ方ですがこちらは①~③まであります。一つずつ見ていきましょう。
まず、一つ目の「定義」です。
定義とは、「言葉で明確に限定すること。」です。つまり、他の言葉と違って重要な役割を持つため、読者にきちんと伝えておく必要がある言葉ですね。
ということはキーワードになる可能性が非常に高いです。
では、どうやって定義しているかというと、こちらもパターンがあるので、以下の画像をご覧ください。


定義のパターン

説明的文章を読んでいるとよく見かける形だと思います。

Aの部分にくる言葉を、「AはB」と言わずに、「Aとは、B」と説明しています。
たった一文字増えるだけで、Aの重要度が増します。
また、Bの部分はAを定義しているので、Aの説明が入ります。
実は、この二つは非常に解答に絡んでくる可能性が高いです。
よく見かけるけど、スルーしていたというのであれば、今後はきちんと押さえるようにしておきましょう。

B―②文章中で見つける<強調>


2つ目は強調です。
よく「大事なので、2回言いました。」という言葉を使う方がいますが、これがまさに強調です。
①でも書きましたが、繰り返し使われているのは強調です。
また、定義の画像にもありますが、「こそ」を使った場合も強調になります。
ただし、繰り返し使われる場合は最初に出てきた時と「完全に同じ言葉」というわけではなく、ある程度言い換えられえている場合もありますので注意です。
同じ言葉を繰り返しているのではなく、「同じ意味の言葉を形を変えて複数回使っている」という風に考えておくとよいでしょう。
言い換えられていて、形が変わっている場合は、横に「=〇〇」という形でメモ書きしておくと間違えが少ないです。
もしくは線で結んでおきましょう

B-③文章中で見つける<「」がついている>


物語文などではよく見られる「」。これがついていると「会話文だ!」とすぐにわかります。
ですが、説明的文章で「」があった場合はどういう意味があるのでしょうか。
「」(<〇〇>や―〇〇―なども含む)の役割は大きく分けて3つです。
・いつも(辞書的な意味)と意味が違う
・強調
・引用

の3つです。

いつもと意味が違うというのは、文章中では本来の辞書的な意味ではなく、特殊な使い方をしているということになります。
次に強調ですが、これは「」を付けることで、言葉そのものに注目させるという意図があります。注目させたいのはその言葉を強調したいからですね。わざわざ強調するほどの言葉ということは、キーワードである可能性が非常に高いです。
必ずチェックするようにしましょう。
三つ目の引用ですが、説明的文章では、しばしば他人の意見を引用(使用している)ことがあります。何のためでしょうか。
それは、自分の意見の補強のためです。
引用される意見は
・主張と反対
・主張と同じ

のどちらかになります。
反対の場合の引用は、大半が一般論です。対比させることで自分の意見を目出させよう、正当性を主張しようとしているのですね。
逆に、同じ場合は、「他の人も自分と同じこと言っているから、自分が正しいんだ」というような「みんな言っている」理論ですね。
というように「」にも色々と役割がありますが、今回は特にキーワードという点でのお話になります。

さて以上でキーワードのお話は終わりになるのですが、繰り返し出てくる言葉だけがキーワードではないことがわかっていただけたかと思います。
ぜひとも読解の際の助力としていただければ幸いです。
次回も説明的文章についてお話していきます。

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