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「誰でもできることを、誰にもできなくらいやる」2022年7月29日

自称「身につまされた女」神垣です。

“職人”気質が陥りやすい落とし穴とは・・・


八天堂の「くりーむパン」をご存じですか?

広島県三原市で創業した八天堂が開発した
パンというより限りなくスイーツに近い
「くりーむパン」。

地元、三原のかたはもちろん
広島でもよく知られる商品ですが
大阪や東京で食べたことがあるかたも多いはず。

むしろ、広島県外のかたは広島発祥とは知らず、
おいしいユニークなクリームパンとして
買って食べたことがあるというケースがほとんどではないでしょうか。

今日、紹介するのは
あの「くりーむパン」八天堂の代表
森光孝雅さんの著書
『人生、今日が始まり「良い品、良い人、良い会社つくり」への挑戦』
です。

地元で三代続く和洋菓子店をパン屋に切り替え、
目新しいパンを次々と売り出し人気に。
店舗を増やし、順風満帆に見えた経営は
やがて行き詰まり、債務超過へ。

そこから再起をかけて「くりーむパン」を開発し
広島空港近くに新工場を稼働させるまでに成長する
「物語」が綴られています。

わたしが興味深く読んだのは
「くりーむパン」がヒットしてからの成功物語より
「くりーむパン」開発に至るまでの紆余曲折の挫折失敗談でした。

パン職人として修業をし
自信をもってパン店を切りもりしてきた森光さんの姿は
書くことが好きでそれを仕事にし、フリーランスとして独立した
自分の姿に重なるのです。

でも、「好き」「面白い」だけを優先していると
行き詰まる時が必ず来ます。
その時の壁をどう乗り越えるか……
この点は経営者もフリーランスの個人も同じ
という気がしました。


本書を読んで、思わず赤線を引いた言葉が
「誰でもできることを、誰にもできなくらいやる」

1万個におよぶ奇をてらった新しいパン作りで得た栄光と挫折を体験し、
「くりーむパン」にたどりついた森光さんの足取りを
そのまま象徴している言葉として心に残りました。


そしてもう一つ。
「くりーむパン」八天堂として成功をおさめてから改
めて森光さんが会社の信条(クレド)として掲げた
八天堂は社員のために 
 お品はお客様のために 
 利益は未来のために

も印象的でした。

信条とか理念は、会社だけののものではなく
わたしのような個人で仕事をする者にも
「何のために仕事をするのか」
を向かうべき方向を見失わないために重要かつ必要。

2017年の刊行で、増刷はされてないようですが
個人的にいろいろ考えさせられた本でした。

自分の失敗を素直に綴っている
森光さんの姿勢にも好感を持ちました。

森光 孝雅 著『人生、今日が始まり「良い品、良い人、良い会社つくり」への挑戦』

(2022年7月29日 VOL.4076 配信 メールマガジン あとがきより)



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