APEXにハマった36歳のおじさんが「ゲーマーは仕事ができる」を言語化してみたらこうなった
土曜日にこんにちは。アナグラムのリードヴォーカル?の森です。
この記事は、フィードフォースグループAdvent Calendar2021の11日目です。
昨日はアナグラムの酒豪、中島くんの「シッピーノ、良いとこ、一度はおいでよ。 byアナグラム中島」でした。タイトルに社名2つとご自身の名前を入れてくるあたり、さすがですね。海なし県の埼玉に住む森にとって、窓を開ければ目の前に海が広がるシッピーノさんオフィスは羨ましくて仕方がないです。我が家は窓を開けるとヤオコーが見えます。
さてさて。
この記事の公開は土曜日ということで、36歳男子が休日によくすることと言えば何でしょうか?
そうです。ゲームですね。(強引
今日はゲームのお話です。
36歳男子が20年ぶりにゲームにハマりました
「ゲーマーは仕事ができる」と聞くことがあります。
大学時代に麻雀が強かった友人たちはビジネスの場でも勝ち続けているようで、いまやそれぞれの会社で確固たる地位に就いています。
また、自分のチームの後輩はとあるゲームの国内ランキング上位5%以内に入っているそう。ゲームも仕事も似たような方法で突き詰めており、新卒入社から1年弱で既に自分が教えることはほとんどなくなっています。
そして当社代表は、プロ雀士と対等に戦うレベルです。
「ゲーマーは仕事ができる」の通説はその通りなのだろうなと思っていました。
一方で、僕はゲーマーではありません。
スーパーファミコン&プレイステーションが全盛期だった平成育ちなのでRPG、格ゲー、パズルゲー、マリオカートやスマブラなどなど一通りのゲームに触れてきました。
しかしゲームが上手い友人にはどんなにどんなにどんなに頑張っても勝てず。何度やっても強くならない僕を気づかい、友人が手加減をしてプレイしてくれることが申し訳なかった記憶だけあります。大学時代に友人に誘われて挑戦してみた麻雀は、雀荘に充満するタバコの匂いに耐えられずにギブアップ...
繰り返しますが僕はゲーマーではありません。なのでゲーマーが仕事ができる理由を深く考えることはありませんでした。やっぱり才能の差なのだろうな、と。
・・・
そんな僕はここ1年間ほどの間、とあるゲームにハマっていまして。Apex Legends(エーペックスレジェンズ。以下APEXとしますね)というFPSゲーム(※)です。
(※FPSゲーム...ファーストパーソンシューティングゲームの略。一人称視点で遊ぶシューティングゲームです。慣れないとちょっと酔いそうになるアレです)
このnoteの結論を先にお伝えすると、FPSゲーム超初心者の36歳おじさんがAPEXでそこそこ勝てるようになるまでの過程を通じて「ゲーマーは仕事ができる」の理由を理解するに至ったのだよ、というお話。
で、ちょっとだけ視点を変えてみると、ゲームで勝てるようになる過程は仕事を覚えるまでのソレと同じなんじゃね?と感じたお話です。
まず、結論から言いますね
ゲーマーの人は無限に以下を繰り返しているのだと思いました。
どういうことでしょう?これだけだと抽象的すぎて分かりませんね。では順を追って説明させてください。
最初にAPEXというゲームについて紹介させてください
おじさんの推しゲームをちょっとだけ!ご紹介させてください。
APEXは2019年2月に配信開始された、基本プレイ無料のバトルロイヤル型FPSゲームです。
(参照:https://www.ea.com/ja-jp/games/apex-legends)
3人(コンピュータじゃなく全員が世界中のどこかにいる生身の人間です)×20チームに別れて戦い、最後まで生き残ったチームがチャンピオンになるルール。
2021年現在のAPEX競技人口は世界1億人以上ともいわれていて、配信元である米エレクトリック・アーツ社の2021年3月期の売上は、61億9,000万ドル。
すごいですね。
日本でもAPEX人気は高くて、YouTuberや実況者、プロゲーマーさんたちが参加していたAPEXの大会生配信は、配信スタート直後の視聴者数で15万人以上でした。東京ドームのキャパが約5.6万人らしいので、東京ドーム公演3日分くらいの人がリアタイで生放送を鑑賞していた計算でしょうか。
すごいですよね。
何を以てAPEXで「勝てるようになった」と定義したか?
で。
APEXには、バトル後の獲得ポイントでランキングを競い合う「ランクリーグ」があります。20チームの中で最後まで生き残れば残るほどに多くのポイントがゲットでき、一定期間の間にゲットしたポイント数に応じて7段階のランクで順位付けされる仕組みです。
ランクリーグは、自分の実力と近しい人とマッチする(バトルをする)仕組み。そのため上位ランクに到達すればするほど「こいつは上手い」という客観的な指標となります。ランクの名称は以下の通りです。
(参考:https://game.asahi.com/article/14381028)
なお、ランクリーグに参加している全APEXプレイヤーのうち、ブロンズ~ゴールドランクの割合が全体の50%ほど。プラチナ~プレデターランクの割合が50%ほど。ただしAPEX人口は徐々に増えているので、ゲームのプレイ時期によって多少のバラツキが出ます。
すいません説明が長くなりましたが何が言いたいかというと、僕はこのランクのうち、プラチナランクまで到達できました。全プレイヤーのうち50%をようやく越えた感じ。おじさん、ど初心者から頑張ったと思うんよ。
今回はこのプラチナランクの到達を以て、森はそこそこ勝てるようになった、としてます。
あと余談ですが、当社の社内にはダイヤランク(上位5%)プレイヤーが2人います。冒頭で紹介したチームの後輩がその1人でして、彼らはめちゃくちゃ上手いです。ゲーム中の判断力の高さが異次元レベルでした。
さてAPEXの紹介はこのあたりにして、本題に入ろうと思います。
ゲームと仕事の上達に共通していたことってなんなの?
熟練度によってかなり異なるポイントがあったので、今回は2段階に分けてまとめました。
今回はせっかく楽しいアドベントカレンダー企画なので、仕事に通ずるポイントの語りの具体例は、僕のお仕事である「運用型広告」を覚える過程を例として言語化してみます。
さらに森が淡々と語るだけではちょっとおもしろみに欠けるなと思い、運用型広告の語りについては、当社Slackに時折あらわれて今日の運勢を占ってくれる、グラムくん[bot]にお願いしようと思います。
まぁまぁかよ。
超初心者~初級者まではひたすら数をこなすべし
APEXの超初心者脱却には、以下3つが必要でした。
ルールを理解すること
あらゆるゲームの基本ですが、やっぱりまずはこれが大事でした。
APEXというゲームはどうすれば勝ちなのか?どうすれば負けなのか?武器はどんな性能なのか?サポートアイテムにはどんな効果があるのか?などなど、ゲーム全体のルールを把握すること。
武器の性能を知らずしてゲームに勝てるわけがないですし、広告の仕組みを知らずしてお客さんの支援は難しいですよね。
ただ幸いなことに、APEXのルールを理解する方法は決して難しいことでありませんでした。なぜなら何よりも手っ取り早い解決方法が「とにかく何度もバトルをする」だったので。
と同時に僕は、次の壁にぶち当たったのでした。
操作方法を体で覚えること
何度もバトルをしていると嫌でもルールを覚えます。その後にAPEXに限らずあらゆるFPSゲームで必要となるのが、弾丸を正確に敵に当てる技術を身につけること。FPS用語ではこれを「エイム」と呼ばれます。
まずはルールを覚えてイイ気分になっていた僕は当初、エイム練習などまるで行わず。とにかく何度もバトルをしていました。
しかしながら、FPSとはシビアなゲーム。エイム練習など全くしていない初心者は、当然ながらまっっっっっく敵に勝てない。笑ってしまうくらいに弾が当たりませぬ。
一方で、何度かバトルを繰り返すうちに気づいたことがありまして。
目の前の敵を倒すことはできずながらも、遠い位置からでも敵を目視することはできていたんです。ただ、敵に近づいたをしても弾があたらない。つまり今の自分に足りないのは「近づいた敵にエイムを合わせて弾丸を当てる技術」と理解しました。
そこから僕はゲーム中の時間の使い方を変えました。具体的にはバトルをすることをキッパリとやめて、ゲーム時間の配分を射撃練習に全振りすることに。(APEXには1人でひたすら射撃練習ができるモードがあるのです)。射撃練習モードで「敵を見つける→照準を合わせる→撃つ」を淡々と、ひたすら繰り返すことを続けることを数日間続けました。
するとなんと、次第に弾丸が当たるようになるではないですか!これ、特別なことは一切何もしていません。「エイムの練習」に特化して、ひたすらそこに時間を使っただけです。こうして僕はエイム方法を体で覚え、ようやく敵を倒せるようになったのでした。
エイムも広告運用業務の基礎も、体で身につけておくと後々スムーズなことは多いよなと。あと、練習時間でできないことは本番でもできない可能性が高いです。
極端に言えば、いきなりの危機的状況に陥ったときでも練習時と同じように無意識に体が動くようになるまで、まずは同じ動作を繰り返すことがおすすめです。
飛び級せずに基礎を何度も何度も繰り返すこと
上で挙げた2つのまとめですが、これも本当に本当に重要でした。
APEX初心者を抜けるためには「ルールを覚える」「エイム力を上げる」を、どちらも必ず身につける必要があります。どちらかが欠けても勝つことはできないんです。
苦手な人にとっては本当に苦手でついつい逃げたくなることかもしれないが、飛び級をせずに踏ん張って、まずは徹底的に基礎を身につけること。
これらを超えることでようやく僕はAPEX超初心者(と、運用型広告初心者)を脱却することができたのでした。
このあとの初心者~中級者の過程にも、仕事に活きる考え方がもりもりなんですが、ちょっと長くなってきたので先日食べた超美味しかったお蕎麦の写真をご覧ください。
初心者~中級者は負けない方法を模索する
よくやく超初心者を抜けた矢先に見えてきた世界。それは、それまでの経緯で苦労して身につけたスキルを皆が当然のように持ち合わせている、猛者たちの世界でした。
界隈が変わるとガラッと雰囲気が変わること、あるあるですよね。
僕が初心者~中級者に上がるためには、以下3つの思考が必要でした。
それまでの成功体験を捨てる
APEX中級者たちとマッチするようになると、初心者とのマッチと同じ振る舞いでは全く勝てなくなります。
当然ですね。少しは勝てるようになったとはいえ、僕は基礎中の基礎を身に着けただけ。自分よりゲーム歴が浅い超初心者には勝てども、基礎力+αのレベルにいる人たちには全く歯が立たちません。
さらによろしくなかったことに、バトルに負けるとつい感情的になる自分がいました。
「次のバトルは絶対に勝つ!」と猪突猛進をしては敵に狙い撃ちにされ、ボコボコにされる。完全なる悪循環でした。
グラムくん、いいこと言う。
話をAPEXに戻します。
バトルに負けるたびに感情的になることにも疲れた僕は一度立ち止まり、それまでの成功体験を捨てることにします。
事実として今の自分は周囲の人たちに勝てません。つまり、どこかに勝てない理由があるなと思ったのです。
自分が負けた動画を見て、負けた理由と正面から向き合う
対策として取り入れたことは、自分が負けたバトルの動画の録画を振り返ることでした(※PS4にはゲームを録画する機能があるのでその機能を使いました)。
目的は、自分の理想と現実の差を客観的に理解すること。頭の中では理想通りに動けているつもりでも、実際の画面上ではできていないことって、実は多々あるのです。
ちなみにこの方法は、社内のAPEX強者の後輩に教わったことをそのまま実行したものでした。
結果、ものっっっすごく重要なことに気づきまして。
負けるときのバトルで僕は、1対2、もしくは1対3の状況で、複数の敵から狙い撃ちをされていたのでした。そりゃあ負けるでしょう。
では逆に2対1、3対1で自分に有利な状況を作るには、どうすればよいでしょう?
味方と連携をとる
偶然ではなく狙って2対1、3対1の状況をつくるために、僕は味方の攻撃のサポート役に徹することにしました。
APEXは3人で1チームを組むゲーム。効率よく敵チームに勝つためのコツを、言葉を選ばずに表現すると、複数人で1人の敵をリンチする座組みを作ることが大事になるんです。1on1がどんなに上手いプレイヤーでも、3対1の場面では物量で撃ち負けてしまうんですね。
一方で前提として、僕自身はそこまで1対1バトルが得意ではありません。なので僕が味方より先に攻め込んでも勝てる見込みは低い点がボトルネックでした。
ではその条件下でより勝率を高めるためにはどうすべきか?考えたことは自分が攻め入るのではなく、味方が敵に攻撃をするタイミングを見計らって、徹底的に味方のサポートに入ることでした。
APEXはチーム戦。1人で勝つのではなく、3人で協力して勝つ方法を模索するゲームです。これなら高い確率で味方複数人×敵1人の状況を作ることができるのですね。
1人で実現できることには限界があるけれども、チームで協力すれば、実現できることは何倍も多くなる。それはゲームでも現実世界でも同じなのではなかろうかなと感じた経験でした。
そろそろ話をまとめます
僕は1年かけてようやく中級到達レベルでしたが、世のゲーマーの方々はこの何倍もの速さでPDCAを回すことで、超速でゲームも仕事を極めていかれるのだろうなと感じた経験でした。
ゲームも仕事もある程度のルールと仕組みは決まっていますし、じゃあそこで勝つにはどうするか?といえば、仕組みに組み込まれていない、唯一の変数とも言える自分自身が変わるしかないんですよね。
上手くいかないときには過去の成功体験を捨てて自分を客観視して、もっと上を狙っていく必要がある。ゲーム上達の過程は自分との向き合いと変化の連続で、ゲーマーと呼ばれる方々の強さの本質は、自分の成果を客観的に向き合い続けられる姿勢にあるのかなと思いました。
そういえば、昨日の中島くんのnoteでもマインドフルネスに言及されていましたね。御徒町から湘南への通勤もマインドフルネス。APEXもまた、マインドフルネスなのかもしれません。
僕からお伝えしたかったことは以上です。長文にお付き合いいただきありがとうございました!
さて!明日のアドベントカレンダーご担当は、ゲームが上手いどころかご自身でゲームをゼロから作られていそう(妄想)な、アナグラムの田中さんです。
楽しみですね!
~追記①~
2022年3月4日
ダルビッシュさんがフォートナイトについて語られたインタビュー記事があったので追記。
ダルビッシュが語る、心身の不調を『フォートナイト』に救われた話──『フォートナイト』は1日の終わりにひと息つける場所。メジャー最多勝よりもビクロイで「パパすごい!」と褒められるよろこび
~追記②~
Books&Apps(ティネクト株式会社)代表の安達さんもフォートナイトの記事を書かれていたので追記。
自分へ厳しくダメだししないと、能力は上がらない。
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