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【太宰治】生誕110周年によせて

 6月19日。
 今日は、桜桃忌です。

 1948年の6月13日、太宰治は愛人の山崎富栄さんとともに東京三鷹市の玉川上水に入水自殺しました。没年38歳。
 しかし、入水後に雨が降ったため、なかなか遺体が上がらず、見つかったのが6日後の6月19日。この日は誕生日でもあったので、「桜桃忌」と名付けられ、太宰を偲ぶ日になりました。  「夏」の季語にもなっています。
 ちなみに、「桜桃忌」の名付け親は太宰と同郷で同い年、直木賞作家の今官一です。太宰晩年の小説『桜桃』にちなんで命名されました。

 そして、今年2019年は、太宰治の生誕110周年。
 太宰の故郷である青森県五所川原市をはじめ、同県弘前市、東京都三鷹市、千葉県船橋市、山梨県甲府市、静岡県沼津市など、太宰ゆかりの地で、様々なイベントが行われています。
 私もつい先日、山梨県立文学館で行われた、特設展「太宰治 生誕110周年ー作家をめぐる物語ー」関連事業の対談「太宰治・著書と資料をめぐって」に参加してきました。

 私は過去に、桜桃忌に合わせて三鷹のゆかりの地めぐりの記事を投稿したりしており、生誕110周年の今年は「人間 太宰治」についての記事を投稿しようと考えていました。

 あまり知られていない太宰の面白いエピソードを探そうと、太宰ゆかりの人たちが執筆した本を手当たり次第に読んでいました。
 そんな中、ふっと思いついたことがあり、急遽予定を変更し、桜桃忌に合わせて記事を投稿することにしました。

きっかけは去年の帰省

 最初のきっかけは、去年のゴールデンウィークに実家の青森県五所川原市に帰省した時のことでした。
 久し振りの帰省だったこと、太宰没後70年だったこともあり、太宰ゆかりの地めぐりをしました。『津軽』に登場する奥谷旅館、小説「津軽」の像記念館、斜陽館、太宰治疎開の家、雲祥寺をめぐり、太宰治「思い出」の蔵を訪れた時のことです。

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 こんな展示がありました。
 徳利です。「津軽正宗」というお酒のもので、太宰が疎開時に五所川原で飲んでいたそうです。
当時は量り売りをしており、この徳利で持ち帰り、この蔵で従姉であるリエや文学好きの若い人と朝まで酒を飲み、語っていたとのこと。
 しかし現在、五所川原市に酒蔵はありません。
蔵の受付の女性にお話を伺うと、建物は現存しないが、「立佞武多の館」のすぐ横あたりに赤レンガの酒蔵があり、そこで造られていたとのこと。復活できたら良いのにね…という話が出たこともあり、「私も飲んでみたいです」と言っていました。
 それを受けての、当時の私のツイートがこちら。

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 知らないことを知り、「へぇ~」という感想と、あったら飲んでみたいなぁ…という思いからのツイートでしたが、当時はこれで終わっていました。

生誕100周年時にあった動き

 太宰生誕110周年に向け、記事執筆を行っている時、ふと「津軽正宗」のことを思い出し、母親に話をすると、こんなブログを見つけたと連絡がありました。

 青森県五所川原市の中心市街地活性化を目指すNPO法人「特定非営利活動法人 おおまち第2集客施設整備推進協議会」のホームページです。
2009年9月24日に「NPOの概要」という記事からはじまっているのですが、同年10月1日に「津軽正宗」というタイトルで下記のようなブログが更新されています。

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 なんと!太宰の生誕100周年だった2009年に、「津軽正宗」を復元しようとする動きがあったとは!
 しかし、この日10月1日の投稿を最後に、ブログの更新は止まっています。
内閣府NPOホームページを確認すると、2017年度の事業報告書等が掲載情報の最後となっています。(2018年7月20日最終更新)
当時、どこまで復元へ向けての動きがあったのか分かりませんし、そもそも不勉強な私は、酒蔵を復興するのに、どれだけの費用や努力、苦労が必要なのか分かりません。
 ただ、来年は太宰治生誕111周年。この時期からの取組み開始で間に合うものなのかすら分かりませんが、復活のタイミングとしては、太宰に対する注目度が高い時期ということもあり、ベストなのではないかと思っています。

情報提供のお願い

 以上、今の段階では、ただの思い付きではありますが、何とか実現することができないか、真剣に考えています。
 復元計画がどこまで進んでいたのか、「津軽正宗」の当時を知っている方はいるのか、酒蔵を造るにはどれくらいの費用・期間がかかるのか…、正直、どこから手を付けて良いのか分からないのですが、何か一つでもご存知の方がいらっしゃれば、ぜひ情報提供をお願いしたいです。
 このような取組みを行うことで、お世話になった地元・青森の活性化に貢献したい!という想いもあります。
 どんな些細なことでも構いません。一緒に太宰が飲んだ酒「津軽正宗」を復活させましょう!情報お待ちしております。

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