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大人になって分かること 「向田邦子全集〈1〉小説1 思い出トランプ 」2011年4月8日

 おはようございます。自称「ため息をつく女」神垣です。

 最初に読んだのは

 確か、18か19の頃でした。

 向田邦子さんの小説を読んだのは
 短大に入学してから…
 だったと思うので
 20歳前。

 当時は文庫の 「思い出トランプ」を
 読んだはずなのですが
 20年以上経って読み返してみて
 覚えてないものも多くあります。

 でも、今でも強烈に覚えているのが
 「大根の月」
 という作品。

 わが子の指がモチーフになっていて
 若いころ読んで、ショックを受けたのですが
 親になった今読めば、リアルに怖くなるのが分かるので
 この作品だけは読み飛ばしました。

 あとは、ぼんやり記憶に残っている作品もあれば
 さっぱり忘れているものも…。

 でも、45歳の今だから
 理解でき、深く味わえる作品ばかりで
 短編を一つ読み終えるたび、ため息が出ました。

 10代の小娘の頃には分からなかった
 “大人の世界”が
 あるんですよねぇ、向田作品には。

 でも、同じ短編集の中では
 後に発表される「隣の女」や「男どき女めどき」より
 この「思い出トランプ」が私は好きです。

 よく切れる包丁みたいに
 スパッと心の機微や裏側を切り開いて
 しまう向田さん。

 そこには、向田さんが秘め続けた恋の経験が
 反映されている気がしてなりません。

 そう思いながら読むから
 よけい味わい深いんでしょうね。


 向田 邦子 著「向田邦子全集〈1〉小説1 思い出トランプ 」

個人的には「だらだら坂」「三枚肉」が好きだなぁ…

#読書感想文

(VOL.1468 2011年4月8日配信 メールマガジン あとがきより)


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