「奪い合い」から「共創」へ
竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。
いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。
昨日は、「「成熟した社会で働く」ということ」という話でした。
今日は、「「奪い合い」から「共創」へ」というお話をしてみたいと思います。
音声はこちらです。
地域の取り組みをするようになって思ったこと
僕が地域に関する仕事をするようになったのは、明確には2019年ぐらいだと思います。もう少しさかのぼると、2016年ぐらいからになりますが、2016 年ぐらいの時は、個人的に勝手にやっていただけで、それが周囲に影響を与えているわけでもなければ、事業として何かをやってるわけではない、という状況でした。
「何かをやっていた」と言えば、やっていたんでしょうけど、周囲から認識されるようになったのは、2019年~2020年だと思います。
地域に関する取り組みについて、以前から思っていたことがあります。地域の取り組みをするようになって、ますます思うようになりました。それは……
「特別な地域だけが盛り上がっていて、それ以外の地域はそうでもない」という状況が、あまり美しくないと思っていました。
日本には47の都道府県があります。その中には1718の市区町村があるそうです。
地域活性化のような取り組みは、活発なところは、著名な取り組みをしているところや、一部の有能な方がいて様々な取り組みが行われているところ。あるいは、観光資源が豊富なところが秀でているところになっています。
もちろん、様々な地域があると思います。ですが、ある地域だけが盛り上がっていれば、それでいいのか? 特定の優れた人がいるところだけ繁盛すれば、それでいいのか?
僕個人的には、このようには、あまり思えないタイプです。
ひとつの成功体験を横展開すれば、うまくいくのか?
地域の仕事をするようになって、よく耳にすることがあります。それは、どこかで、何かひとつの成功体験を作って、それを横展開すれば、地域は活性化するのではないか? という話です。
そもそも、地域というんは、その地域、その地域で特色も違えば、そこにある素材も違います。そのために、単に横展開すればうまくいくのか? というと、そうでもないのではないかと思っています。
結局、同じものが量産されたら、どこに行っても同じになってしまうから、どこも栄えない。どこもうまくいかない……みたいな感じになっちゃうんだろうな、と。
というより、どこに行っても同じだったら、そこに行こうとはあまり思わないですよね。
なので、もしも理想的な姿があるとしたら、それぞれの地域が、それぞれの地域でさまざまな取り組みが行われていて、「あの地域に行くと、こういうことがあるから面白いよね」とか、「この地域に行くと、こんな素敵な人たちがいるから面白いな」とか、このような形になっていくのが、本当の理想といえば理想なのかもしれないなと思っています。
ただ、現実問題はなかなかそうもいかないというのが現実なのでしょう。
すべての人が、意識が高いわけでもない
また、すべての人が「〇〇に変えていこう!」とか、あるいは「いまの課題はこれだよね」みたいなことを、そこに住んでいる人たちのすべてがそう思っているわけではありません。
なので「地域のみんなで活動する」という状況になること自体が難しい……というのが、実際のところなんだろうなと思います。
ただ、僕はどこかひとつだけの地域がひとり勝ちをしていたり、あるいはその逆で、「多くの地域がまったく何もしていない」という状況が、あまりよくないなと思っていて。
それぞれの地域が、それぞれの強みを生かした形で、「あの地域はこうだけど、この地域はこうだよね」……みたいな感じが、おそらく理想なんだろうなと思っています。
「競争」から「協創」「共創」へ
もともと僕は、競争があまり好きではないんですよね。どこかでひとり勝ちみたいな形も、あまり好きではありません。
それぞれの地域で共に協力し合い、何かを変え始める。もちろん、すべてを変えることはできませんが、共創の状況が作られていることが、現時点ではもっとも理想的な姿なんだろうと思います。
競い合う「競争」ではなく、協力しながら共に作っていく。そういう意味では「協創」や「共創」という状況が理想的な姿なんだろうなと思います。
こうした形をすべて実現するのは無理だとしても、少なからず「どこかが独り勝ち」という状況だったり、「どこかだけ奪い合っている」という状況よりは、「共に創りあっていくこと」が重要なんだろうなと思います。
どうすれば、それが実現するのかは、現時点の僕には、まだわかりません。ですが、少なからず同じ理想を描いたり、同じ気持ちを抱いている人たち同士が横で繋がり合う。このような状況は作られているはじめているんじゃないか? という気はしています。少なからず僕の周囲では、この本でお話している人口減少やキャリア自律に関する課題感を持っている人たちがつながりあっている。そんな実感があります。
今日の話はこれで終わりにします。
次の記事:何かあったときに「助け合える社会」
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