知ったかぶりニュージーランド<1>
どうもシゲです。
今回はまずは手始めにNZの大まかな特徴から説明していきます。
NZは南半球に位置する南北に伸びた島国で、日本とは季節が真逆です。毎年恒例のサンタパレードという催しでは真夏の12月に明らかにそぐわない衣服を着込んだサンタが街中に現れます。非常に暑そう。
日本からの直線距離はおよそ9000km。直行便に乗ると東京からNZ最大の都市オークランドまで大体11時間前後で到着します。ヨーロッパに到達できる距離ですね。なので大多数の人はせっかく同じ時間をかけるならこっちだよねとヨーロッパを旅先に選びます。悲しきNZ。ちなみにオーストラリアのすぐ真横にあると勘違いされることが頻繁にありますが、実際はタスマン海を挟んで2000km以上離れています。北海道の宗谷岬から鹿児島県の佐多岬までの直線距離より長いです。なのでほぼ砂漠のオーストラリアとは風土がかなり異なります。
地理的に見ると日本との類似点が意外と多いことに気が付きます。NZの国土を構成するのは主に北島・南島の2島で、他にはスチュアート島という大阪より少し小さい面積の島を筆頭に小島が大量にあります。総面積は日本から北海道と四国を抜いたくらいです。オーストラリアプレートと太平洋プレートのぶつかる境界が南島の真下を走っているので地震が多発します。2011年の東北大震災が起こる直前に南島の都市クライストチャーチでも大規模な地震がありました。このプレートの衝突で古代に隆起した陸地が南アルプスと呼ばれる2000~3000m級の山々が連なる山脈を形成しており、まるでヨーロッパの景色のようだと言われます。すぐ下に貼っておきますが、NZの観光業を促進するためのショートフィルムコンペティションで最終選考まで勝ち残った動画ではNZ国内にいるだけで海外のような景色を楽しめるという内容が描かれています。登場人物たちの話す英語がまさにキウイ英語で個人的に耳にとても懐かしいです。題名のSweet Asは有名なNZスラングの1つで日常生活で頻繁に口にします。いいね、ありがとう、どういたしまして、大丈夫などの意味を含んでいるので日本語のすみませんに匹敵する便利さです。ぜひ使ってましょう。
そして日本同様プレートと地震に付き物なのが火山と温泉。プレートの境界から少しだけそれている北島は地震が少ない代わりに広範囲が火山帯で今でも活動中の火山が複数存在します。ロトルアという都市では活発な地熱を生かし温泉や間欠泉が観光資源となっており、温泉地の近くでは硫黄のにおいが漂っています。ここで温泉に浸かると旅行から帰っても腐った卵の怨念が身体と衣服からしばらく消えてくれません。
NZはただでさえ南半球の果てにある上に他の大陸から離れている為に時代を超えて外界から隔絶していた背景があります。そのため独特の生態系が発達しました。入植者がやってくるまで天敵となる哺乳類がほぼ存在せず襲われる心配がないおかげで国鳥のキウイを筆頭にカカポやタカへなど悠々自適と過ごす内に飛行能力を失った鳥類が数多くいます。
動物関連で言及するならもっとも有名なのがヒツジではないでしょうか。オーストラリアとニュージーランドでヒツジの毛刈りの速さをギネス記録で奪うという小競り合いが頻繁にありました。多分今も続いています。よく言われるジョークとして人口よりヒツジの数のほうが多いという物がありますがこれは事実で、NZの総人口は上昇しているものの500万をわずかに超えたばかり※1で日本の一都市である東京の人口の半分にすら及ばないのに対しヒツジの総数は2700万頭を超えます。※2
しかし、ヒツジの数は年々減少傾向にあり以前と比べるとかなり少ないです。統計上最も多かったのは1987年で7000万頭を上回っていました。※2
近年では主に中国向けに牛乳や牛肉の需要が高まりヒツジから牛に転向する畜産農家が増えたことがヒツジの減少している理由だと言われています。数十年後にはNZのイメージが牛に変わっているかもしれません。
農場が多いので緑豊かな印象がありますが実はそうでもないのです。現在、国土に対して森林の占める割合は3割程度です。日本が約7割であることを鑑みるとかなり低いです。ただし日本は森林率の高い上位国なので比較するには分が悪いかもしれません。
10世紀頃の人間が生活する以前は8割以上が森林だったと言われています。13世紀に原住民族のマオリ人がやってくると徐々に減少していき、そして19世紀後半にイギリスなどから入植者が大量に移住すると森林の減少は一気に加速し、現在に至ります。
これでNZの大体の理解をしてもらえたら幸いです。
次回からは個人的な旅行日記と合わせてNZの都市や観光地を紹介していきます。
次の記事↓
※1 https://www.stats.govt.nz/news/new-zealands-population-passes-5-million
※2 https://www.stuff.co.nz/business/farming/116439723/have-ewe-herd-nz-is-down-to-fewer-than-six-sheep-per-person
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