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見えにくくなった未来

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。

昨日は、「第1章まとめ―「関係人口の創出は人口減少を救うのか?」」というお話をしました。

今日からは、第2章ということで、主にビジネスパーソンのみなさんに向けたお話をしていきます。今日は「見えにくくなった未来」というお話です。

音声はこちらです。

人口減少社会における「働く」の登場人物

第1章では、人口減少によって起こるこれからの問題についてお話をしてきました。それは、特に地方で最初に現れてきますが、人口減少によって働き手がいなくなります。ですから、地域の企業が人材不足になります。

この「働く」っていうことを考えた時に、企業も当事者のひとつですが、もうひとり、登場人物がいます。それは「働く人」です。

ですから、少子高齢化問題、労働供給制約社会を考えていく上では、「企業」と、そこで働く「人」の、2つを考えていく必要があります。

第2章では、働く人の現状と、その課題について触れていきます。いま、さまざまな会社で起こっていること……会社というのは、会社そのものもそうですし、働く一人ひとり……つまり、わたしたちビジネスパーソン一人ひとりに起こっていることについて、お話をしていきたいと思います。

以前と比べて「働き方は変わったか?」

僕が社会人になったのは18歳です。いま、53歳ですから35年前ですね。

働き方は、変わったと言えば変わったような気がします。

たとえば、パワハラ・モラハラ的なことは、いまの方が断然厳しいですよね。SNSでちょっとでも失言すれば炎上してしまうような感じです。

以前は、そういったことはそれほどありませんでした。そういう意味では、社会は変わったかもしれません。

ですが、働き方自体が「大きく変わったか?と言われると、そんなに変わっていないような気もします。確かにパワハラ・モラハラみたいなものは、法律が変わったこともあって少なくなったし、コロナ禍によって、働く環境は若干変わったかもしれません。

でも、学生から社会人になり、そして、会社で働き、65歳ぐらいまで勤め上げて、定年……という大きな流れは、それほど変わってないような気もします。

一般的な「人生のストーリー」が描きにくくなった

僕が、社会人になった時は、バブルがちょうど崩壊したぐらいでした。それまでは、世の中は右肩上がりで「未来は良くなる」みたいな感じがありました。

バブルが崩壊してから「失われた30年」みたいに言われていますが、その間、経済は低迷したままです。日本の経済力について、海外と比較すると、よく「給与は上がってない」と言われています。そういう意味では、経済は「変わっていない」と言えば、変わってないのかもしれません。

でも、豊かさに対する認識は、変わったといえば変わったのでしょう。

その中でも、明らかに変わったことがあるとするならば、以前といまでは「未来が見えにくくなった」というのはあると思います。

以前だったら、多くの人が、20台前後で会社に入って、60~65歳ぐらいで、つまり、定年まで働く。あとは、退職金と年金をもらって、人生を終える……というのが、一般的な人生のストーリーでした。

特に、右肩上がりの時代は、働いていれば役職が次第に上がっていって、役職を終えれば定年を迎えて、会社を去る……みたいな。人生とは、だいたい「こういうものだ」というか、「こうすれば、こうなります」というのが、なんとなく描けましたし、描きやすかったと思います。

ですが、現代は「VUCAの時代」などと言われます。VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取ったものです。「将来の予測が困難な時代」などと言われています。

そう考えると、働き方はあまり変わってはいないけども、労働環境は、結構変わってきたと言ってもいいかもしれません。

いままでより長く生きるようになった

あともうひとつ、変わったことがあるとしたら「人生100年時代」がありますね。

それまでは、人生は長くても80年ぐらいのイメージでした。そのために、多くの人は65歳くらいまで働いて、あとは、年金と退職金で生活していけば「定年後も十分生きられますよ」という感じでした。

でも、「人生100年」となると、単純に、いままでより20年長く生きることになります。

そうなると、「お金、大丈夫かな?」とか、会社を65歳で退職したら、あと35年。お金ではない部分で「どう生きるのか?」みたいな未来が、見えにくくなってきました。

そのために、以前と比べると、未来に対して不安を抱いてる方も多いんじゃないかなと思うわけです。つまり、キャリアの不安ですよね。

キャリアとは「過去→現在→未来」

ちなみに、キャリアの語源を辞書で引いてみると、馬車の轍(わだち)らしいですね。轍とは、車の轍がそうであるように、これまで歩んできた道のこと。つまり、過去です。

一方で、いま「キャリア」という言葉の中には、過去の経験も含まれますが、過去だけではなく、現在や未来も含まれます。「キャリアデザイン」とか、「これからのキャリア」とか。

先行きがよく見えない社会の中で、どんなキャリアを歩んでいけばいいのか?……そんな不安感を抱いていらっしゃる方が、とても多いんじゃないかなと思います。

ネットとか調べると、「VUCA時代を生き抜くためには、〇〇をしましょう」なんて書かれていますが、ぶっちゃけ、それがわかれば苦労しないですよね。それが実際だと思います。

というわけで、今日は「見えにくくなった未来」についてお話しました。

今日の話はこれで終わりにします。

次の記事:「人生100年時代。LIFEはSHIFTしたけれど」―ロールモデルなき社会

#創作大賞2024 #ビジネス部門

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