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#289 キャリア安全性・主体性を深堀る17ー自律と「編集力」

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織づくり、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点で、ゆるゆるとお話をしている番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


キャリア安全性・主体性の話をしています

いま、キャリア安全性・主体性の話をしております。その中で「3つの資本」が大切なんじゃないかな? ということで、「人的資本」「金融資本」「社会資本」についてお話ししておりまして、いま、人的資本についてお話をしています。

人的資本は言い換えるとスキルですが、いままで、大切なこととして4つ挙げていまして、1つ目が「コミュニケーション能力」、2つ目が「発信力・言語化力」、3つ目が「サクッとやれる力」、4つ目が「企画力」。

以上の4つを挙げていたんですけれども、もう1つ、お話をしている中で思いついたので、今日は5つ目として「編集力」というのを加えて、お話します。

もっとも、5つだけじゃないとは、思いますけどね。

編集力とは?

編集力を一言で言うと……難しいな(笑)

編集力を一言で言えば、さまざまな事象や事柄、情報の中から、ある、大切なポイントを見出して、その、大切なポイントに沿って、いろんな事象や事柄、情報の中から「筋道を立てて説明する能力」とか、「見せる能力」……といったことになるんじゃないかなと思います。

うまく説明できているかどうかは、わからないのですが。

「編集」という仕事でもっともわかりやすいのは「編集者」

編集力を説明する上で、具体的な「編集」という仕事とは何だ? という話をした時に、よく、出版業界やWeb業界で「編集者」とよばれる仕事があるじゃないですか。つまり、文章に関する仕事ですよね。

編集者の人たちが、どんな仕事をしているかというと……

たとえば、ある「文章を書く人」がいたとしますよね。

その人に、何らかの文章を書いてもらおうと思ったときに、いまの、世の中の時流的に「必要なのはこういう情報じゃないか」といった、その時々の時流をよんだり。

あとは、文章を書く人が、さまざまな主張がある時に、主張の筋道が通りやすいように、主張の中から「つまり、言いたいことは〇〇だな」を焦点を絞って、必要な情報を選りすぐって並べたり、不要な情報はあえて削除したり。

そうすることによって、「この文章で言いたいことは、これだな」ということを、分かりやすく組み替えるとか、並べ替えるとか、整理するとか。そういった仕事が「編集する」という仕事です。

あらゆる仕事の中で行われている「編集」

いま、ひとつのたとえ話として、文章の編集者の話をしましたが、実はこれ、ビジネスの中では、あらゆるところで行われています。

たとえば、僕は地方で、地域のこれからや、人がどんどん減っていって衰退していくであろう地域を、今後どうしていくべきか? という取り組みをしたり、ワーケーションみたいな、一般的には、やや理解しにくい取り組みをしています。

つまり、さまざまな問題や分かりにくい取り組みに対して、「それって何なの?」と。「何でやる必要があるの?」といったことをよく言われます。

そのような、周囲からみると分かりづらい事象や状況に対して「いま、こういう問題が起こっていますよ」と分かりやすく提示したり、「いま、大切なことはこういうことですよ」のように、いろんな情報の中から、必要な情報をピックアップして、「これはいる」「これはいらない」みたいに、必要な情報に焦点を当て、不要な情報は削ぎ落として、分かりやすく見せ、伝える。そういったことが編集力ということです。

分かりにくいものを分かりやすく、ストーリーを作り……というか、並べて、分かりにくいもの分かりやすく伝える。分かりやすく組む。そして、多くの人を巻き込んでいく……みたいなことが編集力とした場合、この、編集力によって、見えないもの、分かりにくいものを分かりやすく見えるようにし、筋道を立てて伝えるということは、結構重要な能力なんじゃないかな、と思います。

企業の中で「編集力」を身に付けるために

じゃあ、こうした能力を、企業の中で高めるためには「どうしたらいいのかな?」と思うんです。

1つ、わかりやすい例とすれば、やっぱり編集者とよばれる人たちの仕事は、もっとも分かりやすい。

編集者の仕事は、「文章を分かりやすく整理する」というのが、最もわかりやすい仕事だとするならば、誰かの書いた文章を客観的な視点でみて、「分かりやすい/分かりにくい」みたいなところを添削する……みたいな仕事をすると、編集力は身につきます。

あとは、プレゼンテーションとかでもいいですよ。誰かが作ったプレゼンのスライドを読んでいく中で、「ここ、なんか話がずれてないか?」と。「ここは、むしろない方が分かりやすいんじゃないか?」というような筋道をたてたり。

逆に、「ここは、情報が不足していて、一般的な人には分かりづらいんじゃないか」みたいに、スライドを作った当事者に伝えてみる、とかね。こういったことでも、編集力を高めることができます。

あとは……そうだな。たとえば、ミーティングをしている時に、よく、本来の主題から話がずれたりすることってありますよね。そういった時に、「今日のミーティングの目的は何か?」ということを照らし合わせて、「いま、ちょっと話がずれていませんか?」のように引き戻したり、提案したりすることも、ある意味、編集力だと思います。

そう考えてみると、編集力を高められるシーンは、業務の中でいくつかあるなあと思いますね。

あとは、自分の上司に「今後、こういった取り組みが必要だと思う」みたいなことを提案する際、単に「これ、やりたいんです」だけじゃなくて、「いま、こういう状況が現実としてある」「理想的な状態はこうだ」「理想と現実のギャップを埋めるためには、〇〇が必要なんじゃないか」といった主張を、筋道を立てて整理したり、伝えたりする。

これも、編集力があってこそだと思います。

編集力があると、世の中の課題が見えたり、雑多な情報の中から「いま、やるべきことはこれだ」と主張したり、提示したりすることができるようになります。

編集力が身に付いた否かは、主観的な話かもしれません。でも「あの人の説明は分かりやすい」みたいなことが、「編集力が身についた」と言える状態ではないかと思います。

というわけで、今日は人的資本における「編集力」についてお話をしてみました。じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

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編集の仕事

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