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このセリフ、いいな⑧

「俺は、ずっと俺でしかないのに」
(昔話法廷『"桃太郎"裁判』より)

裁判も佳境に入り、いよいよ被告人・桃太郎へ
弁護人からの質問。
「村の人たちのために鬼退治をした」と言う桃太郎。
その後、検察側からの質問の段になり、確信をついた質問を桃太郎は投げかけられます。

「よかった、気づいてくれて」

ただ笑いたかった、と桃太郎。

不可解な顔をする検事。

そこからの、桃太郎演じる仲野太賀さんの演技が
すばらしかった。
涙無くして見られませんでした。

ずっと差別と戦っていた桃太郎。
ころころ変わる人々に振り回され、
傷ついてきました。

「普段は鬼を見下してるくせに、いざ『鬼が来るぞー』て言ったら案の定ビビりまくって」

「俺のことも鬼じゃねーか、てムシしまくってたくせに『退治したぞー』て言ったらコロッと手のひら返して、『村の誇りだー』『英雄だー』て。こないだまで、出てけって言ってたのにさぁ」

「俺は、ずっと俺でしかないのに」
涙を流す桃太郎。

「ほんと、マジでさぁ、、アホなんじゃねーの、あんたら!」
傍聴席にぶつけます。
苦しい。わたしも泣けました。

深い。

人がなんてことなしに呟いた一言が、
多勢になり、いつのまにかそれが本当のことのように、大多数の意見かのように飛び交う。

何が正しいとか、正しくないとか、自分の頭で考えず、ただ振り回されて右往左往。

今の、世の中を、本当にズバリと言い当てているセリフばかりで、心に突き刺さりました。

自分の視点を持ち、自分の「答え」を常に持っていようと、強く思わされました。

・・・にしても、この番組。
役者揃いでびっくりです。
桃太郎役の仲野太賀さんもそうですが、
弁護人の佐藤浩一さん、検察官の天海祐希さん、
鬼役の仲里依紗さん、、
お金かかってるなぁ、さすがEテレ





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