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夫が麻薬探知犬に懐かれた話

※実は夫が懐かれた犬は麻薬探知犬ではなかったため、修正記事を上げております。詳しくは上記を参照くださいませ。


うちの夫は動物に好かれるタイプである。

夫の叔母さんが存命中の時には、知らない犬に懐かれていたエピソードをよく聞かされた。どんなに気が荒い犬でも、彼が近づくとビックリするくらい大人しくなるという話は、特に何度も聞かされて暗唱できるほどだ。

ちなみに夫は二つ上のお義兄さんと二人兄弟だが、まだお義兄さんとはお会いしたことがない。
わたしと夫は出会って25年、再来年には結婚して20年だがいまだに会う気配もない。仲が悪いわけではないのだが、たぶんお義兄さんはADHD的な何かだと推測している。仕事と趣味以外の興味ないことには一切かかわらず、実の弟にも数年に一度電話があるだけ。引っ越す際の保証人にはお互いになっているらしいのでお互い嫌いあったりはしていない。身内でもこんなにやり取りのない人たちも珍しいと思う。(逆に私の家族は仲が良すぎて驚かれる)

お兄さんはお義母さんに似ていて、夫は叔母さん似ている。叔母さんは夫と似すぎて瓜二つ。夫の友人曰く
「パンダ(夫のあだ名)に女装させたら叔母さんになる」とのことらしい。
実際に会うとその通りだったので笑えてくる。
関係ないが叔母さんは生涯独身で84歳の時に亡くなられた。
夫と似すぎていた為に、
「本当は妻子ある人と付き合っていて妊娠してどうにもならなくなったから、お姉さん(夫の母親)に頼んで養子にしてもらった」
という噂まで立てられていたという、本当かウソか分からないことまで聞かされたこともある。
あと、時代的に珍しく大学の英文科を出ていた叔母さんは、老人保健施設に入居した際に職員さんに英語で話しかけ、認知症の悪化を疑われたことも記憶に新しい。急にお年寄りから英語で話しかけられたから職員さんも驚愕したらしいが、それが通常運行だと説明すると落ち着いてくれた。時代の先取りすぎて周りが付いていけないのも、夫の家系の特徴である。
(ちなみに夫の家系はお葬式もしないことに決めているらしい。私もそれに倣い、死後は検体を希望している)

脱線したので表題の話に戻る。
結婚する前の夫の趣味はアジア旅行である。韓国も好きだったが、台湾にも行っていたらしい。
夫が台湾旅行に行った際、お腹が空いたので肉まん的なおまんじゅうを食べたらしい。その名も水煎包(スイジャンパオと読む)はかなりジューシーで、肉汁はそのうちあふれてスニーカーにかかってしまったのだそうだ。
夫はいい意味でおおらか、悪い意味で忘れっぽい人なのでそのままスニーカーにかかった汁の処置はしたが、靴は変えずに応急処置だけして空港へ戻った。台湾の空港では何事もなく飛行機に乗れてほっと一息ついてたらしい。

そんなこんなで台湾から福岡の空港に戻ってきた夫だが、そんな夫に麻薬探知犬がすり寄ってきた。仕事でクタクタな麻薬探知犬の前に現れた、おいしそうなにおいのする男。
「けしからん!何か美味しいものを隠しているだろう!」とばかりに絡まれたらしい。
ただでさえ動物に好かれやすいのに、肉汁のおいしそうなにおいまでさせているといったら動物ホイホイである。
犬たちは仕事も忘れて夫に付きまとっていたようだ。

むろん人間側はそんなことを知る由もない。

怪しまれた夫は全身検査されて、そののちに無実であることがわかり、解放されたそうだ。

職業犬とはいえ、本能には負けてしまう。そして夫は食べ物を安易にこぼさないように気を付けてほしいものである。
特に空港では。

後日談>

古い話なので麻薬探知犬だったのか動植物検疫探知犬だったのかは微妙だけど、どうも後々見てみたら上の訂正記事の内容の方が正しそうなので、こちらの訂正記事もアップしておくことにします。
どちらにせよ余計な疑いをかけられたくなければ、食べるものには十分気を付けられた方がよろしいかと。

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