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島耕作ばりに平社員から社長へ、そして会社を上場させるまで①

知人に、「リアル島耕作」と表現されたことがあります。笑

私が社長を務める株式会社テンダ(以下 テンダ)が本日(2021年6月10日)念願の上場を果たしました。せっかくの機会なので、ここまできた思考回路や、今まで周囲から投げられていた疑問を一つずつ詳らかにしていきたいと思います。


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いや、誰かの役に立つかも・・・と思って。

初回は序文のようなものですが、お付き合いください。


私、中村繁貴への「よくある質問」

私はテンダの創業メンバーでもなく、平社員でそのキャリアをスタートしました。20年以上在籍して今、社長という立場で上場を経験しました。

周囲を見回してみると、「案外マイノリティなのだな」と思います。テンダは会長と私で「両代表」という格好をとっていますし、それも珍しいかもしれません。それにこんな質問をよくされます。

① IT業界なのに転職しないのですか?
②引き抜きとかなかったの?
③起業しないの?
④上場した会社の社長になれば?
⑤雇われ社長はメリットないよ?

とか・・・。
そっか。そんな意味でも珍しいのですかね???

そんな気づきもあり、せっかくの機会なのでどんな思考なのかnoteに書いてみることにしました。

質問に答えるまえに、まずはテンダに入るまでの経緯と思考を聞いてやってください。


平凡でマイペース

まずは、簡単な自己紹介から。

停学も受けるようなごく平凡の高校生が、平凡に大学受験をして、4年で卒業します。「いきなり端折りすぎだろ!」と思われるかもしれませんが、本当に平凡です。

気にしたことはないですが、母校は所謂「エフラン」(「Fランク大学」のことで、一般的には偏差値の低い大学を総称する言葉として使われているようです)という位置付けみたいです。これも平凡。

学生時代はバックパッカーとかしながら、心理学と福祉学を専攻していました。

卒業後の進路は一応考えていました。大学院へ行って将来は臨床心理士になるかなぁとか、学士受験して医学部で脳科学を学びたいなとか。専門学校に行って理学療法士になるか・・・どれも学校を1つ挟んでいますね・・・要するに社会人になることから逃げていたのだと思います。

結局進学もせず、すぐに就職もせず、海外に少し行ったりして、浮遊していました。1年ブランクが空いたあと、「何をしたいのか」自問自答してみると・・・

そういえば社会課題に違和感と疑問を抱いていた。

と思い出すことができました。

大学時代、一人暮らし高齢者の実態調査をしている中、「高齢者の孤独死」という現実に触れました。すごく感じたのを覚えています。違和を・・・。この違和感を自分が学んだ心理学や福祉学で解決しよう!・・と、最初は考えていたはずです。


リアル島耕作?

当時はITバブルの波が何度か来ていて、片やワンクリックで世界80億人と繋がれると言われ、しかし目の前では高度経済成長期を支えてくださった人生とビジネスの先輩が誰にも繋がれず、気づかれず孤独死を迎えることもある。

そこに違和感があって、納得がいかなくて。人と人がもっと豊かに繋がり合う世界を創造したいと考えていました。

ITについても実はよく分かっていませんでした。でも、何となく、社会はITの力で精神的にも、経済的にも、もっと豊かになれると信じてIT業界に飛び込みました。

そう。ただ「詳しいことはよくわからないけれど、人と人がもっと繋がり、豊かな社会をITで実現できる!」と信じていただけなのです。2000年のことでした。

心理学では情報処理を少しだけ学びましたが、プログラミングはド素人。
黒い画面に表示される、数字とアルファベットの羅列を見て1日で会社を辞めようと思ったほど、拒否反応が発動してしました。

実際、同期で成績も一番悪かった。

これだけ向いていない世界でここまで来られたのは、

結果を残せたら自信に繋がるだろう。

という謎の負けず嫌い逆転発想があったからです。自分の中でも「3年以内に上位10%に入れる価値を出す」なんて中期計画を立てて、それに向かい努力してみることになります。

長期計画も立てました。「35歳くらいまでに経営に関わろう」というものです。

結果的には2006年、想定より5年ほど早い29歳の終わりに、取締役に就任しました。

その後は、いわゆるCOO(最高執行責任者)、CTO(最高技術責任者)のような立場をしつつ、M&Aや関連会社の社長などを経て、2018年にテンダの代表取締役社長に就任しました。

そして、(大分ショートカットしてしまいましたが)2021年ジャスダック株式上場という運びになります。

はい。一旦、ここまで。

軽くこのような経歴だけ聞くと、「リアル島耕作」となるようです。


現実は漫画のようにカッコよくは過ぎてくれない

でも、あんなに優秀でもないし、大企業でも、素敵なモテイベントもないです。
軽く流してしまいましたが、経営に参画してからは、山あり谷あり、紆余曲折だらけでした。

急に経営の一角になったので、急いで経営学を独学で学びましたが、実務で精一杯でしたし、何よりも未熟な経営者だったのですから、仲間や、お客様、パートナーに大きく迷惑をかけることも多数あって。

苦悩も課題も多い、凡人の私ですから、絶望に打ちひしがれ、多くの失敗や絶望、苦しみからメンタルとフィジカルのバランスを崩したこともあります。

そんな私がここまでやって来られたのは、結局は多かれ少なかれ私に関わってくれたすべての人のお陰です。

今は若い経営者が多いですし、大学在学中から起業をする人、就活せずに起業家を目指す人が大勢います。一部の積極的で能力に溢れた人がいる一方で、漠然とした未来に期待が持てない人も、何をしたらいいのかわからないという人もいるでしょう。

冒頭にある「よくある質問」の答えは、そういった人たちに少しでもヒントになるかもしれないな、とちょっと思っています。

そんなわけで、次回は「よくある質問」の答え合わせをしたいと思います。



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