第1章―ルワンダのジェノサイド

 ここではルワンダのジェノサイドがなぜ起こり、その後のルワンダはどうなっていったかについてお話したいと思います。

 1994年、内戦下のルワンダで、多数派フツによる少数派ツチへのジェノサイド(大量虐殺)が起こりました。全土に組織された民兵集団に扇動された住民が銃や農具を手に取って、実に当時の人口の1割にあたる80万人以上が犠牲となりました。

ジェノサイドの犠牲者

教会に避難していたところを殺害された人々の遺体は、ジェノサイドから一年たった後も当時のまま残されていました。

ジェノサイドが行われた教会は、現在は追悼施設として残されている。ジェノサイド当時の血痕が壁に残っている。


 ジェノサイドは3か月でルワンダ愛国戦線(RPF)によって鎮圧され、RPFを中心とした新しい政府ができました。そして新生ルワンダはツチもフツも同じ「ルワンダ人」として生きていこうと、「民族和解」を掲げました。そこにあ、二度とジェノサイドのような悲劇は起こさず、平和を再建しようという考えが根底にあります。
 それから25年がたちました。今でも同じ村で加害者と生存者は生活をしています。過去にわだかまりを抱え、お互いへの不信とおそれを感じながら、その土地で暮らしていかなければならない人々が今もいるのです。
 遺族にしてみれば、加害者とは(罪を償ったとはいえ)会いたくないという人が多いです。一方、元・加害者も、報復を恐れていたり、贖罪の念から、遺族と会うのをためらう人が多い・・・。ルワンダは、「民族和解」を掲げながら、現実にはこのような状況にあります。

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